亀甲縛り
アラフォーマーズの代表ジブ山を一撃で仕留めた秋夫さん、ジブ山の事を信頼していただけに、裏切られた感が秋夫さんの心をすさませる。
坂好きといえば、付近のアダルトショップまで走しり、荒縄とギャグボールを持ってきたようだギャグボールはいらんだろ。
「先輩、縄を持ってきたでやんす」
「おう! ご苦労、ささっと縛りあげろ」
「亀甲縛りにするでやんす」
坂好きが芸術的な縄さばきで、あっという間にジブ山を縛りあげていく、秋夫さんが以前教えた以上の縛りに坂好きの奴も成長したなと思う秋夫さん、後輩の成長は実に喜ばしい。
気絶をしているジブ山を横目に、まずは坂好きに聞かなければいけない事がある。
「坂好き君よ、おまえさん何故ジブ山が異界の化け物の手下だと知ってるんだ」
「ちんちん先生のお宅で聞いたでやんす」
「気が利くじゃないか坂好き、パイセンは嬉しいぞ!」
「イトー●ーカドー相手に荒いプレイしたら、ちんちんが腫たので先生の所にいったら、勝手に教えてくれたでやんす」
とりあえず、馬乗りになり坂好きを殴っておいた秋夫さん、奴は全然こりていないどころか悪癖が悪化している、イトー●ーカドーにまで手を出すとか坂好きはいったいどこまで行くのだろう? 奴の向かっている方向性がわからない。
そんな騒ぎの中、気を失っていたジブ山が目をさました。
「ク…………クラリス?」
「おっ目が覚めたかジブ山よ…………」
「とっとと金玉泥棒の居場所を吐くでやんすよ!」
「ボトロ? …………あなたボトロって言うのね」
さすがはジブ山、こんな状況でも素直に白状する気がないらしい、長年我が街に居座り異界の化け物の手下としてきたジブ山は根性が座っている簡単に口を割りそうにない奴だ、あれこれと質問する秋夫さんの言葉を余裕で受け流している。
「なあ坂好きよ、どうする白状しそうにないぞコイツ…………」
「先輩は攻めが甘いでやんすね………… 攻めは」
「攻めが甘いって、どうすんだよ?」
「こうするでやんす…………」
坂好きは上着のポケットからおでん缶を取り出して下卑た顔をしている…………どうやら坂好きの性癖スイッチが入ったらしい、イヤな予感がする…………
「おっおい! 坂好きちゃん、その缶詰はまさか?」
「そう熱っついでやんす」
「!? カンちゃん? 」
坂好きの取り出したおでん缶は、そんじょそこらにあるおでん缶じゃない、よく売っている温かいとかHOTではない、この街のおでん缶は【熱っつい】なのだ。
おそらく坂好きは、付近のアダルトショップから荒縄を持って来る時にどこかの店から持ってきたに違いない…………
「ジブ山さんはもう何も喋らなくていいでやんす」
「バっバロス?」
坂好きはジブ山の口にギャグボールをはめ込み、おでん缶のふたをゆっくりと開けているまさか、どこかの芸人さんのように熱・熱なおでんをぶっかけて殺す気か~をするつもりなのか? なんて恐ろしい拷問なんだ、秋夫さんは生唾をゴクリと飲みこんだ。
「ヒヒヒっ…………このおでん缶をこうでやんす!」
「おい待て坂好き! そいつはやりすぎじゃ?」
坂好きは、熱・熱で熱っついおでん缶を自分の頭上から一気に浴びた…………
「熱っつい、熱っついよぅ~」
坂好きは自ら熱いおでんを浴びて悶えている…………地面に落ちたおでんを食べながら絶頂タイムだ、地面に落ちたおでんを食べる食べ物を無駄にしない精神は素晴らしいが
こいつは、こういう奴だった…………
坂好きにとどめを刺してやろうと拳銃をエアマットの収納BOXから取り出している と、おやおや? 亀甲縛りをされているジブ山は何やらもぞもぞと動いている、何だこのアホも興奮しているのか?
ジブ山の様子を見に行く秋夫さん、突然ジブ山は立ち上がりデッキブラシにまたがった。
「おい! ジブ山何すんだ? デッキブラシでプレーとか俺には理解してやれないぞ」
「ふご! ふごふご!!」
ジブ山は、秋夫さんに殺意のこもった眼差しを向けそのまま空中に浮かび上がり街の北西に飛んでいった…………
いきなりのビックリ体験のために、少々ほうけていた秋夫さんだったが、時間がたつにつれ、何が起きたか理解できはじめていた
「亀甲縛りのアホが空を飛んでいった…………」
亀甲縛りでジブ山は身動きが取れないと油断していた、絶頂タイム続行中の坂好きを蹴り上げるとビクンビクンしだした、賢者タイムまで待たないとまともな会話は無理そうだ。
しかしジブ山はデッキブラシにまたがり空を飛んでいった、奴のデッキブラシも異界の遺品なのだろう、今後は何気ない道具も異界の遺品の可能性があるため注意がいるなと感じる秋夫さん。
しばらく待つ事10分程で坂好きは賢者タイムに入り、戦線復帰である。
「あれっ? 先輩、ジブ山さんはどこでやんす?」
「お前が絶頂タイム中に空に飛んで逃げたぞ」
「先輩、心の病院を探したほうがいいでやんすか?」
「心の病院はお前が行け」
坂好きに心の病気を疑われつつ、今までの出来事を坂好きに話てみた秋夫さん、坂好きは、秋夫さんの持つ異界の遺品のエアマットに興味深々である。
「なるほどでやんす、先輩がバスタオル一枚でいるのも理解できたでやんす」
「わかってくれたか後輩よ、しかしジブ山に逃げられて手がかりがまた消えな…………」
「そこは確証はないんでやんすが、先生のお話ではアラフォーマーズの幹部連中は全員異界の化け物の手下らしいでやんすから、7人の幹部を倒せば…………」
「手下を失えば、金玉泥棒が出てくると?」
「その可能性があると先生が言ってたでやんす」
冷静に話を聞いてるふりをしている秋夫さん、心臓がバクバクである、ジブ山一人でもやっかいそうなのに、そんな化け物連中を七人も倒す必要があるなんて気が遠くなりそうだ。
「そんで坂好き君、どうすればそのアラフォーマーズの幹部に会えるのかな?」
「この異界赤羽の街のどこかに潜んでいるのは、確からしいんでやんすが…………」
「ジブ山は街の北西の方角に飛んでいったよな、まずは北西を探してみるか」
こんな些細な手がかりでも無いよりましだろうと、二人は北西に歩きだした。
残念ながら、おでん缶の熱っついは現在販売されておりません、酔っ払い共がみんなでかけ合うので危険と判断され、今では暖かい普通のおでん缶として販売されてます。