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宇宙刑事と秋夫さん

宇宙刑事と出会う過去編でございます



 後輩の前だと、どうしてもパイセンぶる秋夫さんそこしか誇れる部分がない、かわいそうな人なのです。


 そんなこんなで後輩の坂好きの運転で宇宙刑事を迎えに行ってるのお二人さん。



 人には、出会ってはいけない出会いがあるそれでも出会ってしまうのは運命だからだろうか。



秋夫さんは今でも後悔している、あの時の記憶を消したい自分がいる。


宇宙刑事とは、なんぞやと思う人がいるかもしれないが、彼との出会いは意外と古く、もう十年以上前の話になる。


秋夫さんと、坂好きが深夜、赤羽駅付近をぶらついていると。


歳の頃は二十台中盤だろうか、上下ともダーク色なスーツを着込んでいて精悍な顔つきをしている男は、眼光が野生の狼のように鋭く、ただ者ではない雰囲気をかもしだしていた。


 そんな、ただならぬ雰囲気の男は、しきりと腕時計に向かってつぶやいている、まるでスパイ映画のワンシーンである。


 当時の秋夫さんとアホの坂好きはそんな男を見て。


「先輩っ! あれ見ました? 絶対にVシネマか、危にゃい刑事ですよ」


 何ていいながら鋭い目つきの男をめがけ指をさしてるおいおい、そんなまねをしたら失礼だろうがと秋夫さんは坂好きの、わき腹を肘でつつき注意をうながした。


 だって怖いじゃん、あの人、絶対にカタギじゃない感じするもの、何て考えてはみたが確かに気になるのも確かだ。


「イヤあれは、モノホンの街ハンターじゃないのか?」


「先輩それって、もっこりの人ですよねリアルにいたんですね~」


「おうっそうだろパイセンの俺は一目みてピンときたわ! 気をつけろ何かあったら、ありゃマグナム撃つ顔してるだろ」


 そんな事にも気がつけないアホな後輩に対して物事の常識を教えてやろうと考えた秋夫さん、だってこの子の将来が心配だもの。


「いいか坂好き! 鼻が大きい奴は、ちんちんもデカイんだぞあの男の鼻を見てみろ」


「あの人ですか、はっ!? 鼻が外人みたいにデカイ!」


 ようやく気が付いたのか、ダメな後輩だなと思いつつ内ポケットから、柿ピーの小袋をだし坂好きに手渡してやる秋夫さん。


「そうだ坂好き、気づいたか! それが正解だ」


 パイセンの秋夫さんに褒められ、嬉しそうに柿ピーの小袋を開け食べ始める坂好きに、ふふっカワイイ奴めと思うが、すぐには、後輩に甘い顔をみせない秋夫さん。


 坂好きは秋夫に尊敬の眼差しを向け。


「はは~ん、なるほどそれで先輩は奴のちんちんがデカイのを見抜き街ハンターだとわかったわけですか、さすがです先輩! やっぱり早稲田中退の人は違うな~」


「そうだぞ坂好き、お前ももっと本を読め! そうすればすぐに俺に追いつくさ」


 美容室で待ち時間に恋愛雑誌の男を見抜く特集を読んでおいて、本当に良かったと思う秋夫さん、やっぱり尊敬されるパイセンでいたいから…………


 秋夫が尊敬される高揚感に身を任せていると、坂好きの姿が見えない、周囲を見回すと、あの子ったら、さっきさんざん注意したのに街ハンターに話しかけている、怖い物しらずにも程があるだろ。


 さてさて、あんなおっかない生き物にからまれる前に退散しますか……………………


 坂好きを見捨て、家に帰ろう、お家に帰ろうバーモントシチューな行動をしようと思っていたら、坂好きがこちらに向かい手を振っている。


 秋夫さんに助けを求めているんだろうか? すまない坂好きと手を振り返す秋夫さん。


「バイバイね~また明日~」



 そう、だってもうバイバイする時間だから…………



 坂好きの身を差し出しその間に、帰えろうとするとか、人身売買でバイバイな感じである。


 おや!? 坂好きと危ない感じの男がにこやかに、こちらに向かってくる、危ない男ではなく、たんなるキャバクラのキャッチだったのか??


 宇宙刑事が近づくにつれ、全身の細胞が身の危険を感じ、クラウチングスタイルで、ダッシュの準備をしていると。


「先輩~~ この人宇宙刑事だって~~!!」


 ダッシュした、ダッシュしたさ、宇宙刑事って何だよ? かかわってはいけない…………


 秋夫さんが全力で走って逃げるのだが、走りながら後ろを見ると、凄くイイ笑顔でアホ二人が追って来る。


 全力で逃げているのにいつの間にかアホ二人に捕まってしまい、何であいつらあんなに意気投合してるの?


 この赤羽の街で、絶対に出会ってはいけない



 アホコンビ誕生の歴史的瞬間だった……………………



「先輩、この人宇宙刑事で、宇宙怪人を探してたらしいですよ」


「おおうっそうか、俺もそんな気がしてたのよ、んで時計と何でお話していたのかな?」


 別の意味で、かかわってはいけない空気がビンビンするのだが、興味本位と言う甘い誘惑に負け、ついつい宇宙刑事に質問してしまった秋夫さん。


「宇宙指名手配、モンモンモーンの捜査のために、銀河パトロールと通信していたであります!!」


 かかわってはいけない雰囲気がある男に、安易に質問をしてしまい、早くも後悔している、秋夫さん



 帰りてぇ……………………



 変人が多いこの街でも、こんなに濃いお方はひさびさである。


 昔から、この手のお方に好かれるたちの秋夫さんなのでそうそうに、宇宙刑事との関係をリセットして忘れたい。


 だってこいつ、まばたきしないんだもん怖すぎる…………


 秋夫さんは、色々と悩んだあげくチンっとひらめいた。


「あの~宇宙刑事さん、宇宙指名手配、モンモンモーンはここには居ませんよ~ 足立区の方に行ったらしいよ~」


「足立区は、お母さんに行ってはいけないと言われてる…………」


「あらら、そうだよね足立区は、お母さんがダメって言うよねお家に帰った方がいいぞ宇宙刑事」


 よっしゃ~ビンゴだ彼はこの街の住人だ、この街の住人なら、子供の頃から足立区に行ってはいけないと言われているはずである。


 なぜなら、北区に隣接しているはずの足立区は遠すぎるのである環七経由か、川口経由でしかいけない不便な場所で。


 この街の住人にとっては僻地で秘境のようなイメージがありたいていの子供は自転車で、足立区探検をして迷子になるナンバーワンの場所だからだ。


 そのため、この街で少年時代を過ごした人間にとってはDNAに行ってはいけないと、刻みこまれている。


 足立区のタクシーに乗れば、運転手のオジサンは10人いれば、5人は【オジサン、芸人のたけしと同級生だよ】なんて言う恐ろしい地域だ、ビー〇たけしさん、どれだけ運転手に同級生がいるんですか!


 それはそうと、秋夫さんが宇宙刑事刑事を見ると下を向きプルプル震えてる少々、かわいそうな気もするが、これもわが身の安寧のため、すまんね、宇宙刑事。


「宇宙指名手配の情報を知るとは、ひょっとして貴方は刑事長でありますか!!」


 突然、宇宙刑事は、秋夫さんに向かい満面の笑みで敬礼をして、とんでもないこと言い始めた。


「でかちょう? ………… 刑事長だと …………」


 

  気が狂いそうだ…………………… 




北区と足立区は隣接しているのに、交通の不便さからビックリするくらい交流が無い地域です、北区に行った事がない、足立区に行った事がないなどと言う人が意外といるんですよ


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