表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/33

坂道マニア



 車にはねられ痛い痛いした秋夫さんだが。


秋夫をはね飛ばした前方不注意さんは見知った男どうしてやるか。


「あのー先輩大丈夫ですか?」


「人身事故をやらかして、大丈夫はないだろ?まずはゴメンしろよ!」


「すいません先輩! まさか人がいるとは思わず、体意外と平気そうですね?」


 この男ミスターイケメンこと坂崎は、年齢は秋夫の一つ下にあたり、秋夫の子供の頃からの友人でもある。

 

 そして秋夫をバカにしない数少ない友人だ。



 なぜなら坂崎も無職だから…………



 少々、他人に気遣いができないダメな奴ではあるがカワイイ後輩なのだ、坂道をハアハアと荒い呼吸をして走る女性のTV番組が好きな奴だったが、いつの間にか興味の対象が女性から坂道に変わってしまい。


 それ以来、坂道にしか性的興奮を感じなくなったアホだ。


「おう、パイセンの俺じゃなかったら大けがしてるぞ」


「てっ言うか何で先輩もここにいるんです?まさか先輩も金玉が…………」


「そのまさかだ坂好き、金玉を取り返すためにここにいる」


 坂崎、通称、坂好きは坂道を愛しすぎるアホなので皆から、坂好きと呼ばれている。


 坂好きは、髪はさらさらだわ、身長は高いわ、顔の造形がいいわ、爽やかマンで、物腰も柔らかく、奴の性癖を知らない奴は、百人いたら、99人がイケメンと感じるぐらいイケメンだ。


「んで、坂好きも金玉探してるのか?」


「いえ、今日は女に会いに麻布台まで行った帰りです」


「お~お~ このスケコマシがまた無茶したんだろ?」


 坂好きが言う女とは坂道の事である麻布台と言えば先日、稲荷坂と言う坂道との濃厚プレイ動画をLINEで送りつけてきた、マジでかんべんして欲しい。


 嫌がる坂道を無理やり力でねじ伏せて乱暴している姿を見て、もっと優しく扱ってやれと思うが、坂好きとの付き合いもあるため、多くは秋夫も言わない。


 先日も坂好きに、日暮里谷中に連れてこられ、坂道界のアイドル、日暮里谷中の、夕焼けだんだんという、坂道とのプレイを見せらせそうになり。


 もう一人いた連れの宇宙刑事と共に商店街に買い食いに行った。


 どうせ力ずくで物にしているのだろう。


 坂好きは、そんな悪癖に関係する事以外は普段は品行方正で、かなりイイ奴なんだが。


「先輩!麻布台のお嬢様も一皮むけば、みんな同じですよ僕、勃起しないもんで、指だけで攻め立ててやりましたよ!」


「おうそうか、お前もフルバーストしないのか、それよりもっと女を大事にしてやれ」


「いつものお説教ですか、わかってますって俺、今度彼女と結婚するつもりですし」


 おいおい、確か坂好きは赤羽西口の坂道とも古い付き合いでいつか籍を入れたいと秋夫にこぼしていた事があったが。


 別れたのか?それとも捨てたのか?色々な考えが、秋夫の頭の中をめぐるが、坂好きもいい大人だ、秋夫がとやかく口を突っ込める問題じゃない。


「そうか……………………今度紹介しろよ」


「先輩にそう言ってもらえて嬉しいです!」


「坂好き、とりあえず体も痛えから送っていけよ」


 一つの別れがあれば、また一つの出会いがある、少し物悲しい気持ちになった秋夫さん。


 って言うか籍いれられるのか?



 恐るべし坂道マニア…………



「あっそうだ先輩!宇宙刑事もこっちの世界に来てますよ河原で昼寝してたら、アイキャン・フライの声が聞こえて川に飛び込んだらしいですよ、本当に困った奴ですよね」


「おおう!そうか、でも奴をあんまり悪く言うなよ、あいつはああ見えて、色々気にする奴だから」


「わかっていますよ先輩、宇宙刑事の奴川に流されて今豊洲辺りにいるらしいですよ、流されながら僕にLINEと写真を送ってきまして、意外と余裕がありそうですよね」


なんてこった、坂好きに続き宇宙刑事までも金玉を取られ、この異界に来ているなんて、今あの街で何がおこっているのか考えただけでも不安になる、秋夫の身近な人間だけでも二人も異世界にきている、いったい何人の被害者がいるんだろう。


 それより、河原でアイキャン・フライなんてテンション上げ上げな事を言っちゃう奴は常識がないのかと言いたい。



  犯人は……………………秋夫さんである、黙っておこう…………



「しかし、豊洲か~ 意外と近いじゃない、ついでに宇宙刑事も迎えに行ってやろうぜ」


「そうですね先輩、ここからだとレインボーブリッジ経由ならすぐですしね」


「なあ~坂好き、言おう、言おうと思って聞くタイミングを逃して

しまったが、お前もあの化け物の大群見たか?」


 イヤな事はいつも後回しにする癖のある秋夫さんはようやく、あのおぞましい光景を坂好きに聞けたんだが。


「ああーああゆうの結構、見ますよあそこまでの大群はさすがにないですけど、僕も大群に驚いて車を飛ばしすぎて先輩にぶつかっちゃったわけですけど」


「なるほどね、それでお前らも親父さんに聞いて異界にきたのか?この異界に俺ら以外に何人いるんだ?」


「さあ~どうでしょうか?僕らも、先月に親父さんに聞いて異界に来たけど他の人会ったのは今日が初ですよ」


 なるほど、なるほど今度、親父さんに詳しく聞いてみるかな?あまり異界の事を話たがらないから、難しいかもしれないが。




僕の後輩に坂道マニアがいて、よく写真や動画を送って来るのですが、坂道の良さが僕には理解できません風情やノスタルジーを感じるらしいのですが、坂道を語る後輩を見ていると坂道に恋をしているようにしか見えません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ