1話 サラリーマン転生する?
俺は高橋 明 28歳
しがないサラリーマン生活を送っているもうすぐアラサーさ。
彼女? そんな者は生まれてこの方1回もできたことは無い。
俺には縁もゆかりも無かったんだ。
小学生の頃から何をするにしても1人だった。
学校の中でも誰とも話さず1人で過ごしていたいわゆるボッチって奴だ。
俺は俺の空間で過ごせれば問題は無いし支障もないと考えている。
ただ会社の中では上司からの威圧が怖いから素直に従っている。
こんな人生を20歳の時から365日ずっと過ごし続けていた。
つまらないと言ってしまえばつまらないかもしれない、けど俺はそんな事気にもしていなかった。
もしも俺が男じゃなくて女に生まれたらこうはならなかったのかな。そう思う毎日であった。
ある日俺は大事なプレゼンの日に大寝坊を犯してしまった。
これは会社の今後を担う大事な会議遅れてしまっては
俺のサラリーマン人生に終止符を打ってしまう。
俺は慌てて身支度を始めた。時刻は午前8時30分を指している。
会議は9時丁度から始まる。残り時間はあと30分会社までは10~15分程度時間は充分にあるが、この時間帯は車などが全く動かないほど渋滞しているので時間に余裕を持って出ていた。間に合わないのは確実だ。
家の鍵を閉め毎日通勤で通る道を全速力で走り始めた。
こんなに走るのなんて何年ぶりかな…高校生のマラソン大会以来かな?
俺は運動はあまり得意では無かったが高校生の頃は自転車通学だった事もあり体力に関してはまあまあ自信はあった。
しかし全速力で走っても会社まで間に合わない。
今日に限って歩行者信号という名の野郎に行く手を阻まれていた。
俺は歩行者信号の無い道を全速力で走っていた。
クラクションがなった…
見てみるとそこには俺の方向に向かってくるトラックが走っていた。
トラックの運転手が気付いた時にはもう遅かった、
俺はクラクションが鳴った時に動揺してその場から動けず立ちすくんでいた。
トラックは俺を避けようとしてハンドルを右側に切ったがブレーキが間に合わず横転し俺はそのトラックに引かれてしまった。
俺は引かれてしまった反動で頭を打ち血が止まらず体が動かなくなっていたが、微かに意識は残っていた。
その場には俺とトラックを見る沢山の野次馬が居た。
急いで警察や救急車を手配してくれている人もいた。
俺の為に人工呼吸をしてくれる人もいた。
その人は「死ぬな!! 君の人生はまだまだこれからだ!!」と
喉がかれるくらい全力で話しながらしてくれていた。
今まではこんな経験が無く包容感に包まれた感じがした。
救急車が到着し直ぐに俺は担架に乗せられ救急車に乗った。
救急隊員も俺に全力で声をかけてくれていた。
しかし容態が突然急変し救急車の中で俺は息を引き取った。
「申し訳ない」と涙ながらに救急隊員の声が聞こえた。
それが俺の人生最期だった。
俺はもう死んだんだと納得出来ないが納得するしかないと思った。
その時突然俺の周りが暗くなり目の前に目を開けていられないほどの
眩しい光が現れた。
その光から私は女神と名乗る女姓が現れた。
「私は女神アリス…高橋くん、貴方はトラックに引かれ沢山の人に看取られ人生を終えました」
「やっぱりそうなんですよね…俺はもう俺として生きている訳じゃないいわばただの魂なんですよね」
「はい。ですが貴方はこれから別の体としてまた新たな人生を歩んでいくことができます」
「えっ!?」と俺はびっくりしながら女神様に詳しく事情を教えてもらう事にした。彼女はこう言った。
「人間は2度死ぬものです。1回目は病気や事故などによって、2回目は貴方が知り合いの方から忘れられた時です。ですが逆に貴方は2回…いやそれ以上生きる事が出来るのです!!」
それを聞いていた俺は
「俺は大丈夫ですよ。そんなに知り合い自体が居なかったのでもう2回死んだもんですよ。」
「高橋くん、なんかごめんね…」と女神様が頭を下げながら俺に謝罪してきた。
「女神様が謝る事じゃないです!!」と俺は擁護した。
「まぁそれはいいとして、とりあえず君がこんな風に転生したいという想像をしてみて!!」と言われると俺は会社で好きだった子の事を想像した。
「君もいい女の子を想像しているね〜」と女神様はからかった。
俺は「女神様うるさいです」と少し怒りながら言った。
その時俺の事をクスクス笑ってる彼女が目の前に写っていた。
そして女神様は色々と作業をしていた時チーンと何かが鳴った…
「契約は完了…高橋くん新たな人生をお楽しみあれ〜」と
女神様の一言で異世界への扉と言われる穴に俺は吸い込まれいった。
「うわぁぁぁぁぁぁ」俺はこの先一体どうなってしまう?
俺は眠りから覚めた。夢を見ていたのか?
目を覚ましすぐ俺は洗面台へ向かった。
そして俺は信じられない光景を見てしまった。
「これが…俺?」目の前に映っていたのは銀髪のサラサラロングヘアーそして胸に関してはそれなりに大きい…俺は目を疑ってしまった。
本当に転生したのか? しかも女の子に?
信じたくはないけれど信じなければいけないと感じた。
ここは俺がいや…私がこれから暮らしていく新たな世界なんだ。
そういえば私の名前って何だろう?
「ノア? 何処に居るの早く起きなさい〜」
「あれ? 私を呼んでいる? そうか! この世界では私はノアって名前なのね」
私は階段を降りて行き新しい親に心を込めて挨拶をした。
「父さん、母さん、カレンおはようございます!!」
さぁこれから私の新たな人生が始まる。