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幼馴染同盟 ~Are you BEST FRIENDs?~  作者: アオハル
02.Cold-en weaks _Do you know?_
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【番外編】星に願いを【未完成ってレベルじゃねーぞ!】

 折角の『七夕』ですし、どうせならと書いた次第です。

 かなりザックリなので完全版(?)は後ほど修正します。

 ……23時59分頃にまたここを開いてくれると(チラッ)嬉しいな(チラチラッ)

 今日は七月七日、一年に一度の『七夕』ってヤツだ。

 いや七月七日ってのも一年に一度しかないけれど、それいう揚げ足取りは、まぁ置いておいて。

 現在は午後七時。

 梅雨の時期にもかかわらず奇跡的に快晴を叩き出した空も、今は夕暮れ。ここら一帯を照らしていたお天道様も朱く照れて地平線のその下に隠れようとしていた。最近じゃゴールデンウィークが嘘の如く空気が涼しく、特にこの時間帯だと蚊が忙しなく動き回るようになっていた。


 さて。

 なぜ俺と――――、

「何書こうかしらね……」

「はーいみんな落ち着いてー。今からお姉ちゃん達も書くからねー」

「…………くしゅっ」

 チカやミサ、あと希と夜の公園に来ているのかといえば。

 ここの住宅街の軽いイベント的なヤツにお目付け役――もといお手伝い係として駆り出されたのである。

 ……なんて細かい(?)話も置いといて。

「そういや、ミサは短冊になんて書くんだ?」

 自分が掴んでいる橙色の短冊をヒラヒラとさせて、なんて事ないように隣のミサに尋ねる。単なる手伝いなのにご丁寧に着用してきた桃色の浴衣を揺らして、彼女はこちらを振り向いた。

 本当になんて事ないような感覚で、尋ねてしまった。

「私、ね」

 サァ――っと、笹の葉が夜風にさらわれそうな、心地の良い音が遠くから聞こえた気がした。



「トール君が思うほど、良い人じゃないんだ」

 彼女もまた、なんて事ないように答えてくれた。



 どこか寂しそうな微笑みをしながら、答えに成ってない応えを。

「――――」

 どこかで花火が上がったような気がした。

 ――いや、本当は花火なんて上がってなどいなかった。

 彼女の台詞がそれだけ衝撃的だっただけだ。まるで花火のように、両の鼓膜を震わせ、身体の奥まで揺さぶられる感覚に襲われる。地面が揺らいだような気もした。頭の中なんてフラッシュのように真っ白に染め上げられてしまった。心臓の鼓動が脳の奥まで響く気もする。

 この時、俺はどんな顔をしていただろうか。

 驚愕だろうか、あるいは――。



 俺は彼女ミサ――三咲可憐のどこまでを知っているのだろうか。

 栗色の鮮やかな髪をおさげにした、小柄な女の子。

 下世話な事を言えば胸は大き目、というか巨乳。

 料理や裁縫、あとは歌が上手く勉強もできる。

 運動音痴、だけど握力はなぜか物凄くある。

 趣味はお菓子作りと裁縫。

 常に周囲に気を遣っているような苦労人で、でも笑顔は絶やさない。

 ……これは、彼女の中のどれだけを占めるのだろうか。どれだけを俺は知っていると言えるのだろうか。『それだけしか』なのか『そんなにも』なのか、その尺度を図る事もできない。何かを見逃しているのではないか、目を逸らしているのではないか――。

「……それでも」

「?」

 例えそれが自分だけが都合良く見た幻想だったとしても。

「それでも……ミサはいつだって周囲を見てくれてるし、笑顔だって絶やさない。偶に渡してくれるお菓子だって美味しいし、正直可愛い子にこんなに構って貰えるのは男だったら誰でも嬉しいし、何より俺は嬉しい」

 それに、だ。

「いつも毒舌に囲まれてると、更に癒しが欲しくなるんだよ」

 苦笑しておどけるように、冗談じみた感じにそんな事を言いつつ、俺は締めくくるように言う事にした。

「あー、それに、だ。自分を優しくないって、そんな顔で言うヤツは周りを思える――それこそ優しいヤツだっていう証拠だから」

 頭をガシガシと掻きながら、それでも最終的には彼女の方を向いて。

「だから――俺からしたらミサはとても優しくて、良いヤツだよ」

 愛の告白でもないのに、今度は身体の芯から湧き出た熱で震えそうになる。涼しげな空気に運ばれて、どこまでも拡散していってしまう気がしてならない。

 改めて考えて言うのは、こんなにも恥ずかしいのだ。というか単純に俺が恥ずかしいヤツだった。

 でも――。

「…………………………あ、ありがとう」

 思わず俯けてしまった顔を上げれば、ミサの顔が明かりに照らされてもいないのに紅く染まっていた。

 どうやら、言われたミサも恥ずかしかったらしい。

 あはは――と誤魔化すようにはにかむ彼女を見て、新たにそんな事を俺は知る事ができた。言って良かったと、心から思う事ができた。

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