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失禁と情熱

 


 雑木林の中で都会の喧騒を忘れてリフレッシュして、フレッシュマンになろう! 就職セミナー開始でございます


「準備はいいかお前ら!」


「リーン・リリーン!」


「先輩、そのイカは何でやんす? 僕も欲しいでやんす!」


 坂好きは、秋夫さんの持つ冷凍イカが気になるようでイカをチラチラ見ている、まったくしょうがない奴だ、鈴尾君はやる気マンマンなのに、少しは鈴尾君を見習えと思う秋夫さん。


「わかった、わかったよ! お前がちゃんと面接練習したら考えてやるよ」


「ほっ本当でやんすか! ゲヒヒヒ…………」


 何やら坂好きが悪い顔をしている、賢者タイムが終わりいつものゲスい坂好きに戻りつつあるようだ、しかし坂好きに冷凍イカを与えて良い物だろうか………… 答えはノンだ、ことわざにバカに刃物なんて言葉があるが坂好きにイカも相当に危険である。


「おう、坂好きがちゃんと頑張ったら考えるからな!」


「ゲヒヒヒ…………スメルカリバーがあれば面接官も怖くないでやんす」


だめだ、こんな奴にイカを与えたら面接官様の身が危ない、しかし坂好きの根性がここまでドロドロに腐っているとは秋夫さんでもドン引きだ。


「では気を取り直して、面接練習をするぞ! 俺が面接官の役な」


「はいでやんす!」


「リリーン!」


 秋夫さんはメガネはしてないので、目じりを指でクイクイして威圧感がある面接官様アピールしながら質問した。


「じゃーまず、鈴尾君だったね履歴書を見ると随分と空白期間があるね何していたのかな?」


「リーン・リリーン!」


「何だと! 甘栗をむいていただってー! そりゃウソだお母さんにむいてもらってんだろ! いるんだよね~ お母さんの成果を自分の成果にしたがる奴って!!」


 秋夫さんは、鈴尾君にキツイ言葉を吐きながら、冷凍イカをブンブン振り回し周囲の木々をなぎ倒していく、こんな感じだよな? 圧迫面接って…………


「リリーン…………」  


 ジョバー…………


「漏らしやがって最近の若い奴は根性がない! もういい鈴尾君はそこでアリの数でも数えてろ!」


「…………リーン」


「次! 坂好き君!」


 秋夫さんは、イカで坂好きの鼻先にピタピタ叩きながら質問を開始。


「坂好き君、君も履歴書にずいぶん空白期間があると言うか、職歴がゼロだね………… 君は長い期間に何をしていたんだね?」


「たくさんの牛乳パックを使い、宇宙戦艦を作っていたでやんす!!」


 さすが坂好き、秋夫さんの後輩だけな事はある、完璧に近い答えだ、牛乳パックを使う所もエコでポイントも高い、普通の面接官様ならこんな答えを聞けば好印象で採用は間違いないだろう、だが彼は肝心な事を申告していない…………


「ほほう~最近の若い奴にしては見どころがあるな………… で、牛乳パックはちゃんと洗ったのかね?」


「!? …………あっ洗ってないでやんす…………」


「ほら、すぐにボロがでた! コンセプト重視で肝心な事がわかってない典型だな、牛乳パックを洗わんと臭いだろ? んっん?」


「お姉ちゃんが洗わなくてイイって…………」


 やれやれだ、何かあればお姉ちゃん頼りか、こういゆう部分が坂好きのメンタルがダメな部分だな…………


「坂好き君、君は本当は一人で宇宙戦艦を作ってないね!」


「お姉ちゃんと、お父さんに少しだけ手伝ってもらったでやんす…………」


「おめーも不採用だーーーー!!」


 ジョバー…………


 秋夫さんは、坂好きの方にイカを振るうと坂好きは失禁しながら土砂と共に、すっ飛んでいった。


「おめーら全員不採用だ帰れ!」


「リン・リリリ!!」


「おっ何だ? いるんだよね~面接が気に食わないと逆ギレする奴が~ 本当に辛抱がたらん奴だ! そんなんじゃ君どこに行っても不採用だよ!」


 ダメだダメだ、こんな奴ら面接しても時間の無駄だ企業がどんな人材を欲してるか、それすらコイツらにはわかっていない、秋夫さんはタバコに火を付けて正しいセクハラの方法を考えていると。


「リーン!」


「んっ? まだいたのかね? 帰りたまえ…………」


「リリーン!!」


「!? な…………なんだと、面接官のくせに筆頭株主の親族の顔も知らないのかって?」


「リーン! オコー!」


「らっ来年には、僕が筆頭株主だから、その時はクビだってーー!?」


 ジョバー…………モリモリ…………


 秋夫さんは、色々と出ちゃって白目をむいて失神した…………


「ううっ…………め、メロンイエロー売ってないんですか? !? 俺? 失神してたのか…………」


数時間後、目を覚ました秋夫さんはモリモリした記憶を自動リセットしてなかった事にした、人間は中年になるのも悪い事ばかりではない、39年も生きていると辛い記憶は自動的にリセットされ忘れている便利スキルが発達してくる、これも人が生きていくための自己防衛機能だろうか?


 しかし危なかった、面接練習だったからいいような物で、あれが本番なら失神で終わらず、軽く死ねるだろ、あの鈴虫は殺人マシーンか!


 秋夫さんが辺りを見回すと、鈴尾君の姿が見えない帰ったのだろうか? まあいい、鈴虫の事より坂好きはどこに行ったんだ? 秋夫さんは、ふらふらと歩きながら坂好きの姿も見えない?


 ふと少し先の木を見ると、置手紙が張り付けてある、お腹が減ったので先に鉄道車庫の近くのコンビニに行ってるでやんすよ。 追伸スメルカリバーは貰っていくでやんす


 どうやら坂好きの置手紙のようだ、しかし参った坂好きのアホに冷凍イカを持っていかれてしまった、面接練習をしたら考えるとは言ったが、あげるとは一言も言っていないのに。


 これだから末っ子はイヤなんだ、末っ子理論で都合良く解釈してイカを持っていったのだろうが、坂好きにイカの組み合わせは危険な香りしかしない。


 秋夫さんは、新たなトラブルが起きる前に坂好きと合流しなくてはと考え、急ぎ雑木林を抜けるべく急いだ、雑木林では木々が多くエアマットでの移動が困難なため、予想より時間がかかったがこの丘を下れば一般道にでる、坂好きの待つコンビニはもうすぐだ。


 丘を下り始めた秋夫さんは、突然足を止めた丘の下った先には、異界の化けの集団が見えたからだ! とっさに木の陰に身を隠す秋夫さん、異界の化け物はナガーイ達のような友好的な奴らばかりではない、危険な奴らも多いのは承知しているが、この先にいるはずの坂好きの安否も気になる、戦うか話かけるか迷っていたら。


 一般道の向こうからピーっと甲高い音が聞こえてきた!


「なっ! 何の音だ?」


 また、ピーと甲高い音が聞こえ音が近づいてきた、秋夫さんは木の陰から身を乗り出し一般道の方を見てみると、電車が異界の化け物達を次々と引き殺す地獄絵図が見えた。


 電車が線路ではなく、一般道路を走っているのだ! こんな光景は今まで見たことがない? どうやら電車は運転車両の一両だけのようだが、逃げ纏う異界の化け物を躊躇なく引き殺していっている、電車は秋夫さんの前を通りすぎて行き、残ったのは異界の化け物のミンチだけだった。


「埼京線だった…………」


 

最近の牛乳パックは強度が落ちてるように感じます、宇宙戦艦を作成しても、甥っ子が20秒で破壊します

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