【祝一周年】それさえも最高で最低な、彼の一番長い夜・06
クーラーかけても喉乾く。
みなさんも適度な水分補給で身体にはお気をつけ下さい。
男性でも日傘や水筒を持ち歩くのも〇ですよ。
「やっぱあったな」
「ありましたね」
「予備の制服が置いてあるって憶測は正解だったようですね」
保健室から出て一階から二階まで上がってその突き当たりまで進むと、職員室がある。そしてその横の生徒会室――今回用があるのはそちらだ。
「六月の体育祭だったかしら。その準備であそこに行った時見かけたのよ、制服のストック」
そんな事をチカが言ったのでそれを信用してやって来ると、確かにあった。
「本当にあったよ……」
ってつい呟いてしまって頭を叩かれたのは内緒だ。
「しかし冬服の方ですか。こんな夏場じゃ蒸し蒸ししそうです」
「いいからお前は着ろ。一番早く着替えてくれ」
ちょっとこの妹には露出のケが出て来たんじゃないかしらと疑ってしまう俺がいた。ネグリジェとか身内とか抜きにしてもドン引きだから、背景的に。いや妹ながら綺麗なんだけどね。
それに自分も上のTシャツを貸したとは言えチカのアレな格好もなんとかしたかったという理由もある。最悪誰かと遭遇した際にこれらの恰好じゃみんな恥ずかしいだろうし、着替えというチョイスは悪くないだろう。
……って言うかマジで着替えて。自分の精神衛生的に。性的に。
「…………覗かないでよ」
「覗くかよ」
流石に命は惜しいし、何よりさっきの冤罪(?)の時も一番辛かったのは我らが大天使ミサミサの苦笑だった。デスノートに書かれたのかと思ったくらい胸が苦しかったあの困った表情は、もう二度とさせたくないのだ。
無駄な決意をした俺は、そそくさと生徒会室を後にする。
「俺も……ってかコレ着るの? えー……」
自分も一応はと手に取った(どうやら男物ならあったらしい)夏服の、白地……にしては少し黄ばんでいるようにも見えるポロシャツと黒ズボンに着替えていく。
「まさか休日にも着替えなきゃいけないなんて……」
そう愚痴を零しながら、ポロシャツを頭から被るように身に着けていく。
ジメジメとした気候の中この手の服を着ると、どうにも違和感というか不快感というか……多分うっすらと肌に浮かぶ汗が問題なのだろうけど。そんな事を思いながらササッとズボンまで穿き終えていくのだった。
この時。
例え殴られても罵られてても、果ては嫌われて敵に回ったとしても、でも俺は彼女達が着替えるこの部屋に一緒にいれば良かったのだ。
そうすれば、
「…………は?」
みんなと突然逸れる事なんてなかったのだ。
まぁアレです。
この作品ですし、結末は……ね?
P.S.
本日正午に付け足しがある可能性が微レ存。
いや確実にあります・。・;




