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美佳、限界突破(またかーー!)
その日の午後。
美佳は、公園内のカフェの外席でアイスティーを飲んでいた。
(今日は見ない。見ないぞ……!
2人のデートを邪魔したくないし……!)
そう固く誓っていた。
──誓っていたのだが。
ふと視線を上げたとき、
遊歩道の向こうに、並んで歩く2つのシルエット が見えた。
(……見える……けど、見ない……!)
見ないようにアイスティーを凝視する。
しかし──
(……あれ? なんか……今日、距離ひらいてない?
いや、気のせい……気のせい……!)
必死で耐える。
でも、角度が変わるたびに
2人の距離が教科書の挿絵みたいに一定 であることがわかってしまう。
「…………むりッ!!」
美佳はイスをがたんと鳴らし、身を乗り出した。
遠くの2人は、
今日も手を繋ぐ気配ゼロ。
「…………はあああああああ!?!?」
悲鳴は 距離があるため2人には届かない。
だがカフェ内の客は全員振り返った。
(なんで!?
なんで今日も距離あいてるの!?
あたしがあんなに頑張って背中押したのに!!!
昨日より進展してないじゃん!!!)
テーブルに突っ伏す。
「両思いこじらせすぎなんじゃああああ!!!」
当然それも届かない。
だがカフェ店員が心配そうにこちらを見た。




