インテリジェンス
全速力で子鬼から逃げだした秋夫さんどうやら、奴らをまいたようだ。
異界に入り少々のビックリ体験ぐらいはあると考えていたが、まさか、身の危険を感じるとは思いもよらなかった。
「ありゃどう見ても、人間じゃないな? 人間じゃなければ殺って良しなのか?」
身の危険を感じ少々臆病になっている、秋夫さんだが、自身の身を守る方法を考える必要がありそうだ。
この町は、戦後に武器が集められ廃棄処分された歴史がある。
そのうちの、少なくない数の武器を住民が盗み、GHQ占領軍のアメリカ兵に、お土産ものとして売られたらしい。
とくに刀剣類は日本中から集められ、廃棄処理を免れて後世に伝わった刀が、通称、赤羽刀と、言われるもので今だに根強いマニアやファンがいるらしい。
死んだ祖父から聞いた話だが、アメリカ兵相手に売っていたお土産だが。
旧日本軍の拳銃などが人気で、良く売れたとのことだ中には、代金が払いきれず自分の持っている、アメリカ製の拳銃と交換したなんて話も良くあったらしい。
逆に、治安悪化の酷かった日本人は信頼性のあるアメリカ製の拳銃を重宝したそうだ。
当時、飲み屋のカウンターの裏には、当たり前のようにアメリカ製の拳銃がおいてあった何て話も聞いたことがある。
秋夫が少年時代、祖父に連れられスナックに時々行ったことがあったが。
カウンター内にいる、ママさんと言うかババさんが、退屈している秋夫にコルトガバメントという拳銃を見せてくれたのだ。
ババさんが見せてくれたピストルを、おもちゃ代わりにした記憶がある、今思うと、本物だったのか、おもちゃのピストルだったか、記憶があいまいでわからないが、祖父の話を総合して考えるとかなり怪しい。
町並みも店舗も現実世界と変わらないのである。
今でも、そこらじゅうの古いスナックや居酒屋を家探してみれば拳銃があるような気がしてきた。
考えてみれば、旧日本軍も資源確保に異界に足を踏み入れたのだから、秋夫自身のために必要物資や、現金や貴金属を手に入れてもいいではないか?。
などど考えていると、元々なかったに等しい秋夫の倫理観ガラガラと音を立てて崩壊していった。
「何か俺、金持ちになれる気がしてきた! それにはまず武器がいるな…………」
さっそく秋夫は古い居酒屋やスナックを次々と家探してみた、結果、今の時代にそんな物があるはずもなくあきらめかけていたのだが。
家探しツアーも10件を越えうんざりしている秋夫はスナックのカウンターの内側でへたり込んでしまった。
うなだれて木の板床を見つめていると、床の木が微妙にずれている場所が一か所ある。
「まさかな ………… ってこの床板めくれるぞおい!」
床板をめくり確認すると、汚らしい一斗缶が置いてあった。
「漬物って落ちじゃないよな…………」
秋夫が一斗缶のふたにしてある新聞紙をめくりあげるとどす黒いヘドロのような物であふれていた。
匂いを嗅ぐとどうやら古く劣化した工業用グリスのようだった。
以前この町は工業地帯があり、工場に勤務していた人達は大抵、オイルか工業用グリスの匂いがしていた、秋夫にも馴染みの深い匂いですぐに気づいたのだが。
一斗缶に油【グリス】なんて怪しさビンビンである。
秋夫は、カウンター内からゴム手袋を探し出し、手にはめ一斗缶に手を突っ込んだ。
「ううっヘドロみたいで気持ちが悪りいな、これでミニ四駆のモーターとかだったら笑えないよな」
グリスをかき分け手探りで一斗缶の中をあさると。
硬い手ごたえを感じ取り出すとグリスまみれの拳銃があった。
付近にあったおしぼりで拳銃に付着したグリスをふき取り確認すると、コルトガバメントだった、弾倉を抜き軽く動作確認をしてみたが、変な引っかかりも
なく完動品のようだ。
数十年もグリスに浸かっていたとは思えない、サビもなく美品である。おそらくグリスに浸けることで空気に触れずにいたのが良かったのだろう。
さらに探すとマガジン七つ、ざっと数えて弾丸二百発近くだが発見でき、興奮MAXの秋夫さんは。
ビールのポスターのお姉さんを、なめまわしたりさんざんセクハラ行為をして気がついたが。
「チンチンがピクリとも反応しない……………………」
ビールのポスターのお姉さんはエロの象徴だ。
そんなセクシーポスターを見ても、おにんにんがフルバーストしてない、秋夫は股間に不安をおぼえ。
発見した、拳銃類を付近にあったエコバックに詰め込み近くのエロ本専門店に足早に向かった。
「ダメだどんな、えぐい本を見ても、ピクリともしねえ…………思い切って熟女本に手をだすか? それとも、お医者にいくべきか?」
考えうる事の一つに、金玉を失っているという事実がある。
だが、ニューハーフの玉無し竿ありのお姉さん達は普通に、股間がフルバーストするなんて話を光子姉さんつながりで聞いたことがある。
原因がわからないのだ、そんな時は、お医者が一番なのだろうが気が進まないのだ、あの変態じじいのプレイのせいで、いくら鉄メンタルの秋夫さんでも、メンタルブレイクをおこし、チンチンブレイクしたように思えるからだ。
かなりの大問題ではある、人生の生きる意味の98パーセントぐらいチンチンにパラメータ極フリをした人生なのに、これから何を楽しみに生きていけばいいのか、わからない。
嫁さんの財布から現金を抜き風俗にいったり、ちんちん自家発電したり、時には、夜ごと語り合ったり。
写真撮影してマイアルバムに保管して、日々の記録を楽しむインテリジェンスなマイライフが台無しになってしまった。
「異界どころの話じゃねえな…………」
ビールのポスターのお姉さんはエロさには、少年時代からメロメロですが、最近はビールのセクシーポスターが減り寂しいかぎりです。