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なんだちみは




準備万端と意気込んで異界への出入り口と思われる場所に、立ち戻った秋夫だが、やはり、いました、いましたよ奥さん。


「やっぱり、まだいやがる…………」


 物陰に隠れ確認した時より数は減っており。

 二匹の子鬼の姿が確認できる。


「ヤダっこっちをスッゴイ見てる!」


 秋夫の姿を確認した子鬼達が全速力でこちらに走ってくるのが見える。


 いくら拳銃を持っているとはいえ、生き物なのかもしれない物体に、引き金を引くのはためらわれる、秋夫さんは意外に博愛主義なので。


 そもそも、動く標的に拳銃で撃ったところで当たるきがしない。


 まずは警告が正しいと思う、思うが言葉が通じるか怪しさ100パーセントな感じがするだって、だって【ギィギャァ~】とか言いながらこちらに向かってくるし。


 無理です、無理だろあれ。


「ちみら、え~とあれだ、止まりなさい!」


 ダメだ、止まる気配すらない、奴らを拳銃でハチの巣にしてやると意気込んで来た秋夫だったが。


 もの凄くリアルなメイクで秋夫さんを脅かしているキッズ達だったら撃つのはマズイ気がする。


 だが、ここは異界で人間がいるかどうかも疑わしい、何か子鬼の一匹が刃物を懐から取り出し向かって来る。


 最後の警告だけはしておいたほうが、何かあった時に良心の呵責に耐えられるのでしておきます。


「ヘイ、キッズ達、止まるんだ止まらんとイタズラするぞ、事案だぞ」


 ヒップホルスターから拳銃を抜き、空に向け二~三発撃ち高らかに警告を宣言した秋夫だが、無駄だったようだ。


 刃物を持っているイカレタキッズ達でも、異界の化け物でもどちらでもいい秋夫さんの身に危険があるなら撃つべきだろう。


 拳銃を子鬼の胴体部に狙いを付け、引き金を絞った。


渇いた発砲音が響きわたり一匹の子鬼の胸部に穴が開き倒れた。


 もう一匹の子鬼が突然倒れた子鬼を見てこちらに向かって来る歩みが止まった、倒れた子鬼を見ると胸部から緑の青汁マズイみたいな体液が流れだしていた。


 リアルなメイクをしたキッズではないと確信した秋夫は、少し気が楽になり。


「ヒュ~動く標的にも当たるな~ 街ハンターでもこんなに上手く当たらないでしょ!」


 秋夫世代のヒーロー、ちんちんもっこりが得意技の街ハンター、そして男達の永遠の憧れの宇宙海賊毒蛇どちらも捨てがたいが。


 とにかく相手は人間ではない、こちらに殺意を向けてきた異界の化け物って認識でいいと思う、まだどこかに子鬼の仲間がいて呼ばれるとマズイので始末をつけるべきだろう。


 ここは、相手を油断させて確実に殺るべきだ、まだ少し罪悪感があるが、無事に異界から抜け出しチンチンを治療するためである。


「ヘイっ Youはアイドル志望の子かな? ああ~お姉さんが勝手に応募したの、みんな、そう言うよね、それよかYUOのアナルちゃんは丈夫なほうかな?」


 軽快な大人の交渉術で子鬼に近づき、警戒をとかせながら一歩、また一歩と子鬼ににじりよる秋夫。


「ギャッ!!?? 」


「You~そうそう、アイドルだよ興味あるよね」


さすがは大人の交渉術イイ感じである、この年頃のキッズ達は皆、アイドルになれるなんて言葉に弱い生き物だ。


 秋夫の脳裏にある秘策が生まれた、どうせ今後もこの異界で活動するなら、少しでもこいつらを始末しておくべきだろうと思い。


「You~は国民的なアイドルになれそうな顔してるね」


「ギャッ ギャァーー !!」


「そうそうなれると思うの! でもね、できればグループでデビューがいいと思うの、さっきいたお友達も誘ってみんなでアイドルデビューよYou~」 


 かなり話に乗ってきたようだ、と言うか意外と意思の疎通ができることにビックリさんな秋夫である。


「そうそう、さっき一緒にいるお友達撃ち殺してゴメンね、ほら芸能界は色々ある所だから」


「ギャァーア」


「あっそうなの、百年もすれば蘇るから気にするなって?現代っ子って言うかドライな関係だねYou」


 仲間を撃ち殺されたのに、あまり動じないようだ。彼らの命に対する倫理観がいまいちわからん。


 撃ち殺した子鬼を見ると、死体が光の粒子に包まれビー玉のようなサイズの玉に変わった。


 秋夫さんはそれを拾い上げて、まじまじと見つめたが謎物質すぎて何だかわからない。

 とりあえず謎玉とでも呼ぼう。


 謎玉は、何だかわからない物なんだが妙に惹かれる感じがするのも確かだ、秋夫自身の本能というか金玉がこの玉に惹かれているのだ、秋夫は自分の金玉の訴えに従うことにした。


 秋夫さんは、ズボンとパンツをフルパージして下半身を露出!


 生き残った方の子鬼が【ギャッ】っと声を上げ自分の顔を手でおおい隠した、恥ずかしがりやさんめ。


 謎玉を秋夫自身の金玉に近づけると、金玉に謎玉が吸い込まれ。


 秋夫の下半身から少しだが気力が戻るのがわかる。


 ようは、少しだけチンピクしたのである。


奴らを全員始末して謎玉に変えてしまい、我が金玉に吸収させれば、かわいそうなチンチンも治るのではないだろうか?そんな期待がでてきた秋夫さん。


「それじゃ~Youのお友達の所に案内してくれるかな? アナルちゃん的な相談もしたいし」


秋夫は子鬼に連れられて近くの雑居ビルの屋上にいったのだが。


 子鬼達は秋夫を見るなり、刃物を取り出し襲いかかろうと身構えたのだが、案内をしてくれた子鬼が、仲間の子鬼達を説得してくれ、事なきにおよんだので一安心。


 とりあえず彼らとの距離感を縮めて油断させてから始末するプランを実行してみる秋夫さん。


「Youは普段は何してる感じなのかな?」


「ギャッー!!!」


「そう、普段は自販機の中でジュースを出すお仕事してるのあれ大変だよね俺も学生時代によくやって苦労がわかるよ」


 一匹のリーダー格と思われる子鬼に普段の生活を質問してみた秋夫だが、なかなか子鬼も苦労してるようだ、彼はリーダー格のようだから、ナガーイと命名しよう。


「リーダーの横にいるYouは普段なにしてるの?」


「ギーーー!!」


「そう、駐輪場でサドルを拭いているの、あれも苦労ありそうね」


 リーダーの横にいたロン毛の彼は、キーモにするか。


「ほかの三匹たちは何してるの?」


「ギギギー!」


「あっそう、回るスーシーのレーンを回してるの、あれ友達がやってて二日で辞めたのよ、You達、根性あるね~アイドル向きだよ」


 ほか三匹は、ゴーロ、チーンゴ、ハーゲと命名してやるか。


「さてYou達、厳しくも楽しいレッスンを始めよう!」




ちなみに僕は、駐輪場でサドルを拭くバイトを本当に高校生の頃やっていました。

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