表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/33

砂風呂伝説

ハートフルなストーリーを書きたかったのですが、やはり下品になり申し訳ないです。




 パイセンと後輩が喧嘩したり仲直りしたりドタバタしながら、やって来ました豊洲の街に。


宇宙刑事との合流地点に来てみると、郵便ポストの上で正座をして寄席を始めている。


 どうやら、落語の饅頭怖いをやっているようだ以前、宇宙刑事は郵便ポストに宇宙指名手配が、いるとか言い出してポストの中に手を入れて【いるのはわかっているであります!】


 とかアホな事をやっていたので注意した記憶があるが、郵便ポストの上で寄席をやっていいわけじゃない。


 秋夫さんと坂好きが宇宙刑事に近づいて行くと、ゼスチャーで シー とされた、講演中はお静かにって事だろう。


 秋夫さんが宇宙刑事の頭を軽くペシンと叩き。


「迎えに来たぞ、落語はまたにして、とっとと帰るぞ!」


「刑事長どの、後少しで終わるのであります」


「いいから帰るぞ今日は疲れたんだよ」


 イヤイヤする宇宙刑事を郵便ポストから引きずり下ろし、車に放り込んだ。


宇宙刑事は、ポケットの中から銀河パトロールからの支給品、宇宙角砂糖を口の中に放りこみ。


「今日のお二人は何をしていたんでありますか?」


「あ~ん? えーとアレだな、レインボーブリッジとか封鎖してたよな坂好き」


「……………………でやんす」


 宇宙刑事は、キラキラと瞳を輝かせ興奮している。


「ずるいであります! お二人だけでそんな楽しそうな捜査をしているなんて自分も帰りに、やりたいであります!」


「あ~ それな………… レインボーブリッジと少し気まずくてな、また今度な」


「それがいいでやんす、帰りは別ルートで帰るでやんす」


 宇宙刑事は、不思議そうな顔をしながらも了承したようだ、しかし坂好きの言葉の語尾が、でやんす、に変わっているのを気が付いているのに、突っ込まないとか器の大きな男だと秋夫さんは思った。


 秋夫さんは、今日一日で、川に流され、ガラスをぶち破り車にはねられ、後輩にボコられるなどのハードな日程を送り、以外と体中が痛いのだ、宇宙刑事に見てもらうか。


「おい宇宙刑事、俺な今日色々あって体中痛いのよ、ちょっと見てやってくれないか?」


「自分も先ほどから、刑事長のケガが気になっていたであります!」


「おう、頼むわ」


 宇宙刑事は、普段、周囲の人々にアレな人だと思われがちだが、実は我々と出会う少し前までは腕の良い外科医ををやっていたそうである。


 これは、宇宙刑事のお母さんから聞いた心温まるエピソードなのだが、小児病棟に入院していた少年を勇気づけるために、宇宙刑事になったんだとか。


 この話を宇宙刑事、本人にすると、不思議そうな顔をして


「銀河パトロールに任命されたからであります!」


 と凄く良い笑顔で敬礼された、どうやら宇宙刑事の、お母さんは、息子のアレ差かげんに、心を痛めてそんなウソを言ってしまったらしい。


 そんな悲しいウソを付いてしまう、お母さんの気持ちも、わからなくないが、大丈夫ですよ、お母さん。



 宇宙刑事は、意外とまともにやってますよ!



 宇宙刑事に色々と診察された秋夫さん、どの切り傷もすでに薄皮が張っており、完治までそれほど時間がかからないだろうとの宇宙刑事の診断だ。


 宇宙刑事は、秋夫の傷を見て信じられない物を見る目で見つめ、【ありえない】とつぶやき、念のためちゃんとした病院に診断に行く事を勧められた。


 ひょっとしてだが、異界にいる間にできたケガは治りやすいのかもしれない? これに関してはもう少し、検証が必要だと思う。


 その後は何の問題もなく懐かしき我が町まで無事にたどり着き、秋夫さんが異界に入って来た入口に到着いたしました。


「おい、坂好き本当にここから、現実世界に帰れるんだな?」


「この道をまっすぐ歩けば、いつの間にかデューンと帰れるでやんす」


「そうか、帰れるのか………… 行くか」


 少々ビビリ気味な秋夫さん、おっかなビックリ、そろそろと歩いていると、体中がデューンときて、気が付くと秋夫さんが異界に入った、入口の袋小路に立っていた。


「帰ってこれたのか?」


「でやんす」


秋夫さん達が通りにでると、いつもの街並みに人々の喧騒が見てとれる。


 秋夫さんがスマホで時間を確認すると、午後九時を回っており。


 今日一日で、色々騒がしく過ごした三人は、軽い社交辞令などを混ぜつつ皆、帰宅する事にしたんだが。


「じゃ~二人ともまたな」


「また、近いうちに三人で集合しようでやんす!」


「あれっ? 宇宙刑事がいない、どこにいったんだ?」


 秋夫さんが周囲を見回すと、遠くの方に走り去っていく

宇宙刑事の姿が見えた。


「おい、おい、バイバイも無しで普通帰るかよ」


「まあ、宇宙刑事でやんすから」


「そうだな」


 坂好きの言葉通り、宇宙刑事ならバイバイを忘れて帰りそうな奴ではある。


 秋夫さんと坂好きはバイバイして、坂好きは自宅に帰って行った。


「俺も、家に帰ってもいいがその前に医者だな…………」


 金玉に謎玉を吸収させると、一瞬だがチンピクしてチンチンに活力が戻ったのだが、今後もそうだとは限らず、やはり専門家の治療が必要だと思う秋夫さん。

 

 ちんちんの事はやはり、ちんちん先生に診てもらうべきだ。


ちんちん先生とは、かつてこの街であった砂風呂事件のおりに、大活躍された、偉大な先生だ。


 砂風呂事件とは、秋夫さんがが少年時代にあったおぞましい事件で、当時の小学生は皆、金曜日の午後九時から放送する映画に夢中だった。


 その中でも特に香港カンフー映画など大人気で、映画を見た翌日の学校ではカンフーと言う名の暴力が校内を駆け回る恐ろしタイムとなる。


 当然、校内の会話は前日に見たカンフー映画の話で持ち切りだが、秋夫さんのお宅に金曜の夜から、祖父母が居座り、カンフー映画ではなく旅番組をイヤイヤ見せられ、うんざりしていた。


 友人の一人がさも当然のように秋夫さんに。


「昨日のカンフー映画すごかったよな!」


 そんな会話を振られても見ていない秋夫さんは、マズイ、ハブにされると直感的に思い。


「まだカンフー映画を見てるのか? 今は砂風呂だろ! 昨日のテレビの砂風呂はすごかったな~~!」


「!? 砂風呂??」


「そう、砂風呂だよ、今時、カンフー映画なんて言ったら笑われるぞ!」


 秋夫さんだってカンフー映画がみたかったさ。


でも、ジジ、ババが旅行番組なんて見やがって大半が温泉か砂風呂の番組だなんてイヤすぎる。


 ついつい、悔しまぎれに言ってしまった【砂風呂】発言は、聞き耳を立てていた周囲の子供達の間で瞬く間に伝染していく。


 こうして第一次、砂風呂ブームの始まりである。


 放課後、30人近い少年達が公園に集まり、次々と皆、服を脱ぎだし、ふるちんのまま砂に埋もれていく奇妙な光景が見られた、夏の日差しを浴びた砂は


とんでもなく熱かった…………



 少年達は、熱さに耐え男気を見せる事に夢中になり、砂に埋もれていたが、無知な少年達は大事な事を知らなかった。


 砂場は雑菌がスゴイのだ、ふるちんで砂場に埋もれれば、とうぜん、ちんちんに、バイ菌が入り遊び疲れて家路に着く頃には、ちんちんが青黒く変色して


 ちんちんが、とんでもないサイズまで腫れる。


少年達は、熱と痛みをこらえながら、こぞって近所の町医者に駆け込む。


 先生が抗生物質と解熱の注射を少年達に次々と打っていく、半日もすれば、あの苦しかった熱も、痛みもやわらぎ。


 その先生は少年達のヒーローになったのだ。少年達は、感謝の意を込めて。



 ちんちん先生と呼んだ……………………



 だが、噂とは恐ろしい物でその夏、街中の少年達の間で、一番HOTでイケてる遊びと認識され、数えきれない程の少年たちが砂風呂遊びをした。


 治療にあたった先生は、その後20年以上たっても当時、少年だった人から、未だに、ちんちん先生と呼ばれ、街の住民に愛されている。


 余談だが、砂風呂ブームが伝説となり、数年置きに第二次、第三次と、砂風呂ムーブメントがおこり


そのたび、治療にあたっている先生の呼び名も変わり、ドクターちんKK、だとか酷い呼び名はちんちんのオジサンである。


 そのため、秋夫さん世代から下の大人まで砂場で遊ぶ子供がいれば、知らない子でも必ず、声をかける。


「砂風呂はすんなよ、後、帰ったらちゃんと手を洗うんだぞ!」


 昨今、大人が知らない子供に声をかけるなんて事案物だがこの街では、その声かけだけは容認されている。



しかし、最近は砂場が本当に減りましたね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ