ちくわ
一話目はプロローグみたいなもので、面白いプロローグなんてないです、頑張って二話まで見てください、お願いします!
9月も第一周になり、都内でも空気に秋の匂いが交じる時期でございます。
秋夫さんだが39歳にもなって無職と言うか、奥さんの稼ぎをあてにしていると言うか、ひもである。
以前は、大学中退ながらも当時のバイト先の勤務からITバブルの時流に乗り、中規模のIT企業を数社ほど渡り歩き最後は、六本木で富の象徴であるビル内のIT企業本社で勤務をしていた、そこそこの勝組さんだったが今や見る影もないくらいダメなオッサンだ。
テーブルの上に規定どうりの本日のお小遣いが五千円札が乗っている。
抜け殻の様なオッサン相手でも、妻だけは秋夫さんに甘く、毎日テーブルの上に五千円が置かれてるのが習慣になっている。
「本日のお小遣いゴチです」
クズの代表選手の様な秋夫さんは、会社員時代に購入したスーツを着込み、ノーネクタイといった感じのラフな格好をし、ズボンのポッケに五千円札をねじ込み。
朝食をまだ済ませてない秋夫さんは、小腹がすいたので軽食でも食べに行こうと、近所のおでん屋に、向かいブラブラと歩き出した。
この街の住民の大半が老人と中、韓、含め東南アジアの人が大勢住んでいるために、どことなく東南アジアの気風と言うか住民性があるのは間違いないのだがそのせいか、変人や変態に寛容な土壌がある。
奇声を発しても誰も気にしない、露出狂や立ちバックでSEXしてる、中年夫婦がいても、他所でやってねレベルの話で終わる。
この町の住人はとくに変態に寛容というか、恐れない、なぜなら、暗黙のルールだが一般人には迷惑をかけない、変態紳士協定の様なものがあるからだ。
変人は変人どうしでつるめばいいし、変態は変態どうし、コミュニティを作ればいい、といった風潮すらある。
おかげで電波系が電波系を呼び変態が変態を呼び、この町は変人が多く存在する、あまりにも多くて漫画の題材にされるレベルである。
歩いて軽く汗ばんできた頃に着いた場所が、戦後闇市の名残をを残す汚い飲み屋街である。
とにかくここは、昭和ノスタルジーというかアウトローな雰囲気たっぷりの場所だ。
その飲み屋街の一角に秋夫好みの立ち飲み屋がある、秋夫はアルコール類は飲まないのでウーロン茶だが、店主は戦後からウン十年やってる化石みたいな人物だ。
普段は、寡黙な店主と何十年も入れ替えしてないどす黒いだし汁に沈んでいる謎物質のおでんが好きで通ってる。
店内の端っこに立っている客も秋夫とほどよい距離感でイイ、服装が少々変わっているのも赤羽クオリティーだ、その客の年齢は恐らく70から80代で、髪は白髪だが綺麗なオールバックにしており。
もの凄く紳士面をしている、服装は上下ともスーツなのだが。
ズボンがハイレグスタイルの短パンで、ありていに言うと金玉が両方出ている、そして後ろはTバックとなっております。
「親父さん、ちくわ……」
「…………………」
秋夫さんが、素敵な服装をしてる紳士をスルーして、ちくわを注文したのだが。店主の無言の応対で、だしから真っ黒な汁を吸った、真っ黒なちくわの様な何かが秋夫の皿に置かれた。
見た目は食べ物かと疑いたくなるが味は絶品である、これにカラシを付け風味を変えても美味い。
肝心のカラシだが、カラシの入った容器が例の変態紳士の前にある、秋夫は声をかけてみるか少し悩んでしまった。
この街でよく見る、変態達の特有の雰囲気と少し違うと感じたからだ、眼光も鋭くただ者ではないオーラがビンビンきている、そうこうしていると。
「何をみている、そんなにワシの尻が気になるかね?」
「いや、ケツは気にならないが 」
「それでは何かね?何か用があるのかね?」
少しビビッタまさか変態紳士からコミュニケーションをとってくるとは、予想外である、誰もジジイの尻に興味はないし、高圧的な態度も気に食わない。
秋夫は普段、忍耐強く思慮深い性格と思われがちだが、意外に怒りの沸点が低い、要は我慢ができない典型的なダメな大人なのである。
某掲示板でも、煽られ耐性が低く、煽られると粘着してしまうタイプだ。
本当に忍耐強く、思慮深い人間なら、無職などやっていない、本人が昼行燈を気取っているだけなのだ。
「ご老体、金玉が出ていて素敵ですなぁ~」
「フン……貴様の様な若造に金玉の良し悪しがわかるものか」
秋夫は、軽いジャブで嫌味を言ったつもりだが、まじめに金玉の良し悪しを語られてしまった。
このまま金玉の論争を続ける気はなかったのだが。
「まあ、じいさん金玉より若い俺の金玉のほうがよっぽど立派なだがな」
「なんじゃと若造が、ワシの金玉より美しいくて立派だと申すのか? そこまで言うのなら貴様の金玉がどんなものか拝見してやる 」
「おっやんのか? 厚揚げみたいな金玉しやがっておでんに煮込んでやんぞ」
煮込むのキーワードに反応してか、居眠りをしていた店主の親父さんが
目をさまし。
「……………………煮込むのか?」
「おうおう煮込んでやれ親父さん!」
秋夫さんは、親父さんの横に積んである野菜の束からレンコンを引っ張りだし、年齢差も考えず老人相手に、レンコンで殴りかかった。
「ボコボコにしてやんよ~」
老人相手に本気で襲いかかるとかクズにも程があるが、 変態紳士の異様なオーラというか凄みがあり。
本気でやらなければ負けて大変な事になりそうな予感がしていたのだ、その嫌な予感を、秋夫のヒョロガリ筋肉が本能が伝えてくる。
秋夫の一撃が変態紳士の脳天にヒットする瞬間ぬるりとした動きで、一撃をかわし秋夫に組み付いた。
そのまま変態紳士と秋夫はもみ合う展開となり変態紳士のスーパーテクにより秋夫のズボンとパンツを剥ぎ取り、金玉をさわりだした。
「えっウソ? スッゴイ! おっおじいちゃんそんなに上手に触ったら、ダメよダメなんだから~~~」
「かかかかっ 生意気なコゾーがいるから、お仕置きのつもりじゃったが 大口を叩くだけはあるわい、色つや美しさ完璧じゃわい中身のゴールデンボールもさぞ凄かろう 小僧、貰っていくぞ!」
「んほおぉぉおぉぉおおおお! そこっそんなふうに握っちゃダメ~~~~~」
秋夫が涙ながらに変態紳士に訴えるが聞く耳を持ってくれない、この変態紳士は秋夫をそっちのアブノーマルな世界に引き入れようと言うのか。
よくわからないが、この変態紳士、目がマジである、秋夫は恐怖のあまりカウンターの向こう側にる親父さんに助けを求めようとしたのだが。
突然、金玉に強い衝撃を受け、意識が暗転した……………………
アホの子が書いているため、展開が遅く、三話ぐらいから流れが変わってくるので、お付き合いください。