2/2
アメリカ大陸編
私とお兄ちゃんは山を下る。山のふもとまで降りたところで初めて山の下の景色を見た。割れている道路、荒れた森林。どうやらここら辺は安全なところではないらしい。
「道、悪いねお兄ちゃん。」
「ああ、気をつけていこう。」
山を降りてしばらく歩いていると何やら建物が見えてきた。崩れている。昔は栄えていたのだろう、この街は。
「お兄ちゃん、ここら辺で今日は休もうよ。そして、明日はここを探索しよう。」
「……そうだな。」
崩れた建物の中で休むことにした。幸いにも建物の中には毛布が大量にあった。正直家よりも寝心地は良さそうだ。
「おやすみ。」
……。ガタ。ガタ。
「ん。なに、!?。」
お兄ちゃんがいない。さっきまで寝ていたのに。持ってきていた食糧もない。荷物もない。お兄ちゃんが寝ていたところには手紙だけが残されていた。
「すまない。」
と書かれた手紙だけが。私はこの世界で一人ぼっちになってしまった。