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3話 初恋から1週間


8:00にかけたスマホのアラームが鳴る。一人暮らしの俺を起こしてくれるのはこいつしかいない。


今日は大学の授業の日。そしてバイトの日だ。俺は朝は弱い方だ。おまけに、夜中まで俺の大好きなバトルアニメ『デペデペ』の6周目をしていた。


「ふぁ〜、準備するか」


眠い体を起こしながらも、いつも通り歯磨きをして、顔を洗って、寝癖を治す。


「よしっ」


そして、俺は、毎朝毎日5分間ラジオ体操をしている。小学一年生の頃、親に毎日ラジオ体操をさせられたせいで、大学2年生になった今も毎日欠かさず、ラジオ体操をしている。


「行ってきまーす」


朝飯も食わないでアパートの駐輪場に向かう。幸いにも、大学は家から自転車で15分程度だ。あくびをしながら自転車に乗って大学に向かう。



俺の初恋相手のありさちゃんに配達してから1週間が経つ。あれ以来、店長曰く、一度も注文は来てないようだ。まあ、宅配ピザなんてあんまり食べないよな。もう、頼まないのかもしれないよな。


よりによっていつ頼むかも分からない、お客さんに恋をしてしまった俺。


ありさちゃんの事やアニメのことを考えながら、自転車を漕いでいたら、大学に着き、教室に向かう。

スマホをいじりながら教室に入ると、聞き覚えのある声がした。


「よっ!駿!」


こいつは、中学校、高校、大学まで同じ友達の菊知泰斗だ。こいつも俺と同じ、年齢=彼女いない歴であり、アニメ好きだ。


「よっ、泰斗。もうすぐ『デペデペ』の映画上映するよな〜、めっちゃ楽しみだわ」


「まじそれな!!忠信の戦闘シーン、早く見てえわ〜」


泰斗はコミュ力も高く、良いやつで、とにかく趣味が合う。だが泰斗は何故か彼女はできない。


大学の退屈な授業でも泰斗とアニメの話をしていればすぐ終わる。時間もあっという間に過ぎ、1限、2限が終わった。


「あー疲れた。今日は2限で終わりだよな?駿、ラーメン食って帰ろうぜ〜」


「ラーメンか〜いいね。15時からバイトだから、飯だけな」


「また、バイトかよ〜」


そうだ。またバイトだ。自分の時間はアニメか、バイトしかしていない。普通の大学生は飲みに行ったり、遊びに行ったりするが、俺には泰斗しか友達がいない。



そして、俺たちはラーメン屋に入った。



「そういえば、駿のバイトのめっちゃ可愛い初恋のお客さんどうなったの?」


「それが、まだ1週間だけど注文は来てないらしいんだ。また注文してくれないかな」


「またいつか来るっしょ!俺もまじで頑張らないとな〜」


泰斗は彼女ができた経験が無いことに危機を感じているらしい。20歳にもなって女の子との経験がなにもないなんて悲しすぎる。


ラーメンも食べ終わり、泰斗と解散し、俺はピザーノに到着した。何か店が騒がしいみたいだ。今日は、普通の月曜日だが電話が鳴り止まないみたいだ。


「おはようございます」


「おっ、佐藤君おはよう!とりあえず焼けてるピザ全部カットしちゃって」


「はーい」


どんなに忙しくても、ピザのカットは適当にしてはいけない。宅配ピザは高いから、もし、お母さんお父さんが子供のためにピザを頼んでいたり、貧乏な家族が頼んでいるかもしれない。子供はピザの1ピースのサイズの違いで喧嘩が起きるかも。せっかく、高いピザを頼んでくれるからこそ、平等なカットをしている。



いつも通り今日も俺は、配達をしていた。21時を過ぎ、俺と店長以外の今日働いていた人たちも上がった。混んでいた店も落ち着いて、店長とラストまでバイトの俺は、店内の掃除をしていた。すると、ピピーッ、ピピーッ、とネット注文が入った音がなる。店長が注文を確認してくれるようだ。


22時近くになると注文も少なくなってくる、混んでいる時に頼まれるよりも、店が落ち着いてきた時に頼んでくれる方がありがたい。


「佐藤君!!岩瀬様から、配達入ったよ!」


驚いた。もう頼まないのかもしれないと諦めていた俺だった。1週間前に頼んだありさちゃんだが、もう頼んでくれたのだ。ピザが好きなのだろうか。とにかく嬉しい。


「え、あ、配達行きます!」


驚き、嬉しかった俺は、20年間生きていて1番、にやけていたようだ。

読んでくれてありがとうございます。

主人公の立場になると、自分もにやけてしまいました。

次話、岩瀬ありさちゃんへの2回目の配達になります!!


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