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キリン




エアマットを段々だが、乗りこなしつつある秋夫さん人間意外な才能があるようで。


河原の土手夕日を浴びて、気分も爽快な秋夫さんだが、おっといけない先日、異界から持ち込んだ宝石と貴金属をリサイクル屋に行き換金しなければと考え、急ぎ自宅に向かい異界から持ち込んだ非常用リュックを持ち出した。


 再びリサイクル屋の店内に戻ったのだが、佐治さんの姿が見えない、まだ別連の倉庫にいるんだろかと思い非合法な物を保管してある第二倉庫を通りかかると、何やら物騒な話が聞こえてくる。


 姿を潜めながら倉庫内に侵入して荷物の後ろにススッと隠れ、聞き耳を立ててみると。


「今回の取引分は、これですべてだ」


「今度の品物も上物で助かりまんがな!」


 おおうっ!? どうやら秋夫さんは、いけない取引の現場にいるらしい、しかし今時、でんがな、まんがな、を語尾につける人が本当にいるとは驚きである。


 しかしこの倉庫はカビ臭くジメジメとしている、昨日川に流され、おなかを冷やし気味の秋夫さん、こんな場所では秋夫さんのデリケートなお腹はさらに冷えてきて痛い、ありていに言うと。




             ウンコでそう……………………




 佐治と人相の悪そうな男はまだ取引の商談をしているようだ。


 カウントダウンが始まりそうな秋夫さん、ものすごくピンチ…………


 怪しい商談をしている二人に姿を見られずに倉庫をでたいが、二人の位置が先ほどの位置から移動しており。


 やや、入口に近い所まで移動して何やら話している、奴らを強行突破して倉庫を出る方法もかんがえたが。


 佐治だけならいいが、もう一人の人相の悪い男に発見されたら、どんな目にあうかわかった物ではない。


 何せ、非合法な物を保管する倉庫で商談をするような相手である危険すぎる、佐治さんも商売が、からめば意外と非情で助けてくれるとも思えない。


 興味本位は猫をも殺すなんて言葉があるが興味本位でこんな現場をのぞいてしまった秋夫さんは自分の行動に後悔していた。



  パプー……………………



「なっなんや、今の音はだれぞいるんかい?」



「う”ぇろああぁぁぁぁぁうえぃあーーーーー!!」



「キリンさんだな…………」



「きっキリンさんでっか?」 


 ふう~ 間一髪だった秋夫さんがキリンさんの声帯模写ができなかったらアウトだった。


「埼玉には、キリンさんがいるんでっか?」


「ちっこれだから、よそ者はイヤなんだ」


「すまんへん埼玉にくわしくないもんで」


「都内だバカヤロー赤羽は、東京なんだよ!」


 佐治さんも都内コンプレックスがあるんだな、なんて思っていたら、来ましたよ、来ましたよ奥さん秋夫さんのお腹から第二波の警告がきております。



      パプー……………………



「佐治はん、本当にキリンなんでっか?」


「キリンさんって言ったらキリンさんなんだよ!」



  パプー…………………… モリモリモリ……………………



 とうとう出てしまいました、秋夫さん39歳、我慢ができませんでした。



 室内にかなりファンキーな、においが漂っております。


「なっなんやねん、この………… においは?」


「きっ気にするな、それより取引はまた後日にしてくれないか?」


「そうでんな、この臭いにおいの中で取引を続ける気にならしまへんからな」


 【うへっうえ】などと、えずきながら、人相の悪い男は帰ったようだ、秋夫さんったらテンション下がりまくりで、涙がでてきたようだ。


「シクシクシク……………………」


「おい! 秋坊だろ?」


 もの影に隠れていたその場所に佐治さんが様子を見にきた。


「イヤーーーー かんにんしてーー アタイを見ないでーー!!」


「うぷっ においがスゴイから表にでろ、表に水道があるから尻を洗ってこい」


 秋夫さんは自分のブツを処分した後、表に出て水道で尻をジャブジャブ洗いましたとも。


 サッパリと洗った後、佐治に汚れてしまったバスタオルの代わりに服を借り、コーヒを入れてもらった秋夫さん。


佐治さんは少々、あきれ顔で


「それで秋坊、またそんな恰好で今度は何のようだ?」


「そうだった忘れかけていたが、コレなんだが異界から持ち込んだ、宝石と貴金属を買って欲しいんだけど」


「無理だな、まずそのリュックの中を見てみろ」


 佐治さんの言葉通りに非常用リュックを開けると、パンパンに詰めてあるはずのお宝が、石炭に変わっていた、その様子を見て佐治さんは。


「なっ無理だろ、なぜか価値のある宝石や金属は異界から出る時に石炭に変わっちまうんだ」


「マジかよ佐治さん! それじゃー 俺の苦労は…………」


「水の泡ってやつだ残念だったな秋坊、だがなお前の持っている蓄電乙型なら一つ一万円で買ってやる」


 なんですと!? この謎玉が一つ一万で売れるだなんてビッグなドリームチャンスだ。


「佐治さん、この謎玉は、ここにある異界の遺品に使うから買ってくれるのか?」


「それもあるが、ここにある遺品も蓄電乙型も大半は国の機関に売却している」


「あのよ佐治さんって、いったい何者だよ?」


 ここにある遺品の数々といい、昔なじみのこの男はいったい何物なのかという疑問が秋夫さんの脳裏に浮かんだわけだが。


 佐治さんはニカっと笑い…………


「秋坊よ、世の中知らない方が、いいって事もあるんだぜ」


「…………そうか確かに聞くのは野暮ってもんだな、俺は謎玉を買ってくれれば、それでいいわけだし」


「そう言うこった、秋坊は大人になったな」


 お尻が、かぶれてしまったため、オロマインを塗りながら今後のビックな予感に、期待が膨らむ秋夫さんだった。




朝方4時頃、急に餃子を作りたくなり、気が付けば朝の九時でした、何でこんなに作ってしまったんだか、冷凍庫に入りきれません、こんな時には餃子パーティーでしょうか?

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