1夜目 ゲーム開始
死亡者 0人
気づけば、僕は部屋の中にいた。
…ここはどこだ?
錆びれた学校のような場所。
いたのは、見知らぬ人達。
自分が何故ここにいるのかが分からなかった。
放送が始まった。
「…ツーツー あ、あ~マイクテス~マイクテス~…んんっ、皆さんお目覚めですか?起きてない人いれば起こしてやってくださいww 皆さん急にこんなところに来て、『え!ここどこ?』みたいな感じになってると思いますが…改めまして、私はこの館の管理人 ハスター と申します。」
「この館では以前より、とあるゲームを行っております。皆さんをここに集めた理由も他ではなくそのゲームを行っていただくため…」
「ゲーム!?そんなの聞いてねえよ!」
「なにそれ…」
「早く家に帰して…」
周りはざわざわし始める。
「まあまあ…皆さん落ち着いてください。家には帰れませんので騒いでも無駄ですよ。」
一瞬の沈黙。
そして全員が息を飲む。
「え!家に帰れないってどういうこと!?」
「てか、携帯圏外なんだけど…」
「ちゃんと説明してくれよ!」
「大丈夫です。ゲームさえクリアすればここから解放いたしますので。まずは参加あるのみ!」
「ゲームの名は『殺人者徘徊ゲーム』!ルールは簡単。その名の通り私がランダムで指定する殺人者が指定された殺人対象者を殺すのみ。誰にもバレずに殺せれば脱出できるし、バレたり殺せなかったりしたらその時点でアウト!ゲームオーバー。その場合は命もゲームオーバーさせて頂きます。」
ちょっと頭がおかしいんじゃないか。
こんなにも明るい口調で「殺す」だとか「命もゲームオーバー」だとかそんなことを平気で口にしている。
こいつは狂っている。
「ふざけんじゃねえ!下手な嘘もいい加減にしろ!俺はもう帰るぞ。」
「だから、帰れませんって…」
がちゃがちゃ
「おい、嘘だろ…」
彼の顔は絶望していた。
「鍵が開かない…」
「最初から言ってるでしょ…『帰れない』って。」
「君たちは、国のだあいじな宝物なんだから早く寝なさい。各自の部屋は用意してあるからね。ゲームは明日からスタートだよ。」
放送は強引に途切られた。
「ねえ…今のやばいんじゃないの…」
「明日からとか…」
「家に帰りたい…」
「ふざけるなよ!!」
こうしてこの館での殺人者徘徊ゲームは幕を開けた。