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殺人徘徊  作者: urara
第1章 はじまり
5/5

3夜目 GPS

死亡者 2人


カナさんの1件がありその日はなかなか寝付けなかった。

起きると、まだ夜中の3時だった。

完全に寝不足なのに、全然眠れる気配がしない。

なにか動けば眠くなるかと思い、用もないが、館内をうろうろしてみることにした。


3階。

温室についた。

誰かがいるようだ。


「あ…すみませーん…誰かいますか?」

「ん?」

「すみません、お邪魔します。」

「え、全然いいけど。てか、入り方堅苦しいな」

「あ、そうですか」

「君、誰?」

「僕は、夜宮すばるです。」

「すばるくんか…うん、いい名前だ。私は星川レノ。よろしく」

「よろしくお願いします。あの…レノさんは、温室で何をしてらっしゃったんですか?」

「きみこそ~、こんな深夜にうろうろしてるなんて怪しいよ~」

「私は、GPSの調査中。私たちにGPSが見れるなら、ハスターも私たちの位置を把握してるかも、って思ってさ。」

「僕は、眠れないので…」

「すばるくんも、大変でしょ。ほら、今日の殺人対象者。すばるくんでしょ。」

「レノさん…あの時は、本当にありがとうございました。」

「もう!なになに急に!」

「私は、いち早くこんなところみんなで抜け出したい。まだちょっとしか一緒にいないけど、みんな超いい人。ひとりも失わずに、抜け出したかった…けど、出来るだけ被害者を出さないために私はできることしただけだから。」

「レノさん、無茶苦茶いい人ですね。」

「へへへっ!そう言ってくれると嬉しいなぁ」

「あ、そうだ。すばるくんはGPSの調査興味ある?」

「手伝いが必要なら、全然手伝います。暇なので」

「そう!じゃあ、手伝ってくれるかな。またこの温室で。明日の3時集合!」


そうして、僕は再び部屋に戻り、眠りに入った。


「はあ~い!みんな起きた起きた!」

「朝の放送の始まりだよ!!」


いきなり騒音で起こされた。


「なんなんだ…朝から…」


「ようし。みんな起きたかな!おはよう諸君!みんなのアイドルハスターのモーニングコールはどうだった?ま、冗談はさておき。あと、今日からこれ毎日するからね。よろしく。」

「さてさて、朝の放送のお楽しみといえば、殺人者処刑!!」


「殺人者処刑!?」

「それってなんなんだ…」

「昨日の殺人者って、天月さんじゃない?」

「お楽しみとか…」


「それでは、天月カナさん!なにか言い残すことはありますか?」

「お前なんか地獄に落ちろっっ!!」

「はーい。それじゃあ、ぱっぱとやっちゃいま~す。えいっ!」

「ぎゃあああっっ!!」


カナさんの悲鳴がこだまする。


「何があったんだ…」

「今のって、天月さんの悲鳴??」

「怖い怖い…」

「殺人に失敗したら、本当に殺されるの?」


「いや~、カナさん。なかなかいい死体ですよ~芸術作品みたい。講堂にはりだしてあげましょうか?ま、でもみんなにいい見せしめになったかな?これから、こうなるってことだから。」

「じゃあ、放送終わりまーす。ばいばい!」


「今の怖かったよね~」

「まじそれな~」

「殺人者とか絶対やりたくない。」

「天月さん可哀そう…」

「てか、じゃここからは自由ってことでいいよね。」

「心美、櫨夏、ご飯食べに行こ」

「仁乃~遊びに行こうよ~」


「やっべえな。女子は会って二日でもうグループできてんのか」

「怖いな…」


僕は、放送が終わった後、活動室に向かった。

本を借りに行くのだ。

…誰か先客がいるようだ。

そこにいたのは、河島さんであった。

黙々とゲームをしているようだった。


「…誰?」

「夜宮すばるです。」

「おう、お前か。総理大臣の夜宮啓介の息子っていうのは」

「あんまり父の名前を口に出さないでもらえるかな…そう呼ばれるの嫌いだから。」

「そう。」

「よろしくすばる。」

「うん、よろしく」


そうして、河島さんは再びゲームに目を戻した。

何だったんだろうか。

僕は、目当ての本を数冊借りて、自分の部屋に戻った。

これから、何しようか。

借りた本を読み、勉強をして。夕方になり。

もう、何もやることがない。そう思ったときに、今日の朝のことを思い出した。

一人で、少し見てこようか。


「…あ、レノさん」

「おーすばるくん。君も来たの。」

「なんか気になっちゃて…」

「じゃ、ちょっとこっちおいで」

「見てごらん。ここ、なんか黒いのが見える。」

「あ、本当だ」

「掘ってみようよ。なんか出てくるかもしれないし」


そういうことになり、僕はスコップを渡された。

レノさんと二人で掘り進めてみると…


「わあ、なんだこれ」

「何かの機械でしょうか?」

「…すばるくんGPSが消えたよ」

「じゃあ、これがGPSの本体…?」

「その通りだ!すばるくん!」

「やりましたね!」


「じゃあ、君はもう用済みかな」


「…はい?」


その瞬間、レノさんの背後からギラリと光る刃物が現れる。

僕はすかさず、それをよけた。


「さっすが総理大臣の息子。護身術ぐらいはやっぱり習ってるのかな?」

「どういうことなんですか…レノさん」

「君も分かってるでしょ。私が今日の殺人者。いや~、朝はこんなことになるとは思ってなかったけど、朝に約束取りつけといて、すばるくんが殺人対象者とは、とんだ好都合だったよ」

「あなたは、言ってくれたじゃないですか。『みんなで抜け出そう』って…」

「それでも…私は生きたい!」

「誰だって、自分の命が一番大事なんだ!君だってそうだろ!?」

「そりゃ、私だって本当は殺したくなんかない!すばるくんには生きてほしい!でも、私が生きるためには君が

死ななくちゃならない!」

「ごめんね…正義語っといて、君を殺すなんて…」

「わかりました。レノさん、僕を殺して逃げてください。」

「でも…ただ一つ、条件があります。」

「…分かった。条件をのもう。」


「さよなら…すばるくん。短い間だったけど…ありがとう。」


グサッ

その音と共に僕の視界は真っ白になり、意識が遠のいていった。

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