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【砂利道を歩く野良犬たち】      作者: トントン03
第八章 バーテンダーの手利き
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―優史様とその重臣である和泉との関係性―

拙作ゆえ、時間がありましたら第七十一話を読んだ後で――。

第七十九話



 ―優史様とその重臣である和泉との関係性―


「おい、おい」肇は、飲もうとして一度手にしたグラスを置いた。

「穏やかじゃないな。まさか、優史と和泉がやり合ったって話か? ブンちゃん?」

 意外な展開になったものだと思った。肇には、この話はつい最近の話のように思えてならなかった。


「さよりも吃驚して、その時、べンチから立ち上がったまま声も出なかったって言ってました。あたしたちは建物の影に固まって見守っていたんですけど、和泉が、さよりの叫び声に引きつけられるように、すうっとベンチの方へ歩き出したんです。あたしと純子が引き止めようとしたら、和彩美が止めちゃダメだって」

「何でなんだ?」

「和彩美は、その時、咄嗟に頭の中でさよりと優史と和泉の三人の将来を占ったらしいんですよ。あの頃ハマってたバリ島の有名な占い師で、名前……、えーと何てったっけ、忘れましたけど」

「そこはいいよ、で?」

「あたしたちは、優史と和泉が殴り合いでも始まるのか、とハラハラしながら見てて、でも、そうなったらさよりが止めに入るだろうから、その時に出ていって皆で止めればいいと思ったんです」

「殴り合いが始まったのか?」

「それが……」と言った後、文子がグラスを手にし飲み干した。

「おいっ、早く話を進めろ!」

「先生、静かに……」


 店内にぱらっとしかいないお客さん全員の目線がこっちに集まったようだ。それは、カウンター越しで、文子に三杯目の生ビールを注いでいるバーテンダーの目配りで分かった。

 今更どうしようもない昔の話だというのは分かっている。だが、高三の頃の抜け殻同然にみえたさよりの姿は、今でも鮮明に憶えていた。

 文子は、バーテンダーが新たに置いたグラスを手にすると、ゴクンッゴクンッと喉を鳴らし美味そうに飲んだ。

「わかったよ、静かに聞くから話してくれるかい?」

 文子は深く頷いた。

「和泉が言ったんですよ、優史、帰れ! って」

 優史としては、「帰れ!」などと、和泉に指示されるとは思ってもみなかっただろう。この二人の関係は、その当時も社会に出た後も優史が大将で、何事に関しても彼が取り決めたことに和泉が手を加え、それから皆で行動に移すといったパターンだったような気がするからだった。


「そう言われて、優史は帰ったのか?」

「帰るわけないじゃないですか、優史様ですよ」

「優史様かあ、先生が思ってた以上の男だったようだね……」

「和泉ね、さよりと優史の間に身体を差し入れると、また『帰れっ!』って言って、優史の片腕を掴んで突き飛ばしたんです」

「えっ、和泉がか?」

「それを見ていたあたしたちも吃驚しましたよ」

「でも、一番吃驚したのは優史だっただろうなぁ……」

「それで、優史は倒れそうになったんですけど、体勢を直して、なんだあ、おまえ! とか言って、和泉に近づいていったんです。和泉が自分にそんなことをするなんて思ってもみなかったんでしょうね。見てて、あたしたち、大丈夫かと心配になっちゃって。隠れている場合じゃない、そう思って出ていこうとしたんですけど、また和彩美が腕を横にして、『行っちゃダメ!』って……」

 皆は、占い師としての和彩美に一目置いているようだった。

 文子は、グラスに残ってるビールを飲み干した。しかし、バーテンダーの声は掛からなかった。


「ペース早くないか? ブンちゃん……」と言いながらも、肇はこのドラマのクライマックスを聞きたくて仕方がない。

「建設会社に居ると、たとえ事務職でも飲む機会が多々あって、場を盛り上げなきゃいけない立場でもあるんですよ。あたし、ホステス役も担ってます」

 タイミングを計っていたバーテンダー……。空いているグラスに一目やると、肇の顔を見ながら「どうなさいますか?」と目顔で知らせてきた。

 それに気づいた文子は「もう一杯もらって、それ飲んだら別なものにしようかなあ」などと言い、グラスをバーテンダーに差し出した。

「大丈夫かい?」

「何言ってんですか、これからじゃないですか。串揚げ屋では一時間ぐらいしか飲んでなかったんですよ。飲むというより食べる方がメインでしたよね。それに、あたし、もしかして、肇先生より……強いかも」

 確かに、これまでの飲み会で酔っぱらった文子の醜態など見たことはなかった。

「酒が強いのはいいけど、先生としては、泣き上戸だとしたら手に負えないかなぁ……」

 予防線と、どう返して来るのかを知りたかった。

「泣き上戸、今まで泣いたことはありませんけど。でも、今日は自信ないかなあ……」


 そうだった。文子の悩み事――。今の彼氏との関係が上手くいっていない、そんな巷に溢れていそうな悩み事ではないのか? しかし、それを聞かないで帰るわけにはいかなかった。


「ということは、泣く寸前で笑わせなきゃいけないんだな? よし、任せろ!」

 バーテンダーは、肇の頷いた合図でビールサーバーのレバーを下ろした。

「せっかく気分がのってきてたのに、自分で話の腰を折ってしまったみたい」

「重臣の和泉が、優史様に『帰れっ』、そう怒鳴って突き飛ばしたってところからだよ」

「そう、それでね、優史は倒れそうになったんですけど、体勢を整えると、和泉に近づいていったんです」

「いよいよ始まったのか?」

「顔と顔がくっ付きそうになるくらい、優史が迫って行ったんですよ。暫くの間、和泉を凄い目で睨みつけていました。和泉の顔は見えません。その時、どんな表情をしてたんだろう……。見てみたかった。あたしだけじゃなく、純子と和彩美もそう思ったって言ってました」

「先生も見たかったな。きっと、一皮剝けて、和泉が逞しくなる瞬間だったのかもしれないな」

 肇は、その後どっちかが手を出したんだろうとの推測を立てた。

「それを見てて、もう止めに入ろうとしたら、また和彩美が腕で遮って、行っちゃダメって言ったんですよ」

「和彩美って、凄いんだなあ。部屋で一人、お手玉でもしてそうな女の子に見えるのにな」

「和彩美は、優史とさよりの会話にいきなり入り込んで来た和泉を見てて、その後の成り行きに、誰も触れてはいけない何かを感じ取ったのかもしれません」

「なるほど。優史と和泉、それにさより以外の者が入り込んじゃいけないってことだね?」

「和彩美は、さよりが何か行動を起こすのを待ってたのかも……。でも、さよりは呆然と立ち尽くしているだけでした。その後は、時間が止まったかのように三人とも動かなかったんです」

「興味深いね、その後が……。どうなったの?」

 間を取りたいのか、文子はバーデンダーが話の邪魔をしないように置いたグラスを手にし、喉を三回鳴らした。


「和泉がね、今度は全体重を掛けて、優史を思いっきり突き飛ばしたんです。優史は後ろへひっくり返りました。近すぎて、あれじゃいくら運動神経の良い優史でも避けようがありません。その後、和泉が馬乗りになって優史の革ジャンの襟を握り、首を絞めあげる格好になって……」

「和泉が馬乗りに? おおーっ、やってくれたなっ、いいぞっ!」

「優史、苦しかったんでしょう。和泉の手首を掴んでいました。喧嘩慣れしている優史と違って、和泉は加減が分からないんでしょうね」

「誰も止めに入らなかったのか?」

「見てるだけでした。さよりも。なんでか分かります? 先生」

 そう言われても想像もつかない。

「その姿を見てて、分かってしまったんですよ、みんな……」

「何が?」全く理解ができなかった。

「和泉が、さよりのことをずうっと好きだったってこと……。きっと、優史もぽとぽとと落ちてくる涙を顔で受けながらそう思ったんじゃないかな……、いくら馬乗り状態でも、相手は細身の和泉ですから。優史なら、下からでも腕ずくで簡単に投げ飛ばすことができたと思います。でも、優史はそんな和泉の顔をじっと見つづけていました……」

 肇は、意外な展開に声も出なかった。

「その時、和泉が発した言葉……って『おまえこそ、どっかへ行けっ!』でした。肩を震わせながらそう叫んだんです」

「どういうことなんだ?」

「和泉って、どこの大学を受けようとしてたか覚えてますか?」

「一橋大学を受験して受かったんだから……」

「そうですけど、問題は滑り止めの大学だったんです。あたしたちは、二年の頃に和泉がみんなに話していたので分かってました」

 肇はその辺の記憶はなかった。

「関西の大学ですよ。滑り止めに関西の大学を受けるって。高二の二学期に入って、さよりのお父さんが店をオープンさせて暫く経ってからのことでした。急に言い出したんですよ、和泉……。カモフラージュで一橋は受験しても、たとえ受かったとしても、そこに入るつもりはなかったんじゃないのかな……。関西の大学へ行こうと決めてたんですよ、多分……」

 当然、肇は「どうして?」と訊いてみる。

「当時、あたしたちも、何で? って訊いたんですが、答えてくれませんでした。あたしたちは深く考えずに、第一志望が一橋ですから、そこが受かれば、みんな東京で学生生活が送れる、和泉なら受かるんじゃないか、そう思ってたんです。また、関西の大学へ行ったとしても、みんなで旅行気分で和泉に会いに関西へ行くのもアリかなと、そんなふうに軽く考えてました。ところが、和泉が馬乗り状態で、次に発した言葉が、『おまえが関西の大学へ行け!』だったんです。あたしたちは、その言葉ですべてを理解しました。下から見上げている優史も……。和泉の性格を考えれば……」


 和泉の性格? 想うに、何か問題が起こったとしても卒無くこなし、自らは決して波風立てることは無く……。そんなイメージを抱いていた。考えても、なぜ関西の大学へ行こうとしていたのかが理解できないでいた。


 文子は、それを見越したのか、

「優史はさよりに夢中で、さよりも優史に夢中、だからですよ。和泉はね、その関係を見ているのがつらかった。これからもそれを見つづけることなんてできない、そう思ったからなんです。それだけではないんですよ。誰にも気づかれないうちに、遠く離れた所へ行ってしまおうと考えていたんです」

「和泉がさよりのことを好きだったってことは、誰も気づかなかったってことか?」

「和泉、そんな素振りは一切見せませんでしたから。ただ……」

「ただ? なんだ?」

 文子は、言い難そうな表情を浮かべている。

「昔のことなんだから、話してくれてもいいんじゃないか、ブンちゃん」

 文子は、指でグラスについている水滴を擦っていた――。


「話を戻しますけど、和泉が馬乗りの体勢のままでいたんですけど、突然、優史が和泉の顔を殴って、その後、まるで掛け布団を蹴り上げるかのように退かしたんです。その時、傍で見ていたさよりが、『優史っ、やめろ!』って……」

「ええっ、おーい……」

「吃驚しましたよ、あたしたち。それより、吃驚したのは優史だった……。だって、好きで好きで堪らない相手に裏切られた気分だっただろうから。本来なら、さよりは、和泉が馬乗りになった時点で止めに入るべきだった、そう思いませんか?」

「さよりも、まさか、和泉が優史に向かって行くなんて思ってもみなかったんじゃないのか。それに、和泉が自分のことを好きだった、こんなに近くにいるのに、今まで気づかなかった訳だよな。さより自身が、その愕きとショックで身体が固まってしまって、呆然と立ち尽くしていた、そんなところじゃないのか? 確か、さよりと和泉って、小学校から一緒だったんじゃなかったっけ?」

「幼稚園からです。そのことが、話を更に重くしていたみたいですね。その時のことを、後で和泉が言ってましたけど、さよりは、馬乗りになってる和泉の背中しか見えてない位置にいたから、優史が和泉を殴ったかのように見えてしまったんじゃないかって。事実は、優史は首を絞められて苦しくなったから、掌を和泉の顎に当てて押しやった、そういうことだったらしいです。その時の情況って、二人は離したら大怪我をしそうなゴムパッチンの勝負をやってて、和泉ならそれを口に咥えたまま決して先に離したりはしません。和泉が人を殴れるわけがないじゃないですか、優史と違って。友達と口喧嘩しているところさえ見たことがないんですよ。でも、優史は、上級生とも何度か殴り合いの喧嘩をした経験があります」

「さよりは和泉の背中を見ていて、つまり勘違いしてしまったってことか? さよりには、二人が咥えていたゴムを優史が先に離したかのように見えてしまった……」

「優史は、自分が助かることを優先した、『優史、おまえは卑怯者だ!』さよりにはそう映って見えたんでしょう」

「恋愛感情を抱いている間柄の勘違いって、時として、後戻りができない結末を生んでしまうことがあるからなあ……」

「それで、優史が起き上がると、さよりを寂しそうな目つきで見つめていました。優史の顔が濡れているのが分かりました。それは、顔に落ちてきた和泉の涙なのか、それとも自ら流している涙なのかはわかりませんでしたけど……。その後、優史は、さよりから目を逸らすと、背中を向けてゆっくりとその場を離れていきました。広場から道路へ出ると、今度は急に駆け出して行ってしまったんです。そのうしろ姿って、まるで負け犬がキャンキャン鳴きながら逃げ去っていく姿に見えてなりませんでした……」

「優史のそんな姿、想像できないなあ……」

 誰も知らない優史の一面だったのかもしれない。

「優史、そんな自分の姿がみんなに見られているのが堪らなく、また屈辱的なものだったんじゃないかと思います。でもね、先生……、次に何が起こったと思います?」

「次って? 何が起こったんだ?」

 この話には続きがあるようだ。


「公園から優史の姿が見えなくなって行く……。鈍い光でテカっている革ジャンが消えかかって来たとき、突然『あたし、行くよ!』って、純子が走り出したんです。これにも吃驚しましたよ……」

「まさか、えっ? もしかして純ちゃんは優史のことが好きだった? なんてことは……」

「ちょっと、先生、最近のへったくれドラマなんかと一緒にしないでくださいよ。実話なんですから」

「そうだった、心して聞かないといけない」

「実は、そうなんです。優史のことが好きだったんですよ、純子……。和泉と同様、みんな見抜けなかった……。こんなことってあるんですね。毎日傍にいるのに全く気づきませんでした。占い師の和彩美でさえ、目を丸くしてましたから。でも、今だに訊いてはいませんけど、片思いの相手に向けている哀しい表情って、同じ立場にいる者であれば分かってしまうものなのかもしれません」

「同じ心の痛みを抱いている者同士って、一番の理解者だからなあ。うん? ということは、純ちゃんと和泉、分かってたってことか?」

「あたしの推測ですけどね」

「そうなんだあ、片思いの相手を哀しそうに見つめた後、もしかしたら、その目でお互いを慰め合っていたのかもしれないね……」

 二人は、当事者同士しか分かりえぬ想いを推し量っていた。


「あたしが心配だったのは、優史を追い駆けていった純子が、果たして優史に追いつけるのかってことでした。でも、和彩美は、大丈夫だって言うんですよ。恋心を抱いている方は、相手の〝匂い〟に敏感になっているから、隠れていても『優史っ、見っけ!』なんて探し当ててしまうものだって……」

「優史としては、見つけてほしくなかったんじゃないか。自分のそんなみっともない姿、誰にも見られたくないだろから」

「そうなんですか? でも、女の子からすれば、そんなことはありませんよ。好きな相手だったら、みっともないところを見たって平気だし、却って見たいと思うかもしれません。卑怯なところと、みっともないところは違うんですよ」


 それを聞いて、一瞬肇は言葉に詰まってしまった。納得してしまう反面、だったら、純子は、優史が和泉を殴ったとは思っていなかったのだろうか、そんな疑問が湧いてきてしまった。

 そこで、

「でもだよ、純ちゃんは優史が和泉を殴ったとは思ってなかったのかな?」と訊いてみた。

「思ってませんよ。純子は、優史を信じてる。そんなことをする筈がないって」

 じゃあ、さよりは優史のことを信じていなかったってことにならないか? との新たな疑問が湧いてきた。

「もう、先生って鈍感なんだから。さよりは、決して手を出すことはない和泉が輝いて見えてしまって、その分、優史の姿が暗闇に消え去って行って見えなくなってしまったんですよ」

 肇には、掴みどころのない、彼らしか理解できない意味合いがそこに含まれているのだろうと思った。

「優史が去って行った二人だけしかいない広場で、さよりは、和泉の脱げた靴を揃えてあげて、背中についている泥を払ってあげていました」

「微笑ましい光景だね……」

「その後の二人の行動が変だったんですよ。もう建物の影から覗く必要もないんですけど、二人だけの、他の者を寄せ付けないムードが漂っていました」

「それは、恋人同士の二人の世界ってやつじゃないか?」

「違いますね、どこでも構わずいちゃついているカップルなんかじゃありませんでした。ムードって言いましたけど、それは、うっとりとか甘いとかという意味じゃなくて……なんて言ったらいいんだろう」

「何しろ、誰にも分からない二人だけの世界ってことだよね?」

「二人だけにしか理解できない世界……。和泉が急に夜空を見上げながら、ぴょんぴょんとジャンプし始めたんです。さよりは、それを首を傾げながら眺めてました。すると、和泉は星も出てない空に向かって『一緒に行くよ……』って、どういう意味だったのか……。不思議だったのは、今度はさよりが和泉の真横に並んで一緒に飛び跳ね出したんです。二人は手を繋ぎました。私と和彩美は、茫然と二人の姿を眺めていました。そろそろ止めるだろうと思ったんですけど、二人は厚い鉛色の鉄板のような夜空を見上げたまま飛び跳ねるのを止めませんでした。荒い二人の息づかいは、競い合っているかのようにも見えました。もしかしたら、それって、夜間の滑走路に見えていたのかもしれません。和彩美は、二人は幼なじみだから、あたしたちでは理解出来ない心情の通じ合いが出来ているんだって言ってましたけど」

「そりゃ、分からんだろうなあ。でも、素敵な関係であることは間違いない」


「とても羨ましかった、とても……」


 文子が現在抱えている彼氏との同棲生活の悩み……。彼女にとって、仲間たちの恋愛感情の固い絆は、却って悩みを増幅させる役割を担っているかのように思えてならなかった。


「しかし、なんで今まで黙ってたんだ? 先生は、ずうっと良好な友達関係が続いていると思ってたよ。黙ってた理由がわからない。先生に話す機会は何度もあっただろう?」

「これで一件落着だったら……」

「おい、揶揄ってるのか?」


 文子は、まだ何かありそうな気配を醸し出していた。    (つづく)



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