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【砂利道を歩く野良犬たち】      作者: トントン03
第二章 美乃里と善幸との出会いから
15/87

ーサトシと黄色の丸葉すみれと美乃里の涙 (店名を【和食処 悠の里】に変えた理由)ー 

十五話までは伏線を敷くためのストーリーでしたので、面白さを感じなかったかもしれませんが、この後の展開でしょうか。続けて読んでいただければ幸甚です。トントン03

第十五話



 ―サトシと黄色の丸葉すみれと美乃里の涙 (店名を【和食処 悠の里】に変えた理由)―


 美乃里が開店時間の午前十一時三十分に店先へ暖簾を掛けると、見計らっていたように中村電器の旦那が入ってきた。勿論客はまだ居ない。

「親方いるぅ~」弾んだ声だった。

 美乃里が接客するより早く、小上がりに上がろうとしていた。

「いらっしゃい、中村電器の旦那さんがお昼に来るなんて珍しいじゃないですか。あれ、奥さんもいっしょ? あれれ、息子さんも!」

 遅れて、旦那の後から二人がやってきたのだ。美乃里は、サトシが現れたことに驚いている。気配を感じ、親方が厨房から出てきた。

「おっとと、珍しいガキがいるなあ。どうしちゃたんだあ?」

 親方は無視しているサトシに、つれない態度で話し掛けた。

 サトシは、座布団の端っこに醤油ジミが付いているのが気になったみたいで、それをひっくり返すと、無愛想な顔つきで胡坐をかいた。親方の顔にはひと目もくれず、商店街通りを眺めている。間を取り繕うため、陽気に振る舞おうとする中村電器の旦那が口を開いた。

「アッハー、実はねえ、親方、今朝かみさんが店のシャッターを上げたら、目の前にサトシが突っ立ってるって、慌てて俺に知らせてきてね、いやあ、びっくり仰天。参った、参った」

 本人が居ないかのよな言い方だった。旦那は頭を掻きながら笑っている。

 厨房から顔だけ出して、おばちゃんと善幸がその様子を窺っていた。美乃里は、腰に手を当てている親方の後方で待機状態だ。不穏な空気が漂ってきた……。

「ほお、生きて本土へ帰って来た兵隊さんみたいだな、サトシ。手柄でも立てて帰って来たのか?」

 それには反応しなかった。サトシは窓越しに自分の店の“看板”を見遣っている。

 そこで親方が、

「しっかし、親に散々心配かけておいて、締めは吃驚のおまけ付きかあ。そんなの誰も喜ばんぞっ」

とサトシに投げかけた。

 サトシはまだ何も言おうとしない。親方は核心を突いた。

「サトシ、どうせ金が底を突いたから取りに来たんだろ、えっ?」親方の口調が変わった。

 サトシは、身動きせずまだ〝看板〟を見つめていた。

「やっぱりな、どうせそんなところだろうよ、馬鹿たれがっ!」

 サトシは親方の怒鳴り声にも反応を示さなかった。

 おばちゃんと善幸が、厨房から顔を出して覗きこんでいた。

 おばちゃんが善幸の脇腹を肘で突いた。「以前、親方から聞いたんけどね、サトシ君はコピーライターになりたかったらしいのよ、儲かりもしない電器屋なんて継ぎたくないって。確かに将来性なんてないのは分かるけどさあ……」

「じゃあ、なんで親父の仕事を手伝ってるの?」

「そこなんだよねえ、コピーライターになりたいんだったら、その関係の会社に就職すればいいのにねえー」

「サトシって、怠け者なんじゃないの?」この時、善幸は彼をすね者として頭の中にインプットした。

 おばちゃんは、サトシのことをじっと睨み見つけている親方のことを気にしているようだった。

「おばちゃんさ、あの看板、彼が考えたんでしょ?」

「あの〝馬鹿野郎!〟の看板かい?」

 善幸は、この体勢では半分しか見えないキャッチコピーを一歩踏み出し、おばちゃんと屈んで確認してみる。意味深なキャッチコピー【家電業界のお人好し 中村電器の馬鹿野郎!】、頭を傾げて眺めている所為か歪んで見えてしまった。

 サトシは、依然として看板を眺めていた。その偉そうな面構えは、(あーあ、誰かこのセンスの塊に気づいてくれないかなあ~、この俺にチャンスさえくれれば……)などと、嘆いているようにも思えてしまった。

 善幸は、親方を無視しているサトシの不貞腐れ態度が気に入らなかった。

 そこで、「おばちゃんさ、いっその事〝馬鹿野郎!〟を飛び越えて〝クソ野郎!〟の方がいいと思うんだけど」

「善くんの言う通りだよ。そこまでスッ飛ばさないと、お客さんは承知しないかもしれないねえ……」おばちゃんは溜息をついた。

「それにしても、サトシって、俺より年が二つ上なくせに情けない奴だね。俺の研いだ包丁で、奴を三枚に下ろしてヒィーヒィー言わせたろかっ」ひそひそ話のボリュームが徐々に上がっていった。

 善幸は、商店街通りでサトシと顔を合わせても挨拶を交わしたことがない。どっちも自分から先に頭を下げようとしないからだ。

 サトシの隣に座っているおかみさんは、ちらちらとサトシの顔色を窺いながらお品書きをめくっている。サトシが食べたいものを探しているようだ。

「ねえねえ、サトシぃ、【悠の膳】って一度も食べたことないよね? これ、どう?」などと、おかみさんがサトシのご機嫌をとっている。

「何でもいいよ。どうせ、どれも代わり映えしねーんだからさ、コ、コ、のは……」

 それを聞いた中村電器の旦那は(これはマズイ!)と思ったらしく、「何いってんだ、サトシ!」と言った後、親方の顔色を窺がっている。サトシの親たちは板挟み状態だ。

 旦那がこのタイミングで、「親方さ、メニュー変えてから、客層が変わったんじゃない? 家族連れが多くなったような気がするなあ、羨ましいよ。うちなんかさ、店先でワゴンに積んだ乾電池のメーカーをたまに代えるんだけど、売れ行きがよくなるわけでもねーし、なんだろうなあ……」と、当り障りのない話に切り替えようとしたが、親方はそれを無視している。照準をサトシに定めているようだった。そこで、

「しかしよぉ~、サトシ、何を作ってやっても、今のおまえさんの口には合わないかもしれんな。幼い頃はどれを食べても、『おやかたー、おいしいよぉ』って、食べてたのによ。おまえ、素直じゃなくなったな。それにテメー勝手過ぎる。そうじゃないか?」親方の目線は振れることなくサトシに向かっていた。

 旦那は、親方のその一言で“マズイ!”から“こりゃやっべーぞっ”と思ったのだろう。途端に顔色が変わった。

 会話が途切れた。店内は静まり返ってしまった……。

 徐ろに、サトシは刺すような目線を親方に投げつけると、

「だったら、食わねえよっ!」吐き捨てるように言った。

 サトシはスッと立ち上がった。親方を睨みつけると靴の踵を踏んづけたまま店を出て行ってしまった。

「ちょっと、サトシーっ」

 おかみさんが追っかけていく。サトシが店内へ引っ込んだのを確認すると戻ってきて、

「あの子、また出て行くんじゃないかと思ってさぁ……」

 おかみさんは、ため息混じりに目を伏せると、お尻で座布団を潰した。

「かあさんよ、サトシは腹が減ってただけなんだ。心配するなって。機嫌が悪かったんだ。そうだ、そうだ、親方に持ち帰りで何か作ってもらおうよ、な?」と言いながらも、旦那も似たような面持ちだった。

 善幸が、そんな旦那とおかみさんを見ていたら、(やっと帰って来たんだ、また出て行かれたら……。今はそおっとしておくしかないんだよ……)そんな一人息子を溺愛してる二人の様子が窺えてしまった。

 親方が、悄気ている二人に言った。

「お二人さんよお、言ってやらねーとわからねえんだよ、サトシには。いつまでも母ちゃんの腹の上でおネンネさせてちゃダメだ。奴はもう二十五になるんだから。このままだと、感情の赴くままに走って行ってしまうぞ。嫌だと思ったことはやらず、大変だと思ったことから逃げ回るようになってしまうんじゃねーか? 世の中そんなに甘くねえってことを、いい加減分からせねーといけないんじゃないのか?」

「親方、さっきまでサトシの野郎をこっ酷く叱ってやってたんだ。だから、むくれてるだけなんだよ。よしよし、なんて頭を撫でてたわけじゃないっ」

 腕組みをした親方は、(おまえが叱ったって? 嘘こけっ!)といった表情で旦那を睨みつけている。

「ちったあ、善幸を見習えや!」親方が吐き捨てるように言った。

 旦那が、この一言に反応した。

「親方っ、今の……言い過ぎじゃねーのか、サトシだって頑張れば何でも出来るんだ!」

「あのよお、親御さんたち、頑張ってねーのが問題なんだろーがよ。なんだったら、お宅のサトシ君を善幸の手許として雇ってやってもいいぞ?」と、顎をしゃくりながら言ってしまった。

 おばちゃんが後退りしている。善幸も身体を少し厨房の中へ引っ込めた。

 旦那の顔が引き攣っていた……。

「おい、親方! 気の毒だから飼ってやるってか、えっ? それじゃ、うちのサトシは餌にもありつけねえ捨猫と一緒じゃねーかっ」と言い返した。

 善幸は、休憩中に、店先で二人がよく話し込んでいるのを見かけるが、これまで旦那が親方に対し、喧嘩腰の物言いをしているところなんて見たことがなかった。

 旦那の息づかいが荒くなってきた。口をもごつかせている。

 それを黙って聞いていたおかみさんが、身体の肉をブルッと震わせると、親方の方へ向き直った。

「親方、随分なことを言ってくれたね、そんな言い方ってないだろっ! サトシのことは幼い頃から知ってるくせにさ。どんな子だったか、忘れたのかいっ!」

「あららーっ、大丈夫かな、親方……」おばちゃんが善幸に小声で言った。

「おかみさんって、野太い声出しますねえ~、親方の嗄れ声が可愛らしく思えちゃう」善幸は、おかみさんの声と体格の良さのマッチングに感心してしまった。

「おかみさんってね、一旦口を開けたら機関銃のように喋りまくるの。感情的になると、気が済むまで打ちまくるんだから」

 その相手の一人が自分の旦那らしく、避難場所として、よくこの店を利用しているということなのか。なるほど……。


 束の間の沈黙の後、余裕が出てきたおかみさんが話しはじめた。

「サトシが小学校に上がった時、親方からお祝いに貰ったランドセルの中を見てみると、大好きなアンパンマンの筆箱や鉛筆やノートがぎっしりと詰まってたよね……。サトシは嬉しくて仕方がなかった。おやかたに何かお礼がしたいって言うから『店の前に置いてあるプランターに丸葉すみれが咲いているから、それを渡してあげたらどうだい? きっと喜んでくれると思うよ』ってあたしが言ったんだ。そう言われてサトシが見にいったら、ちょっとしか咲いてないって、悲し気な顔をして戻ってきたんだよ。あたしが水をやるのを忘れてたもんだから萎れた状態になってたんだね。サトシが、『水をあげれば生きかえるのぉ?』って訊くから『サトシが毎日水をあげれば大丈夫。いっぱい咲くよおー』って言ったらさ、毎朝、起こしもしないのに、枕元に自分で準備しておいた如雨露じょうろを抱えて、真っ先に水をやりにいくようになってさぁ、萎れてる蕾を心配そうに眺めてたっけ……。小さな声で『生きろー、生きろー』って何度も声を掛けながら……」

 誰も何も言えない状態が続いた。おかみさんは、大きな目に涙をためていた。そして、

「蕾のままで枯れてしまいそうな丸葉すみれだったけど、数日後、サトシは花を咲かせたんだ。あの時のサトシの嬉しそうな顔が忘れられないよ、すごく喜んでた……。ニコニコしながらあたしのところへ近寄って来てさ『母ちゃんっ、やっとおやかたにあげられるね!』って……」

 親方は、組んでいた腕を外した。

 おかみさんは、やや冷静さを取り戻すと話を続けた。

「親方、サトシが咲かせた黄色いすみれを赤い折り紙に包んで持って行ったの、覚えてないかい? 持っていく後ろ姿を、今でもあたしは覚えてる。『おやかたー、おやかたー!』って言いながら、店の中へ入っていったんだ。ガラス越しに見ていたら、サトシはレジ台の上に置いて出てきたじゃないか。悲しそうな顔をして……。あたしが、『サトシ、どうしたの?』って訊いたら、何も答えなかった。親方は、忙しくて受け取れなかったんだろうけど、そのときは厨房から出てきて、『サトシ、ありがとな!』って、直接受け取って欲しかったよ……。あたしが夕方になって、まだレジ台に花がのっかっているかどうか通りから確認したら、花はレジ台の片隅で萎れてた。親方にコップにでも差してくれるように言おうかと思ったんだけど、サトシが店の隅っこから覗いてた。きっと親方が気づいてくれると思って、ずうっとレジ台の上を見てたんだね。次の日から、あの子……、丸葉すみれに水をやらなくなってしまった。まだ蕾が残っているのに」

「…………」

「サトシはね、ただ親方の喜ぶ顔が見たかっただけなんだよっ、親方のことが大好きだったのにっ!」

 美乃里が、親方の後ろにすっぽりと隠れてしまい、手で涙をぬぐっていた。見ると、店先で入ろうとしている数人のお客さんが、扉から店内の様子を窺っていた。おかみさんの浮き沈みの激しい声が聞こえているようだ。その光景は、明らかに客との揉め事にしか見えなかったはず。ついさっきまで腕を組み、険しい表情をして立っている親方の姿を見たら、馴染みのお客さんだったとしても入ってこれやしないだろう。美乃里も、それに気づいていたようだった。

 おかみさんの唇の震えが止まらないようだ。まだ言い足りなさそうだ。

「優しい子なんだよ、サトシは……。なのに、善幸を見習え? 善幸の下で雇ってやってもいいだって? はあー? 捨て猫に腐った餌をくれてやるような言い方をするんじゃないよっ!」

 おかみさんは、持っていたお品書きをバシッ、とテーブルに叩きつけた。立ち上がると同時に溜まっていた涙がどっと零れ落ちた。しかし、親方は、相手が涙を流していようが容赦しなかった。 

「馬鹿やろ! こないだ公園にいる捨て猫に、新鮮な魚のアラをタップリとあげて来いって美乃里に言ったばかりだ!」

 どういう意味なんだろう……。離れたところから覗いている善幸にはわからなかった。酒井のおばちゃんの方に顔を向けたら声を殺しながら泣いていた。この様子から察すると、おばちゃんは何か知っているのではないか、と思った。親方らしくない余りにも冷たい言い方。これにも疑問を抱いてしまった。 

 おかみさんは、まだ言い足りないようだ。腰を浮かし、隣に座っている旦那の肩を鷲づかみにして言った。

「アンタっ、親方はね、餌をやるどころか、サトシをマンホールに投げ捨てたんだよっ」 

 今度はキッと親方の顔を睨みつけて言った。


「人殺しっ!」


 一瞬、凍てついた空気が流れた。

 今の言い方は、聞き捨てならなかったのだろう。旦那がおかみさんに、

「おおっとっと、人殺しじゃ……なんだからさ、人でなし! ぐらいにしといてやれや、な?」

 旦那は過呼吸状態のおかみさんの身体を支えながら、

「行こか、かあさん……」と収拾を図ろうとした。

 が、おかみさんは、依然として親方を睨みつけている。言葉を重ねた。

「親方、悠ちゃんが店を出て行った理由を考えたことあるかい?」

 悠ちゃんって、誰? 善幸は、サトシの母親が何を喋るのだろうと聞き耳を立てた。

「頑固なんて、所詮、自分勝手と同じことなんだよ、当時、親方は古臭いことばかり言ってたよね、それって、板さんたちが我慢してただけなんだ。だから、悠ちゃんはね、それを何とかしないといけない……そう思ってさ、自分は息子だから言いづらいことは俺が言わなきゃ他の板さんたちが気の毒だって、そう思って……親方にぶつかっていったんじゃないかっ、何も知らないくせして、板さんたちは、皆、店の為を思って我慢してくれていたんだよ、あの頃……。親方っ、いつまでも同じところで足踏みしてんじゃないよっ!」

 善幸は、この時、親方に息子がいたことをはじめて知った。

「おまえ、もうやめろ!」堪らず、旦那が怒鳴った。

「なに言ってんだいっ、親方こそ、はっきり言ってやらないと分からないんだよっ」

 親方はビクリともせず聞いている。

「悠ちゃんはね、別れ際、あたしに『心配しなくていいからって、そう旦那さんにも伝えておいてね、おばちゃんも元気で……』そう言い残して、改札口へ向かって行ったんだ。そしたら、サトシが出てきて、追っかけていくじゃないか……大きなバックを持ってる悠ちゃんの手を引っ張ってたんだ。『ゆうちゃーん、行っちゃダメだー! 行かないでよおーっ』って、大泣きしながら引き戻そうとしてたっけ……。それでも、悠ちゃんはサトシを引き摺るようにして改札口へ向かって行った……。サトシは抱きついて離れなかった。あの時の悠ちゃんの後ろ姿には意志の強さを感じたよ、サトシとは会わないで行こうとしてたんだね、でも幼かったサトシでも、何かを感じ取っていたんだよ。悠ちゃんが、そのうち居なくなっちゃうんじゃないかって……。悠ちゃんのこと、本当の兄貴だと思ってたからさ……。悠ちゃんは、最後まで後ろを振り向こうとはしなかった。きっと涙を流していたんだと思う……」

 親方の横顔をみたら、商店街通りをみつめていた。

 おかみさんの話は尚も続いた。

「【和食処 悠の里】だって? 店の名前を変えたってダメだったんだ。悠ちゃん、出て行ったきり一度も帰ってこないじゃないか。もう何年経つんだよ……親方っ!」

 涙が途切れずに流れているおかみさんの顔が一瞬こわばった。


「親方が悠ちゃんを追い出したんだ、自分の一人息子を追い出したんだよっ!」


 納得の行かないおかみさんは、小上がりから下りて足先にサンダルを引っ掛けると、涙を拭おうともせず出て行ってしまった。

 店内が煌々としている電器屋の前で、おかみさんは反応の遅い自動ドアが開くのを待っていた。


 善幸は、店の脇に置いてあるプランターに心惹かれた。寒さに耐え、来年の春の入学シーズンに元気に咲くだろう黄色いすみれの花を思い描いていた。見ると、プランターの側面がキラキラッと光っていた。誰が水をやったのだろう……。

 旦那は、ふぅーと溜息をつくと、何も言わずに店から出て行った。

 この様子を窺っていたお客さんが入れ代わりで三人入ってきた。親方は、常連のお客さんに目をやると黙って厨房へ戻った。

 美乃里が涙をぬぐいながら笑顔で「いらっしゃいませぇ……」と声を掛けた。

 常連客の一人が、「美乃里ちゃん、泣いてたみたいだけど大丈夫? 中村電器のおかみさんと親方、何かあったのかい? 激しかったみたいだけど……」

 入ってきたのは、美乃里も知ってる商店街のオヤジ連中だった。目を赤く腫らして立っている彼女を見て心配してくれていた。

 今日は日曜日。家では邪魔者扱いらしく、昼からつるんでよく商店街のオヤジ連中が飲みに来てくれていた。

「なんでもありませんよ。お互いの想いやりが、ちょこっとぶつかり合っただけです」

 善幸は、美乃里のさらっとしたお客さんとのやり取りを聞いてて、改めて彼女は接客に向いているなあと感心してしまった。

 酒井のおばちゃんも何事もなかったかのように、美乃里が注文を書き込んだ伝票に目を通すと調理をはじめていった。善幸も親方の様子を気に留めながら隣で手を動かしはじめた。

「おはようございまーす」

 パートの清水さんだ。今月から酒井のおばちゃんの友だちである清水さんが手伝いに来てくれていた。ただ、日曜日の忙しい時間帯だけだった。また、忙しいシーズンになれば来てくれることになっている。月にして、二~三万円のパート代にしかならないのに、まるで都合よく使われている季節工のよう。そのお陰で、満席になっても注文の品がとくに遅れるということはなかった。

「何かあったの?」

 清水さんが酒井のおばちゃんに訊いている。

「別に何もないよ、どうして?」

 この返しは、後で話すからという意味合いが隠っているのだろう。

 酒井のおばちゃんと美乃里の瞼は、泣いた後の腫れが引いていなかった。怪訝な顔をしている清水さんだが、それ以上訊こうとはしなかった。


 それにしても、冬だというのに、今日はすき焼きなどの鍋物より【悠の膳】がよく出る。お品書きを開けば、先ず写真入りでこの膳が目に飛び込んでくるのだから、その品数の多さはもとより、細魚がきれいに盛り付けられた逸品に、お客さんの目が惹きつけられるのは当然のことだった。

 美乃里が、注文伝票を親方に渡しながら、善幸に声を掛けた。

「お客さんがね、高級料亭で食べるような善だねって。盛り付け方がとてもきれいだって言ってた、善くんっ」

 善幸は、美乃里にちょこっとだけ笑みをみせる。内心は満更でもない。

 そこへ、

「凄いじゃない、善くん。もう魚を捌くなんてさ。おばちゃんが、以前にも親方の店を手伝ってた時があるんだけど、見習いの子で魚を捌いている姿なんて見たことがないよ」

 だから、頑張れ! と清水さんが応援してくれている。

「俺しかいないから。早く覚えないと」

 サラダを盛っている酒井のおばちゃんが振り向いた。

「でもね、うちの息子が今度就職するんだけどさ、営業なんだって。社交的じゃないからやっていけるのか心配でさぁ……。板前っていいと思うよ。将来お店をもつんだ! って夢があるじゃない。そうだ、親方、働けなくなったら善くんにこの店任せればいいんじゃない?」

 親方の顔がほころんだ。

「なーに言ってんだ、あと十年は大丈夫だ。善幸にはまだまだ覚えなければならないことが沢山あるからな。それは、技術的なことだけじゃない。技術的なことなら繰り返しやっていけばいつかは習得できるものだが、あっちの方はそう簡単にはいかないんだよ。俺は未だに苦しめられている。死ぬまで〝そいつ〟に苦しめられそうだよ」親方が笑っている。

 おばちゃんたちも、親方が言った〝あっちの方とかそいつ〟って何のこと? と首を傾げている。でも、親方の言った意味深な一言に逐一引っ掛かっていたら仕事が先に進みやしない。その内わかる時が来ると思って、みんな聞き流していたのだった。


 午後二時を回っても、お客さんがダラダラと入ってきた。こういう時、店の者はお客さんの入りを考えながら、厨房に近いテーブルで食事をとることにしている。

 酒井のおばちゃんが、明日のデートの予行練習のつもりで、二人分の賄いを向かい合わせにセットしてくれていた。その賄いを見て、善幸と美乃里はびっくりしている。二人は、そこへゆっくりと近寄った。

 一度も出たことがないものがテーブルの真ん中にドンッとあった。それは南部鉄の鍋。すぐに食べられる程度に割り下が染み込んでいるシラタキとネギ。それと肉厚の椎茸が焼き豆腐に凭れ掛かっていた。鉄器鍋が、それらの具材をグツグツと遠慮がちな音をたて優しく煮込んでいた。しかし、真ん中だけがいまいち物足りない。青々とした春菊がのっている皿の、隣の皿には――。

「すき焼きだよ、すき焼き~」善幸は、椅子に腰かけながら小声で言った。

 おばちゃんたちが、善幸と美乃里に気づかれぬよう、すき焼きの準備をしていたのだろう。

「いいのかなあ、親方はいつも美味しいものばかり出してくれるけど……」

 美乃里は、美味しそうと思う反面、酒井のおばちゃんと同じく、店の経営状態が気になってしまうようだ。

「親方のご厚意だ。食べないわけにはいかないだろ。それに、ここ最近お客さんは入ってるよ」

 善幸は箸を持つと、先ず二枚分の肉を鍋の真ん中に落とした。

 善幸は、卵をかき混ぜながら考えている。店の経営状態より、先程サトシの母親が話していた〝悠ちゃん〟のことが気になった。親方が七十一歳だから……息子さんって、俺より一回り以上離れていそうだなあ……などと。

「おまえたち、何をこそこそ話してるんだ?」

 厨房から親方が出てきた。

「親方、いいんですか?」美乃里が申し訳なさそうに言った。

「肉を入れて一煮立ちしたら他のものも食べ頃だよ。ま、明日のデートのことでも話しながらゆっくり食べな」

「笑っちゃうよね、親方も気を使っちゃってさ。ところで、あんたたち明日どこ行くか決めたの? やっぱり、〝あそこ〟は外せないんじゃない?」酒井のおばちゃんがニヤニヤしている。

「おばちゃんよお、どこでもいいじゃねーか、そんなに行きたきゃ、取り敢えず俺とどうだ?」

 自分たちが邪魔だと思ったのか、おばちゃんたちは親方の肩を揉みながら、笑い声と一緒に厨房へ消えていった。

「親方のすき焼きってね、一度ネギを焼いてから鍋に入れてるの」

「そうだったんだ、今まで見てなかったよ。肉料理はどうでもいいと思ってたからさ」

 善幸は、ネギを箸で摘んでみた。うーん、見た目も良いし芳ばしさもあるし、こっちの方が断然よかった。食してみる、と食感も違う。絶妙な手の加え方だなと感心してしまった。

「明日、何時にする?」美乃里が訊いてきた。

「そうだなあ、築地にはいかないから、十時ぐらいでいいんじゃないか、途中、おしゃれなカフェでブランチなんてどう?」

「うわぁ、いいねえ。それで、どこに連れてってくれるの?」

 大した事じゃなくても、彼女にとっては嬉しいようだ。

「任せろよ、この俺に!」

 善幸は、酒井のおばちゃんが推奨してくれた【港の見える丘公園】へ行くつもりでいる。これまで横浜なんて用事がないと行かないし興味もなかった。おばちゃんの話を聞いて、どんなところか興味が湧いてきのだ。それに、あれだけ勧められたら、きっと次の日に「ねえ、善くん、どうだったあ?」と訊いてくるに決まっている。おばちゃんたちのみやげ話を作るためでもあった。

「おばちゃんがね、善くんに教えておいたからって」

「えっ? なんでおばちゃん喋っちゃうのかなあ、もう~」

 がっかりしている善幸を眺めながら、彼女が笑っている。酒井のおばちゃんは、そのうちお互い意識するようになり、近づいていくだろうと前々から感じていたようだった。

「こんなもんでいいんじゃない? 食べてみて」彼女は、善幸にピンク色が変化していく直前の肉を勧めた。

 善幸は、肉を溶き卵につけて一口で頬張った。ゆっくりと咀嚼しながら、目を丸くして美乃里に訴えている。

 ゴクンッと飲み込んだ後、

「おぉ、美味しいねえ……」

「美味しいにきまってるじゃない!」

 彼女は、肉を追加し、折りたたまれた肉を鍋の中で広げている。善幸は、焼き豆腐をひっくり返した。

「早く食べなよ。肉が固くなるぞ。お、これって椎茸の足かな?」

 善幸は、鍋の中で串に刺さっている椎茸の足がシラタキの下に隠れてるのを発見した。実家ですき焼きを食べる時はそんなものは入っていないので、収まりの悪さを感じてしまった。

「そう、これもね、軽く焼いてあるんだよ」

「お店で出す場合、すき焼きって椎茸の足を入れるんだあ」

「普通入れないんじゃない」

「何か意味があるのかな? 捨てるのがもったいないから?」善幸は、椎茸の足が二つ刺さっている串を摘まみ上げた。

「どうしてなんだろうね、親方に訊いたことがないから分からないよ」

 椎茸の足に割り下が適度に染み込んでいた。それは、彼女の親指の太さぐらいあった。とても椎茸の足には見えなかった。

 善幸は、これまで魚ばかりに気を取られていた。そう言えば、仕入先から運ばれてくる椎茸の木箱には、自慢げに『どんこ椎茸 大分県産』と記されてあった。

「笠も立派だけど、足が凄いねえ。これを捨てるのは確かにもったいないな」

「食べてみたら」美乃里が勧めた。

 口に入れ噛み潰すと、グニュグニュという音が鼓膜に響く。目を瞑り、味わってみる……ゴックンッ。大きな塊が食道を通過していった。

「これさあ、食感が堪らないね。椎茸の香りを強く感じる。笠より旨いかもしれないな。これを捨てちゃいかんだろ。ビールのツマミに最高じゃないか。焼き鳥より好きになりそうだよ。あと十本ぐらい食いてえ」

「ベタ褒めだね。あたしのも食べていいよ」

「何言ってんだよ、食べたことないんだろ、俺だけ食べてどうするんだ!」

 お客さんたちの視線を感じた。

「善くん、静かに話して……」彼女は、口許で人差し指を立てた。

 美乃里は、善幸の心持ちが理解できたようで、幸せそうな顔をしながら自分もそれを口に入れた。

「どう?」と訊く。

「ほんとだぁ、美味しいね、善くんっ」小声で応えた。

 清水さんが、生ビールをお客さんのテーブルに置きに行った後、こっちへやって来た。

「仲良く食べてる? お二人さん」

「清水さん、こんなの頂いちゃってていいんですかね? あたしたち……」

「余計なこと考えないの。せっかく親方が作ってくれた料理なんだから。美味しく食べてあげなきゃ。明日、デートだからかもよお、愉しんでくるようにってことなんじゃない?」

 親方もおばちゃんたちも、二人を暖かく見守ってくれていた。

 善幸は、美乃里と何年も付き合ってるような気がしてならなかった。はじめて会ったのが三箇月前だというのに、何故なのだろう。何処に行くのも一緒、後ろを振り向けば彼女がいる。そんな関係が高校生の頃から続いているような錯覚に陥いってしまいそうになる。

 親方の店に来る前は、ひとりぼっちは当たり前で、だから寂しさを感じることかんかなかった。それなのに、今はアパートに帰り、一人で酒を飲んでいる時や休みの時などは、ふと人恋しくなる時がある。一人ぼっちが当たり前ではなくなったということなのだろうか。

 善幸たちが食べ終わると、入れ替わりで、親方とおばちゃんたちがヒソヒソ話をしながらすき焼きを食べはじめた。


 午後六時半を過ぎてから、再びお客さんが入りだした。直ぐに小上がりの席が埋まった。清水さんが手伝いに来てくれても、月末の日曜日だけは人手が足りなかった。そんな時は、おばちゃん二人が厨房に入り、美乃里一人でホールを切り盛りすることになる。

「親方、『おまかせ鮨』って、あまり注文が入りませんね」善幸が言った。

「ああ、ネタの種類を大分減らしてしまったからなあ。目新しさが無いから、お客さんも注文しようとは思わないんだろう。以前のようにはいかないもんだ。他のメニューでお客さんの目を惹かなきゃな。しかし、お品書きを変えてからお客さんが入るようになったと思わないか?」

 善幸が頷いた。

「おまえにも頑張ってもらわんと。いつも言っているが、おまえが覚えなければならないことは山ほどあるんだ」

 親方が今扱っているのは、朝早くから仕込みをしている穴子だった。一本モノを、サンマをのっけるような皿に盛り付けている。この煮穴子は酒の肴として常連さんが好んで食べているものらしかった。

「親方、その煮穴子なんですけど、こんがりと焼いてあった方が美味しそうに感じませんか? 煮た状態のままだと、柔らかさは伝わってきても湯気が出てないと冷めた感じがするし、それに穴子そのものの色味をもう一つ足した方が良いと思うんですけど」

 善幸は、さっきのすき焼きに入れた焼きネギが印象に残っていて、そこからヒントを得て言ってみた。

「ほう……」

 親方は、聞いているのだろうか。

「俺ね、前から考えてたことがあるんですけど」そう言った後、躊躇った。見習いが口を出す内容ではないと思ったからだ。だが、

「そうよ、善くん、なんでも親方に言ったほうがいいよ」酒井のおばちゃんが背中を押してくれた。

 善幸は、親方の穴子の仕込みをみて思った。細魚のように姿が細長いから捌き方も同じかと思いきや、全く違っていたのだ。

 親方は、ウナギを捌くときのように目打ちをし、活け〆穴子を捌いていく。開いた穴子の皮面にペーパーを被せ上から熱湯をかける。包丁の背で白くなったヌメリをしっかりととっていた。その後、穴子の頭と骨からとった出汁に醤油、みりん、酒、ザラメを加え、そこへ穴子を切らずに入れた。他の下拵えをしつつ、変化していく穴子の色味と姿と鍋の火力を気にしていた。

「親方が賄いで出してくれた穴子の握りなんですけど、煮詰めの照りがいっそう美味しそうに感じたんです。親方は、軽めに煮詰めをつけてから出しますよね。もっとつけるかどうかはお客さん次第。でも、握らずに一本ものとして出すときは、煮詰めはつけないで出しています。酒の肴として考えた場合、煮詰めは味を重くしてしまいますから、その為つけずに出してるのかなと思ってたんです。でも、見た目はいまいち美味しく感じないんですよね。先週出してくれた穴子の天ぷらは、衣がサクサク、中はふっくらとしてて、とても美味しかった。プリッとした海老の天ぷらとは対照的な食感でした。その時、両方出してくれたので、食感の其々の違いの美味しさをしっかりと認識できたんだと思います。そこでなんですけど、穴子づくしっていうメニューがあってもいいんじゃないかなと思って……」

 本来、口下手な善幸なのに、この時ばかりはスルスルと言葉が出てきたので、自分でも驚いてしまった。

 酒井のおばちゃんの動きが俄に止まった。

「善くん、いいよそれ! で、具体的にどんなのを考えてるの?」

 おばちゃんがそう言うと、親方は赤面しながらも笑みを浮かべている。確かに、まだ一年も経っていない見習いに、メニューの提案をされるなんて思ってもみないことだろうから。

 美乃里は、厨房と客席を行ったり来たりしていた。善幸の途切れ途切れの話を繋ぎ合わせながら聞いているようだ。

 善幸は、おばちゃんたちの方に顔を向けて話しはじめた。

「その穴子づくしなんだけど、俺はね、お客さんに三つの楽しみ方を知ってもらいたいと思っいているんだよ。つまり、穴子の棒揚げ、これは天丼として出してもいいかな、目を引くから。ま、この手の天丼は他の店にもあると思うけど、野菜類でこの店の独特の色味を醸し出して提供することが大切なんだと思う。でも、基本はやっぱ揚げ方で勝負でしょう。『見た目で他店に勝り、食して納得』当たり前のことなんだけど、そこんとこにこだわりたいと思ってるだ。言うのは簡単だけどさ。そんな感じかなあ」善幸は得意気な顔つきで言ってしまった。

 このとき、善幸が色味を添える野菜のてんぷらで頭に思い浮かんだのは、たけのこ、かぼちゃ、舞茸、ししとう、大葉、うーん、強い赤みがほしいな……となると、金時人参か?

やっぱり穴子が主役とは言え、どんぶりからはみ出た穴子に海老の尻尾を天高くそそり立てると力強いかもしれないなあ、と発想を重ねていった。

 皆は続きを聞きたいようである。善幸は勿体ぶるように――。

「これじゃ天丼だけでお腹いっぱいになりそうだよね。でもいいんじゃないかなあ、それで。一人で来るお客さんって、うちの店は少ないじゃないですか。皆で色々なものを分け合って愉しく食べてもらえばいいと思う。あとね、ふっくらとした煮穴子と対比させて、こんがりと焼けてきたところに脂が滲み出ている白焼きを朱塗りの器にのせるってのはどう? おばちゃん。白焼きはお客さんの好みで、わさび醤油で食べてもいいし塩でもいいよね。また、お客さんが煮詰めを煮穴子に塗り照からせれば、別な逸品として認識すると思うんだ。お客さんには、隣にある白焼きも目に入っているだろうからさ。ともあれ、見た目の旨さって大切だと思うけど」

 親方を余所に、善幸は、自分の考えたメニュー【穴子づくし】を自慢気にお披露目してしまった。

「いいんじゃなーいっ」と声を揃え、おばちゃんたちは頷いていた。

 突然、善幸の背後から、

「善くん、あたし食べたくなってきたあーっ」

 美乃里がそのイメージを捉えたようだ。

 すると、親方が酒井のおばちゃんに指示を出した。「冷蔵庫にある穴子の煮汁なんだけど、半分煮詰めとして使うかな、お客さんが空いてきたらでいいから。それに醤油とみりんを足して弱火で煮詰めてくれないか」

「明日休みだから、明後日の穴子の仕入れから徐々に増やしておくか」親方が呟くように付け足した。

 善幸は、もしかして、自分の提案した新メニュー【穴子づくし】をやろうとしているのだろうか、と半信半疑で聞いていた。

「やるつもりなんだね、親方っ」

 その酒井のおばちゃんの一言で、善幸は単なる見習いから、親方の愛弟子に格上げされたような気分になった。


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