体力テストの対決①
翌日……。
「今日は君達に体力テストを行ってもらう!!」
ケンタウロスがマド達に言う。
「せんせぇ~!」
「何かね? えっ~と君は……」
「キラーマジンの一郎っす!」
一郎が挙手をしてケンタウロスに自分がキラーマジンの一郎だと言うことを話す。
「すまない! さすがに6つ子で容姿も同じだと私も区別がつかなくて…… それで一郎君! 何かな?」
「一昨日にクラス分けテストをしたじゃないっすか? なんでまたそんなテストをやすんすか?」
「ふむ! 入学の時に行ったのは君達の潜在能力がどれほどなのかのテストだけだ! よって今日は基本的な体力テストをやる予定なのだよ!」
「めんどくさいっすね……」
「まぁ、そう言うな! 主に行うのは『身体測定』『100M走』『握力』『垂直跳び』『反復横飛び』『腕立て伏せ』『腹筋』位だからな! 1日使う可能性があるから授業は明日からとなるな!」
「おっ! やりぃ! 今日は楽そうじゃん!」
一郎の横にいたキラーマジンの1人が指をならしながら喜ぶ。
「それじゃ、 男女別れて身体測定から行うぞ! 女子から保健室へ行って来なさい! 男子は教室でやるからな!」
「はーい!!」
マドはゴレとセキと一緒に保健室へ向かう。
「身体測定なんてやりたくないですわ……」
「……気と身体が重い……」
「2人とも今日はがんばろうね!」
「マドは気楽で羨ましいですわ……」
「……本当に……」
気分が乗ってない2人にマドはやる気を出させようと笑顔で話す。
(うちのクラスは男女10人10人だから、 この機会に友達も増やせるといいな~)
「ちょっと!! そこの貴女!!」
かん高い声がマドを呼ぶ。
「は、 はい!」
マドが振り返るとそこには、 とても同じ年には見えない位のちょっとケバい女子生徒が立っていた。
「あ、 貴女は……?」
「私はキラースコーピオンのラース!」
(キラースコーピオンって…… スコーピオン族の上位種の人…… あっ…… スコーピオン族の尻尾がちゃんとある)
「下等種族のマドゥハンドの貴女がどんな手を使って、 この特別クラスにいるかは知りませんが、 今に下級クラスへ降格されるに決まっているのだから私の前をうろつかないでもらいたいわね!!」
ラースはマドに敵対心丸出しで怒鳴る。
「ちょっと! 聞き捨てなりませんわね!」
「ゴレさん!! 貴女も貴族なら付き合う人間(?)をお選びになられた方がよろしいのでは?」
「……ゴレはちゃんと実力で特別クラスにいる……」
ゴレとセキがマドを庇うように前に出る。
「ゴレちゃん…… セキさんも……」
「セキさんまで…… 分かりました! そこまでお2人がおっしゃるなら…… マドさん!! 私とこの体力テストで勝負なさい!!」
「えっ? えぇ~!?」
「もし…… いえ、 万が一にも私より優れていらっしゃるならこの程度の勝負、 大した事ありませんわよ?」
「そんな…… 体力テストなのに勝負なんて……」
「問答無用です!! 貴女が私より優れていれば良いだけの事なのですから!! さぁ!! 勝負です!!」
「でも…… 最初は身体測定だから勝負にならないんじゃ……」
「いいから行きますわ!!」
「まずは、 身長からいきますわよ! 私は170cm! マドさん貴女は?」
「わ、 私は150cm……」
「ずいぶんお可愛い事! 体重はいかが?」
「42kg」
「くっ…… わ、 私は47kg……」
「まぁ、 身長差があるから仕方ないよ」
「次はバストよ! 私は90cmのGカップよ!! さぁ……マドさん! 貴女はどうだったのかしら?」
「私は…… 72の…… A」
「おっほっほっほ!! そんな貧相な身体で私に勝てると思いですの!?」
ラースはマドの身体測定の結果を聞いて高笑いする。
「セキさん! どうでしたの?」
「……私は…… 身長165cm…… 体重……200kg…… バストサイズは…… 82cmの…… D…… ゴレは?」
「わ、 私は…… 身長160cm…… 体重…… 150kg バストサイズは 84cmのDですわ……」
「……私達…… 岩石系のモンスターには…… 体重は辛い……」
「そ、 そうですわね……」
マドとラースの裏でゴレとセキはお互いに体重について切ない顔をしていた。