19/22
19
「それも、夢見の体質のおかげ?」
「さぁ……どうなんだろう」
昏睡状態とはいえ、夢の内容をここまではっきり覚えているのは、ある意味珍しい。
それは、僕の体質に問題があるのだろうと医者は言う。
現代医学では解明出来ない体質。
それが、「夢見の体質」。
眠ると必ず夢を見る。そして、忘れない。
この体質は男にしか受け継がれない。僕は母の連れ子だから、今の両親はこの限りではない。
でも、僕の本当の父親はこの体質だ。60近くになる今日まで、色々な夢を見てきたそうだ。
そして、この体質は、間に女の世代を挟んでも遺伝する。
現に、僕の姉の子……僕から見て甥にあたる子が、先日、悪夢にうなされたと聞いた。
……そういえば。
「亜戸、君は、僕の甥に会ったことある?」
「甥? いや、無いけど……どんな人?」
「僕と同じ体質の子。今日、見舞いに来てくれる予定だから、会ってみてよ」
亜戸に連れられ、病室へ戻ると、話に出ていた人物はもう来ていた。
「英斗君」
英斗、呼ばれたその少年、歳は10代後半だろうか。こちらを見て、にっこりと微笑んだ。




