今日からデビュー
今回は文字数が少なくてすいません
異界の遺品なる怪しげなエアマットを手に入れ、有頂天だった秋夫さんだが、いざ使かってみたら、エアマット後方から出るローションがジェット水流のように噴射し、豆腐屋の車並みのスピード走行で、いやらしい大人の店に突っ込んだ。
大人の店の店長はあきれた顔をして
「いらっしゃい秋坊………… 気持ちはわかるがそりゃねぇ~よ」
何てこった勢い余っていつも通っている大人の店にきてしまった秋夫さん。
しかし、こいつは凄いマシン、だ先日壊れて廃棄した相棒MACHⅢにも負けないじゃじゃ馬ぶりだ、この子が悪くて店に突っ込んだわけじゃない、この子を上手く操れない秋夫さんが悪いのだ。
よく考えてみればこの店にはエアマット使いのスペシャリストの、ラーメン婆が勤務しているはずだ、ラーメン婆はこの道五十年のベテランさんで、この街でラーメン婆以上に上手く扱える人はいない…………
「店長ーーーー!!」
「どうした秋坊? 急に大声をあげて?」
「とりあえず、体験入店させてくださいーー!!」
そうなのだ、この道五十年のラーメン婆に師事して秋夫さんもマットマスターになればいいのだ。
「ん~体験入店な~ 秋坊はこの業界は初だしな~ 初心者はこの業界のキツさをしると結構、一時間で帰る子もいるんだよな~」
「店長ーー! 俺の目を見てくれ、マジだぜ」
「あ~ わかった、わかった、とりあえずこの道のプロであるラーメン婆を指導係にして、様子見だな」
「おっしゃーー ヌルっヌルにがんばるぜ!」
ラーメン婆は日中は大人の店でお客に恐怖を与え、夕方からはラーメン屋の店を開き、街の人々の胃袋を幸せにする、凄い人だ。
秋夫さんは、店長に言われるがまま、プレイルームで待機していた
コンコンコン
「失礼するよ」
「おおやっと来たか、ラーメン婆遅いって」
「こりゃ、秋坊もう講習は始まってるんだよ、ちゃんと服を脱いでバスタオルを体に巻かんか!」
ラーメン婆は持っていた杖で秋夫さんの頭をこずきながらお怒りだ、相変わらず、この婆さんは厳しい。
「大体なんだい秋坊、お客で来ていたあんたがどういう風の吹き回しだい?」
「婆、俺どうしても一流のマット使いになりてぇんだ」
「はは~ん そのマットが理由かい、どれお見せ!」
ラーメン婆は流れるような手つきで、マットの各部を確認してる。
「秋坊あんたみたいな奴じゃ、このお転婆娘は扱えないよケガする前にお帰り!」
「頼むよ婆~俺がんばるしさ!」
「強情な子だよ婆はケガしても知らないよ、 大体何だい秋坊、バスタオルがゆるゆるで胸が見えてるじゃないか」
あっしまったと秋夫さんは思った、始めから胸をはだけているなんて、お客さんが見たらドン引きしてしまう、だってパイ毛も生えてるし…………
ススット、バスタオルを胸元まで引き上げもう大丈夫…………
「秋坊は初心者だから、まずはマットプレイのイロハからだねマットの上で横になりな!」
「おう!バッチこい!」
しかし婆とマットプレイ講習とか全然、嬉しくない婆が相手じゃそりゃお客走って逃げるわな。
「こりゃ! よそ見をするな秋坊まずは体を密着させて…………こうっ!」
想像していたよりも、婆とのマットプレイはキツイでもお客様の為にがんばらなきゃ…………
それから秋夫は夕方まできっちりとラーメン婆に講習をうけやっと解放された。
「ううっまだ吐き気がする、婆とのプレイ講習で精神が崩壊しそうだ」
秋夫さんは婆の暖かい柔肌を思い出しさらに気がめいった。
とりあえず婆に言われた事を思い出しつつ、秋夫さんはエアマットにうつぶせに寝転んだ。
「おっといけねぇ、またバスタオルがずれてパイ毛が見えてやがる」
秋夫さんはバスタオルをなおし、指さし確認で後方と前方の安全を確認した。
「行くぞ、新しい相棒…………」
秋夫さんがエアマットを操作すると、ジェット水流のようなローションが噴出した、マットの振動ともの凄いスピードで路上を走りだした風圧で体がバラバラになりそうだ。
「おいっ おとなしくしろって!」
寝転んでいる表面からも微量だがローションがでており、秋夫さんの顔にローションしぶきが、ようしゃなくかかる。
「マットは力で乗らず、マットと心を一つにするだったよな婆!」
ラーメン婆の教えの通りにマットを扱っていくと段々と、あのお転婆だったマットが従順になっていくのがわかる。
「そうだ…………いいこ子だ、俺にもっと力を見せてくれ…………」
真っ赤な夕日に染まる、荒川の土手をエアマットで走り去る秋夫のすがたは、どこから見ても、この街の住人だった。
この前、荒川の土手に捨てられていたエアマットを子供達が土手すべりの玩具にしていました、そもそもなぜエアマットが捨ててあったかは不明ですが、最近でもたくましい少年達がいるんですね