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横に座り、仰向けで寝ているアドを見下ろす。
手に触れると、温かくて、柔らかかった。
そのまま寝転がり、顔を寄せると、体温が感じられた。
胸を見ると、呼吸で上下している。手を乗せると鼓動が伝わってきた。
"生"を、直に感じている。アドの生を感じている。
このままそばにいたい、と思っていると、お腹が大きな音を立てた。
「お前、腹減ってるのか?」
コクリ、と頷くと、また溜息をついて、起き上がった。
「簡単なのにするからな」
部屋を出て行った。
作ったのは、どんぶり1杯のおかゆだった。食べてみると、塩味で、美味しかった。
空になった食器を見て、アドより早く持ち上げ、キッチンへと持っていく。私の意図が解ったのか、アドはそのまま寝室に消えてしまった。
食器を洗い終え、アドの部屋に行くと、もう既に着替えていた。
「もう少し休んでる。あとは好きにしてていいぞ」
好きにしていいんだ……と思ってしまった。
先程のように、横に寝転がる。
「お前……暇なんだな」
呆れた様にそう言った。
「他にする事、無いんだな」
私の方を見た。
「再教育をする。そのままでいいから、聞いてくれ」




