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3.初めての魔法実技試験 後


風魔法と言うのは、ただ単に強風を吹かすだけでは無い。

その空間にある空気、そしてその圧力さえも干渉することができる。


私が今朝使ったあの魔法はただ、クレハの周りにある空気の流れを操作し、そして圧力を低くすることで彼女を飛ばしたのだ。





試験官「風属性のテストだ。20m先にあるあのマトを壊せ。壊し方は君たちに任せる。」





試験官の先生がテストの説明をする。私の目先には、20mほど離れたところに円型の木のマトがある。あれを壊せばいいのか…。





試験官「では、テストを始める。名前を呼ばれた者から前に出る様に。」





そして、生徒の名前を呼んでいく試験官の先生。テストを受ける生徒は、だいたいが風の球体を作りぶつけている様だ。





試験官「では次、セレスティア=リーゼライド。」




少女「はい。」




私の前の子が呼ばれた。セレスティアって言うのか…初めて見るかも。

同じ学年とはいえ、あまり他クラスとの交流は無かった為、知らない子も当然いるが…綺麗な銀髪のケモ耳っ娘か…いつかあのしっぽをもふもふしたい。






セレスティア「………っ」





彼女は腰に帯びていた短剣を取り出して構えた。それを投げ飛ばしでもするのかと思っていたが…





セレスティア「『風よ、纏え』…っせい!」





その刃に風の力を纏わせ、剣尖を飛ばしたのだ。剣筋も見惚れるほど鮮やかで、扱い慣れていることがうかがえる。


マトは縦に真っ二つとなっていた。マトを固定していた棒さえ真ん中で斬られているとか、当たったらヤバそうだ。






試験官「ふむ。見事だ。」





セレスティア「ありがとうございました。」





試験官に褒められ、笑顔で剣を収める彼女。


さて、次は私の番か。






試験官「次、シャル=ブロスフェルト」





私「はい。」






名前を呼ばれ、前に歩みを進める。あのマト…どうしてくれようか。

ただ単に風の球を飛ばすのも芸がない。形でも変えてみようか。


そう思い、小さなイタチの様なものを想像し、風に願う。





私「『風よ』」





すると子犬程度の大きさのある、薄緑色の若干半透明なイタチの様なシルエットが目の前に形成される。





私「行っちゃえ!」




私の声に反応するように、イタチはマトへと一直線に駆けていく。


マトに当たった瞬間、イタチは小さなカマイタチの様に細かな風の刃へと変わり、爆ぜる。


結果、マトは細切れになってしまった。







試験官「ふむ。なかなか斬新だった。」





私「あ、はは。ありがとうございます?」





試験官の先生は手で顎を撫でながら唸った。個人的には上出来なので、良しとする。

さて、クレハの方は大丈夫かな…。



次話は一方クレハの方は?と言った感じで視点変更します。

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