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私は、アドが好きだ。
でも、いつから好きだったのかは、覚えていない。気が付けば、好きになっていた。
私は、その好き、が言えなかった。
もうアド以外考えられない、胸が苦しい……。
走って走って、気が付けば、初めて会ったあの森にたどり着いた。
アドと初めて会った場所……思えば、あの時から、アドが好きになっていたのかもしれない。
再教育は命を削る。アドに会えば、再教育をさせられる。でも、アドに会いたい……。
「ここにいたのか」
声が聞こえた。
アド……。
「帰るぞ」
拒否した
「何故だ?」
アドの事を理由に挙げた。
「俺は平気だ。いいから帰るぞ」
腕を掴まれ、その場にしゃがみ込む。
「……いい加減にしろ! 俺の何が不安なんだ!?」
大声で怒鳴られて、思わず身体が竦む。見上げるが、涙で顔がよく見えない。
私が、ちゃんと正直に言わないから、アドは怒ってるんだ……。
嗚咽を押さえながら、絞り出すように言った。
私は、アドが好きだ、と。




