表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
西園寺須磨子は未だ恋を知らない  作者: 天音紫子(著)×霧原影哉(構成・監修)
第11章 恋路は静かに、LIMEは騒がしく
43/80

美佳、令嬢4人に包囲される

 バイト帰り。

 駅前ロータリーの人混みを、美佳はファストフード店の紙袋をぶら下げて歩いていた。


「今日の賄い、当たりだったな〜。はよ帰って食べよ……」


 そう呟いた瞬間だった。


「まぁっ……! あちらに美佳様が!」


「本当に……! お声をかけるなら今ですわ!」


「美佳様〜〜!!」


「お待ちくださいませ、美佳様!」


 ――令嬢4人に、四方から挟まれる。


「ひっ!?!? え!?なんで!?

 なんで高貴っぽい皆様がロータリーで私を囲むの!!?」


 美佳は完全に動揺して後ずさる。

 しかし令嬢たちの瞳はきらきらと輝いていた。


「美佳様は、須磨子様のご友人でいらっしゃるのでしょう?」


「ぜひ、わたくし達とも仲良くしていただきたく……!」


「ご挨拶が遅れましたが、美佳様にお会いしたくて……!」


「もしよろしければ、LIMEのグループを……!」


「ちょ、ちょっと待てぇぇぇ!!

 どこ情報!?なんで私がそんな扱い!?

 ただのファストフード店員だよ!?」


 しかし、4人は全く動じない。


「美佳様は、須磨子様に信頼されている特別なお方。

 それは、わたくし達にとっても大切な方なのですわ!」


「ご安心くださいませ、美佳様。

 わたくし達、危険な者ではございません!」


「いや今の状況が一番危険なんだけど!?!?

 ロータリーで四方囲みって!!」


 美佳はパニックになりつつ紙袋を抱えて後退したが――


4人は笑顔で距離を詰める。


「では、美佳様。近くのカフェでお話を」


「グループLIMEの招待も、その場でお送りしますわ!」


「須磨子様スタンプも、ご準備しておりますの!」


「作ったの誰!?社交界こわっ!!」


 抵抗も虚しく、美佳の腕はそっと丁寧に取られた。


「さぁ、美佳様。どうぞこちらへ」


「ああああああ!!

 フリーター、今まさに令嬢4人に連行されてまーす!!

 すまっちーーー!!今あなたの友達が犠牲になってるからねーーー!!」


 駅前の雑踏に、美佳の叫びが吸い込まれていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ