アラフォーマーズ
ネタがギリギリラインのヤバさです
異界の化け物との厳しい戦いに打ち勝ち、男の魅力UPの秋夫さん、戦利品の謎玉を収納BOXにしまいエコバックの中にあった拳銃を確認しだした。
「どこも壊れていなくて一安心だな」
拳銃の動作確認を終えて、弾丸ごと収納BOXにしまい、タバコに火を付けて今後の行動に関して考える秋夫さん。
やはり、やみくもに探しても金玉泥棒を探せるとも考えづらい、もう一度だけ街の中を探して見て見つからなければ、あの飲み屋街にいる異界関係者に情報を求めるべきと思う秋夫さんは、エアマットに乗り込み街の方に向かってみた。
小一時間程、探索をしてみて何の成果も上がらずに、駅前付近で座り込み諦めムードの秋夫さん。
現実世界に帰って情報収集かなと考えていた矢先に、西口の方から歩いて来る人影が見えた、デッキブラシを持ち黒いワンピースに赤く大きなリボンをした人物がなんだが、どうやらこちらに向かって走って来るようだ、秋夫さんの前まで来たその人物は、突然秋夫さんの頬と平手で叩き。
「メイのバカーーー!」
「突然なにすんだ! 殺すぞジブ山」
「こんな所まで一人で来て…………メイなんか知らない!」
秋夫さんの頬を平手した人物は、この街の無職集団アラフォーマーズ代表のジブ山さんだ、秋夫さんは最近はこの男からの勧誘が頻繁にあり、うんざりしているのだが30代無職達のアニキ的存在であり。
新人無職のフォローをしたり、就職が決まった無職に無言電話サービスなどをしてくれる良き先輩であり、アニメーションに人生を捧げているレジェンドでもある。
「ジブ山さん、何でここにいるのさ? …………金玉盗られた?」
「辛いこともあるけど、ジブ山は元気です」
「そうね、元気だね…………」
人の頬を平手で叩いたジブ山さんも一人じゃん、などと思う秋夫さんだがジブ山さんなりに秋夫さんを心配しての行動だろう。
「なあジブ山さんよ、金玉泥棒探してるんだけど知らねえかな?」
「!?」
ジブ山さんは、普段の温厚な顔つきから一転して険しい目つきに変わると、持っていたデッキブラシで突然襲いかかってきた。
「ちょっ?どうしたジブ山さん!?」
「クラリースーーー!!」
二度、三度と、デッキブラシでの攻撃を避ける秋夫さんだが、執拗な攻撃に耐えきれずデッキブラシで足元を払われ思わず尻もちをつく秋夫さん、あれだけ優しかったジブ山さんが何故こんな事をするのかわからない、こりゃピンチだね。
「待つでやんす!」
「!?」
「来てくれたのか…………」
バスの停留所の屋根に坂好きの姿があった、いちいち上ったのだろうか? そんな事よりパイセンのピンチに駆けつけるなんて後輩の鏡である、坂好きはジブ山を指指し。
「先輩! ジブ山は金玉泥棒の手下でやんす」
「おい! ウソだろ?」
「そいつの正体は昭和50年に失踪届を出されている異界の化け物の仲間でやんす!」
そんなバカな!40年近く前に失踪していただと?ジブ山の見た目はどう見ても40代だ、まさかジブ山は異界の化け物になっても街の住人と何喰わぬ顔で付き合っていたのか?
確かに、秋夫さんはジブ山の事を良く知らない、住んでいる家も知らないし、この街の出身かどうかも知らないのだ、自分の周囲の知人に化け物がいるなんて信じたくない。
「ウソだよな? ジブ山さん!!」
「本当でやんす、ジブ山は街の住民にとけ込み、上質なゴールデンボールを探すために送りこまれた化け物でやんす」
「なっ何てこった今まで騙されていたなんて」
ニヤリと嫌悪感だだもれの笑顔で秋夫の頭上からデッキブラシの一撃を加えようとした時、坂好きがジブ山に組み付きジブ山の動きを遮った。
「ユパ様!?」
「先輩、今でやんす!」
「よくも今まで騙してくれたな…………」
チャンスは、坂好きが組み付いている今しかない! 秋夫さんは、44浣腸を抜きだしジブ山の背後に回り。
「往生せいやーーーーー!!」
ドスンと鈍い音の後に坂好きを巻き込みながら、ジブ山は崩れ落ちた。
「殺しはしね~よ、まだ聞きたい事があるからな…………」
自宅付近に、一日中ロッキーのテーマソングを流してる食料商店があるのですが、長年疑問に思っていたことをやっと聞けました、店長さんロッキー好きなの? …………ロッキー? うちには在庫はないですだって。