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レインボーブリッジ




 坂好きの運転で宇宙刑事を迎えに行っている秋夫さん。


「はっ!? んがくっくぅ!!」


 車内の後部座席で居眠りをしていた秋夫さん、寝汗が凄いイヤな記憶の夢だった、宇宙刑事と出会った頃の記憶を夢で見るなんて。


 車内から見える景色はどうやら、車はレインボーブリッジを通過しているようだった。


 この美しい景色を見ると、秋夫さんの心の底から湧き上がるリビドーが、言わせるセリはは決まっている



「 レインボーブリッジを封鎖してください!!」



「………………………………」



 どうやら、秋夫さんの物真似は少し似てなかったらしい、坂好きはスルーしてくれちゃってる、イカンね。


 少し声が高音すぎたのが、マズかったのだろうもう一度チャレンジするか…………


「 レインボーブリッジを~封鎖できません!!」


「……………………」


 また坂好きにスルーされた、あいつ、いつの間にパイセンの言葉を無視する高等技術をマスターしたんだか。


「だ~れだ!!」


「うおっ ちょっ!!」


 かまってもらえない、いらだちに、ついつい後部座席にいた秋夫さんは、運転席にいる坂好きに後ろから目隠しなんてイカレた行動をしてしまう。


 突然、目隠しをされた坂好きはパニックをおこしハンドル操作を誤り、車体のタイヤを路肩にこすり、ガガガガガガっとスゴイ音を立て車は急停止した。


 運転席にいた坂好きは、くるりと後ろを向き秋夫にビンタした。


「先輩! いい加減にしてください!!」



 ビンタされた………… 39歳にもなってビンタされた…………



「早稲田中退の俺をよくも殴ったなーーーーーーーーー!!」


「危ない真似する先輩が悪いんでしょうがーーー!!」


「表に出ろ~~~!! 坂好きィィィ!」 


 許すまじ、坂好き、いくらカワイイ後輩でもやってイイ事と悪い事があるだろうと、思う身勝手な秋夫さん、できの悪い後輩には、教育的指導が必要だろう。


 バタン、バタンと車のドア開け、車内から飛び出る二人、どちらも一歩も引く気はないらしい。


「この先輩の横っパゲーーー!!」


「ギィィィィィィィーーーーーーーーー!! 許さんぞ、坂好きーー!」


 横っパゲとは、絶対に触れていい事ではない秋夫の髪を少し、かきあげると小さいハゲがあるのだが。


 学生時代に花火をしている時に、坂好きがロケット花火をこちらに向け発射し、秋夫の側頭部に激突し破裂したのだ。


 それ以来、秋夫さんの側頭部には、小さなハゲがある…………


 人には、触れらたくない事の、一つや二つあるもんだがその古傷をえぐるような発言はいただけない、そもそも原因を作ったお前が言うなと思う、秋夫さん。


 ここは、まずクールに坂好きの一番嫌がる事を言ってやるべきだろう、パイセンとして後輩に格の違いを見せつけねば。


「お前の姉ちゃん、お前と同じ顔ーーー!」


「お姉ちゃんを悪く言うなーーーーーー!!」


 お姉さん子の坂好きは、姉をいぢられるとマジ切する、ミスターイケメンこと坂好きには、二人の姉がおり、二人の姉に溺愛されてるのだ。


 二人の姉も、そこそこ美人さんなのだが、なんと言うか、坂好きと同じ顔のため少々、男顔をしてるのが難点なのだ。


 ちなみに三兄弟そろって無職だ。


 坂好きの親父さんとも、行きつけの喫茶店でよく会うのだが、その親父さんは町工場を営んでおり今は、まあまあ儲かっているが、数年前に一時期経営が苦しい時があり、資金繰りに苦労していた。


月末になり、資金の回収に来ていた銀行員に


「うちには、35歳の無職の息子と、37歳の無職の娘と、38歳の無職の娘がいるんです、勘弁ください 」


 と頭を下げている、坂好きの親父さんを見て中年ニートが増えている日本経済の闇を見た。


 そりゃ社会問題にもなるわな…………


 まあ、そんなこんなで怒りがMAXな秋夫さん、坂好きに鉄拳制裁をくれてやるために拳を強く握り殴りかかったのだけど。


 ササっと避けられ、お返しとワンツーパンチ。思わず、地面にダウンする秋夫さんの脇腹に。


「内臓逝けやボケっ!」


 とキツイ蹴りをいただき、ありがとうございます!


さらにマウントポジションを取られ生まれてきて、ゴメンなさいと感じるまでボコボコにされた秋夫さん。


「いつまでも先輩ズラしてんじゃねえよ!」


 と、ありがたいお言葉をいただき。


 第一次レインボーブリッジ対戦は終了してお互いにクールタイム入りました。


「あの~先輩、さっきは言いすぎました、すいません顔、痛くないですか?」


「いや俺も悪かった、家族の事、言うのは反則だよな」


 だなんて大人の対応をする秋夫さん、人の顔面を修羅場にしといて、言う事それだけ? 何ちゃっかり、涼しい顔してるの?


 こんなパイセンの顔面を修羅場に変えるような、外道は生かしておいては、後々の秋夫さんの覇道を妨げる存在になるだろう。


チャンスを見つけてレインボーブリッジから、落としてやろうかなどと考えている秋夫さんだが、坂好きの様子を見ると少しおかしい。


 なんだか頬をうっすらと赤らめ、恍惚とした表情をしてやがる、まさか! こいつレインボーブリッジに欲情してやがるのか?



 どんだけ業が深い生き物なんだ坂好き…………



「先輩~しばらくここで休憩していきましょうよ~はい、缶コーヒーどうぞ、ここらで一服ですよ先輩」


 イカン、イカンぞ、坂好きの奴、レインボーブリッジとの濃厚プレイを、秋夫さんに見せつけるつもりだ!


 見せつけてさらに興奮するたちとか、どんだけこじらせているんだ坂好きの奴…………


 ここレインボーブリッジでは、前を向いても橋の上後ろを向いても橋の上、逃げ場がない。


「ふぁ~あ 今日一日はハードすぎてつかれた俺、少し後部座席でねるわ」


「…………………… チッ 」


 良し!ナイス判断だ秋夫さん!、あんなマジキチプレイを見せられては、鉄メンタルな秋夫さんといえども危うい。


 さらに、さっき坂好きのやつ舌打ちしたよな?処刑は後回しだ! パイセンをパイセンとも思わない外道に、生き地獄を見せてやるか。




以外に知られてないのですが、レインボーブリッジの下には一般道があり遊歩道もあります、遊歩道を歩いていると実に気分が良いものですが、路上演奏しているオメーらだけはダメだ、歌が歌いたければカラオケBOXにいけ!


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