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【砂利道を歩く野良犬たち】      作者: トントン03
第三章 【山下公園】と【港の見える丘公園】
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―義理の父親との異質な関係と実の父親との稜線―

伏線はこの先もバンバン張っていく予定です。回収もしていかなければ。。

 第二十五話



 ―義理の父親との異質な関係と実の父親との稜線―


「俺んちの親子喧嘩の話で途切れちゃったね」

「善くんのサスペンスドラマって、あたしの打ち明け話が途切れてしまうほど衝撃的だったから」

「いやいや、おまえの実話には負けるんじゃないか。その話の結末だけどさ、釣りしてて、お父さんに声掛けてきたおじさんって、誰だったのよ?」


 ここまで引っ張ったのだから、もしかしたら、俺の話より衝撃的な話なのかもしれない。しかし、彼女は家を追い出される瀬戸際のところで助かっている。その後、お父さんとどのような形で仲睦まじい関係に至ったのだろう。過ぎ去った事とは言え興味をそそられた。


「お父さんに後で聞いたらね、隣のおじさんだったの」

 善幸の背筋がピーンと伸びた。

「バカ野郎っ、早く言えや! まさか、〝マリモ〟も現れなかったってか?」 

「女? その通りです!」

「怪しいことは何一つなかったってことなのか?」

「そうだけど、不味かった?」

 善幸は、自分の拳に重ねている彼女の手をパッと払い除けて立ち上がった。

「えっ、急にどうしたの、善くん?」

「この糞寒い中、しょうもねえ釣りの話で長々と引っ張りやがって、もう行くぞっ!」

「待って!」

「待てねーよっ、おまえの着てるダウンジャケットは温かいだろうけど、俺の着てる革ジャンは冷たい空気が胸元から袖口へと抜けていくから寒いんだよっ、熱々の激辛ラーメンでもズルズルと啜りてーや。立てよおっ、四川料理を喰いに行くぞっ」

「あのね、善くん、まだ話したいことがあるんだけど……」

「はあ? 大切な話なら最初にするもんだろうがよ!」

 善幸のイライラが治まらない。

「あたし、善くんに、また虐められてるような気がしてきた……」

 コノヤローッ、と思ったが、でもこれを言われると、不思議と熱を帯びていた頭が段々冷やされていく。意図的に、彼女の思う方向へ余儀なく転換させられていくような気がしてならなかった。


 彼女は、大きな溜息を付いて下を向いた。如何したらいいのだろう、と善幸が考え込んでいると、彼女は顔を起こし、工事中の橋脚の点滅している方向へ指をさした。

「向こうで、お父さんがこっちを見てる……」

「おい、狡いぞ。お父さんに助けを求めるな。お父さんは人格者なんだろ? そうだとしたら、虐めじゃないってことぐらい分かってくれるはずだ」

「そうかなあ、虐めてると思うかもよ。あたし達が喧嘩しているのを見たら、お父さんはきっと間に入ってきて『美乃里を虐めるな!』って言うと思う。善くんに対し、現場監督特有の怒鳴り方でね。うちのお父さんは、職人さんたちとの揉め事が絶えない中で仕事をしているから、喧嘩には慣れてるみたいだしさ。どうする?」

 この「どうする?」の問い掛けが、善幸にはいまいち飲み込めなかった。

「取り敢えず、現場監督とは二メートルの距離を保って、軽く膝を折っとくよ。けどな、直ぐに逃げられるようにって意味じゃないからな」

 これは、当を得た回答だっただろうか。善幸は彼女の前をうろつき、その様子を窺った。

「そう……」

 やはり、そぐわないようだ。

「何か、ご不満なことでもおありで?」控えめに訊いてみたら、

「大有りだよ、善くん!」

 急に勢いづき、彼女も立ち上がった。

「ええっ、なになに?」と、一瞬たじろいだ。

 彼女が一歩近づき、善幸の腕を掴んだ。

「この場所で、もう少し話したいの。だから、座って。寒いのなら今度はあたしが善くんの身体を温めてあげるから」

 確かに、彼女の話は中途半端だった。彼女は腕を掴んだ手を離すと、善幸の背中へ両腕を回し込み擦りはじめた。善幸は辺りを見回す。すると、まだ一番端っこのベンチにカップルが身動きせずに座っていた。抱き合っているような姿を見られてはいないだろうか。

 善幸は腕時計を見た。八時になろうとしていた。四谷の駅に着いていなきゃならない時間だった。親方から八時までには店に入れよ、と言われたことが頭を過ったが、

「そこまで言うなら……わかったよ」

 善幸は、ベンチを温め直すことにした。ホテル内の店だったらラストオーダーは十時半ではないかと思ったのだ。それにしても、今日一日、なんでこんなに時間に追われなければならないのだろう。

 美乃里が革ジャンの襟を立ててくれた。

「最後まで聞いてね、心温まる話だから……」

「わかった。その前に、一つだけ訊いておきたいことがあるんだけど」

「何?」

「庭にある倉庫のことなんだけどさ、」

 善幸が言葉に詰まっていると、

「その溜池で、お父さんたちがどんな魚を釣ってたかって話じゃなくて?」と彼女が訊いてきた。

「喰えねえ魚なんか、どうでもいいんだよ。お父さん……、倉庫に鍵を掛けてたんだよね?」

「そうだよ」

 彼女は、取り澄ました顔で答えた。

「鍵って、お父さんが持って行っちゃうの? 一人で倉庫を開けて見たことある?」

「…………」

「何で答えないんだよっ」

「あたし、話さなかったっけ、鍵は下駄箱の中に入れておくからって、お父さんが言ってたこと? 善くんさ、とんでも無いことを考えてない?」

 そこは、安易に踏み込んで来られては困るデリケートで個人的思考感覚の領域だった。しかし、「とんでも無いことを考えてない?」この彼女の一言で、滑稽とも思える的外れな推測はさっさと取っ払うことにした。

 善幸は「言っておくけど、俺は『鍵は下駄箱の中に入れておくから』なんて聞いてねーし、それに、とんでも無いことって、例えばなに?」と訊き返してみた。(仕掛けやがったな!)

「先に言ったら?」

「言わねーよっ」

 そんなことを今更言えるはずもなかった。

 彼女は、つましい橋脚の点滅に目を向けた。

「お父さん、あの溜池をどうやって探したんだろう、どうして興味のない釣りをしようとしたのか、あたし、変に疑ってしまったんだよ、あの頃……。訊きもしないでさ」

「なら、訊けばよかったじゃん」

「お互いに会話をしないっていうか、会話が無いわけじゃない、するとね、まさぐるようにお父さんの日常を観察してしまうの。あたしの鋭い観察力が発揮されちゃったみたい。的外れのね……」

「発揮しすぎるのも問題だったってことだな。勘繰り過ぎると、疑いが晴れた後でも、それが頭から離れなくなる場合もあるんじゃないか。普段の会話が無いのがいけなかったんだよ」

「お父さんとあたしって、言わない訊かないの関係だったじゃない、これってコミュニケーションが取れてないと思われるかもしれないけど、訊かない方がいいことだってあると思う」 

「俺は、そんなの無いと思うけど」

「でもね、お父さんが釣りをはじめたのが切っ掛けで、あたし、お父さんのすべてが分かったような気がしたの。お父さんのことを、さっき人格者だって言ったじゃない、」

「ちょっと待てよ、義理のお父さんなんだぜ、すべてが分かるなんてありえるかよ。血が繋がっていても、すれ違いなんてしょっちゅうあるもんだろ。親子喧嘩に兄弟喧嘩、田舎の方では分家本家で揉めてたりさ」鼻で笑った。

「あたしがそう思ったんだから、いいじゃない。あたしね、今のお父さん、凄い人だと思ってる」

 美乃里の気分を損ねてしまった。また言い合いに発展しそうだ。善幸はやり返すような言い方は止めて、話の流れに棹さすことにした。

「怒るなって。どう思おうが、おまえの自由。それでいいだろ?」

 この一言で、多少機嫌が直ったようだ。


「お母さんが……男の人のところへ行っちゃったじゃない、その後、お父さんと二人きりになったことで、日常生活がガラッと変わってしまったからさぁ」


「……今なんて言った? あぶねえ、あぶねえー、聞き逃すところだったよ。おまえの作り話じゃないよな? その〝お母さんが男の人のところへ行っちゃった〟ってとこ」 

 善幸は改めて思った。彼女は、まさしく一流の語り部だったのだと。

「どうなんだろう……。これって、直接本人の口から確かめないといけないことなんだよね、きっと」

「何か事情があったんだよ」そうとしか言えなかった。

「お母さんが出て言った後はね、日を増すごとに、あたし、赤の他人と一緒に暮らすことになったんだっていう意識が芽生えてきたの。その思いが強くなっていって、暫くの間、お父さんに話しかけられなかった。お父さんも、あたしとどう接していいのか困惑してたみたい」

「血の繋がりって、そんな時に露わになるもんなんだね……」

「あたしね、先が見通せない暗い夜道を一人で歩かされているようで、とても心細かった……。お父さんに背後から不意に声掛けられたら、襲われるような気がして怖くて仕方がなかった。身体を屈めてしまうようなこと、実際何度かあったけど……。そんなあたしの姿を見て、お父さん、ショックを受けたみたい。それからというもの、出て行ったお母さんのことと、そんな精神不安定状態のあたしのこと、この二つの悩みがお父さんを苦しめていったんだよ」

 善幸は、彼女の顔を見れないでいた。


「お父さん、家に帰ってくると、服も着替えずにテレビの前に座ったままで動こうとしなかった。その理由は、お父さんと仲良しになってから分かったの。あっそうだったんだ、ってね。お父さんって無口だから、あたしが分かってあげなきゃいけなかったんだよ。お父さんが動く時ってね、『ビールでも飲もうかなあ……』とか『風呂でも入るかなあ……』そんな独り言をいってから立ち上がるの。あたしが台所で食器を洗っている時に、お父さんが何も言わず後ろに立っていたら、あたし……声を上げちゃったかもしれない。お父さんが冷蔵庫からビールを出そうとしただけでね。今となっては〝家に帰ったら急な行動は慎む〟それを習慣づけようとしてたお父さんの滑稽な姿が笑えるんだけどさ。その頃は、あたしね、お父さんもどっかへ行っちゃえ! って思ったよ。もう一人でいいから! って。お金をたくさん置いてってくれないと困るけどさ」彼女が悲しげな目をして笑った。


「そりゃ勝手すぎるだろ。でも気の毒だったな、お父さん……。家に帰って来ても、おまえのお陰で休みなのに休めないし、ずっと現場で泊まってた方が気が楽だったんじゃないか?」

「あたしもそう思ったよ。でもね、お父さん、家に帰って来たかったんだよ。地下街でへぎそば食べてた時さ、新潟に住んでたって言ったじゃない、お母さんとお父さんが結婚する前、あたしたちはお母さんの実家の近くに住んでいたの。そこでお母さんはお父さんと知り合った。十日町のスナック〝すずらん〟でね。愕いた?」


 その類の愕きには今日一日で慣らされてはきたけれど、スナックが『すずらん』だったことから、母親が居なくなった後に、彼女が庭に植えたスズランの意味を理解することができた。

 それは玄関から道路までの踏み石の両側に植えられていて、「春になると、釣鐘状で白い小さな花模様の絨毯がここに出来上がるの」と言い、「その頃に見に来てね」そう自慢気に話していたスズランの花だ。今朝、クルミ姉さんに教えてもらった花言葉『幸福が帰る』が頭を擡げた。


「昨日、おまえが出した宿題はやってきたよ、スズランの花言葉。もしかして、おまえのお母さんって、そのスナックで働いてた、なんてことは、ないよな?」

「ピンポーン!」彼女は人差し指を立てた。

「それ、嘘じゃないよな?」 

 この話は、大人の恋愛物語のプロローグなのだろうか。

「当時、お父さんの仕事現場がその近くだったの。お父さんね、十日町に三年いたんだよ。周辺には信濃川とその支流もたくさんあるから、新たに掛ける橋と古い橋の改修工事で大変だったみたい。仕事が終わると、宿の近くのスナックで飲んでたってわけ。そのスナックが『すずらん』だった、と言うこと。あたし、よく店に顔を出してたんだあ。お店のママも良い人で、店に来て待っててもいいって言ってくれたの。家に一人で居るのはとても不安だったんだよ。まだ小学生だったんだからさ」

 頷きながら善幸は聞いている。


「お父さんね、その店のカウンターの端っこに座って静かに飲んでた。そのくらいしか楽しみがなかったんじゃないかな。趣味なんて一つも持ってないんだからさ。時々、柄の悪そうなお客さんに向ける強張ったあたしの顔を見ては微笑んでいたのを覚えてる」


 >中年の男が、飲み屋で働いている女と知り合い意気投合した。その女には子供がいて、エイッ、  ヤアーッ酒の勢いで一緒になった。そんな話はどこにでも転がっていそうだと思った。

  お父さんと美乃里は庭にスズランを植え、今でもお母さんの帰りを待っているということなの   か。スズランを増やし続けていけば、きっといつかは帰ってくる、そういう想いがお父さんからも  伝わってきた。花言葉の三つの内の一つ『幸福が帰る』がこれで解けた。


「俺に宿題を出したスズランの花言葉、そして今でもおまえが庭に増やし続けているスズラン。小学生の頃、十日町のスナック『すずらん』で今のお父さんとお母さんが出会った。遡って行くと、そう言うことになるな。作り話のようだよ……」

「出会いがスナックじゃいけない? 健全さがないように思われるかもしれないけど、大人だからね。お母さんから聞いてはいないけど、あたしの本当の父親も、スナックで知り合った人なんだと思う」

「一つ訊いていい?」

 善幸は、これを訊けば、彼女の身の上話で愕くようなことはもうなくなるのではないかと思った。

「なに?」

「おまえの母親ってさ、水商売の仕事しかやってこなかったの?」

「なんでそんなことを訊くの?」

「他の仕事がなかったのかなと思ってさ」

 本心は、おまえの母親って男好きなんだろ? 善幸はそう訊きたかったのだ。しかし、間違ってもそんなこと言えやしない。


「十日町っていう所は豪雪地帯なんだよ。仕事といっても、スキーシーズンならホテルや旅館の求人はあるけど、泊まり込みじゃないとダメなの。朝が早いんだよ。まだ除雪車も通らないから。それに、あたし小学生だったし、家に一人で一週間もいられないでしょ?」

 これだけで、十日町の情景が頭の中に浮かんできた。

「善くんね、あっちは東京のように職を探すのって簡単じゃないんだよ。スキーで来るお客さん目当ての仕事だって、シーズンオフは何か別な仕事を探さないとならないでしょ。豪雪地帯で母子家庭が生きていくのは大変なんだよ。お母さんが近くのスナックで働けたのが幸運なくらい。でもね、母親がスナックで働いてるってことがクラスの友達に知れ渡るとさ、皆口を利いてくれなくなったよ。無視された。だから友達はいなかったの」

「俺がいたら親友になってやったのにな」

「そう? 虐める方じゃないの、善くんは……」

 彼女は、心許なく辺りを照らしている外灯に目をやった。

「そう言われると、否定できないかも、なーんてね。でもさ、高校生より小学生の方が、虐め方に遠慮がないから残酷かもしれないな。俺はね、虐めたこともないし、虐められたこともなかった。何もしない相手を、いつまでも虐め続けている神経が俺にはわからなかったよ。苛めってさ、常態化してしまうと悪気が無くなっていくんだな。その後、更なる刺激を求め増幅させていく。質が悪いのは、やってる連中って終わりを知らないということ。残酷さはそこにあるんだよ。田舎の中学校は、小学校からそのまま上がっていくから、ほとんど虐める側のメンバーは同じだろ? だから、虐められる方とすれば、また地獄の日々が始まるってわけだ。よっぽど良い担任の先生に当たらない限り、虐めは無くなることはない」

「そうなんだろうね。幸いに、あたしの場合は中学へ入学すると同時に今の家へ引っ越して来たから助かったの。十日町の中学校に入っていたら、あたし、どうなってたんだろう……。今考えると恐ろしく感じるよ。でもね、今のお父さんが居るから大丈夫だったんじゃないかと思う。だって、あたし、虐められたら直ぐにお父さんに相談しちゃうだろうから。お父さん、きっと仕事休んで学校へ殴り込みに行くだろうな。虐めた子の家にも行って親の前で、その子にとことん説教するんじゃない!」彼女は、拳を握り締めていた。

 その口調から、善幸は、お父さんとの今現在の信頼関係の強さを感じた。しかしながら、その話はお母さんが家を出ていかなかった場合の話ではないのだろうか。


「今の義理のお父さんは兎も角、おまえの話ってさ、女房子供を捨てて好きな女のところへ行っちゃう実の父親と、好きな男が現れると家庭を捨ててそっちへ行っちゃう実の母親の話だもんなあ。普通さ、どっちかなのによお、どっちもって、ありえなくね?」

「当事者のあたしに訊いてるの?」

「おまえの実の親たちにだよ! 誰が子供を守ってやるんだ? 自分勝手というか無責任すぎるだろっ、おまえの実の親って、どっちも最低だな!」

 最後の一言は余計だった。

「顔も覚えていない実の父親が、女のところへ行ったなんて話、あたししたっけ?」

「言った言わないの問題じゃなくてさ、おまえの言い振りから臭って来るの。おまえんちの血筋って、そんなのばっかじゃねえーの? もしかして、爺さん婆さんもそうなのか? だとすると、叔父叔母は? 話がややこしくて家系図書いてもらわないとわかんねーよ」

 善幸は、勢いでまた軽はずみなことを喋ってしまった。

「お爺ちゃんとお婆ちゃんは違うよ、ずっと一緒だって。でも、善くんって、悪気が無くても闇雲に酷いことを言い出すよね。これで何度目だと思う?」

「と言うことは、実のお父さんはそうだったってことだろ? なんかさ、腹が立ってくるんだよな!」

「そうすると、あたしも善くんにその類の人間だと思われてるってことだよね?」

 彼女は、不服そうな面持ちで言い返してきた。

「そんなことは言ってないだろ……」

「だって、そう聞こえるじゃない!」

「勘違いするなっ」

「あたしが悪い訳じゃないっ!」

 涙目になっている美乃里……。

「勿論そうさぁ、悪いのはおまえのお母さんと実の父親。その尻拭いで面倒を被ってしまったのが義理のお父さん。その結果、狭間で悩んでいる気の毒なおまえとこの俺様が、この寒空の中でさっきからずっとここに座ってるわけだ。話を整理するとこんな感じになるかな?」

 血筋などと一括りにしてはいけなかった。

「……間違ってはなさそうだけど」

「だからさ、俺が勢い余って言っちゃうのは、おまえの話を真剣に聞いてる証拠なんだよ。理解してくれよな」

 彼女が、どういう訳か話を戻してきた。

「ところで、善くん……、なぜお父さんは釣りに行ったんだと思う?」    (つづく)


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