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チーフ自主練開始
──翌朝。
チーフは久しぶりに家の近くのトレーニングルームへ足を運んだ。
昨夜の出来事が、まだ胸の奥でざわついている。
須磨子様を“お守りする”と言いながら……
俺は結局、ほとんど何もできなかった。
「……情けない話だな、俺」
鏡に映る自分へ小さく吐き捨て、ストレッチを始める。
久々に重りを持てば、筋肉はすぐ悲鳴を上げた。
しかし腕を震わせながらも、手を止めない。
(強くなる……絶対に。
あの方が二度と怖い思いをしないように)
シャツの背中が汗で貼りつき、呼吸が荒くなっても──
胸の奥から、熱いものがこみあげ続けていた。




