【番外編?】1日目・B
消してぇえええええ! リライトしてぇえええええ!!
……ってか書いてたら勝手にブラウザやら保存データやらに再起動かかるんですかね(半ギレ)。せめて誕生日くらいそれはよしてよぅ……。
(´;ω;`)
はい、というワケで遅れました申し訳ありませんでした次回は一応今日中に上げる予定ですそれと『〇日目』っていうのは作品時間内ですだから突っ込まないで(泣)ではどうぞっ
「…………………………っ、」
「透ったらどうしたの? まるで…………」
「――――」
「……なんて言えばいいのかしら」
「例えろよ! そこまで言ったならせめてなんかに例えてくれよ!!」
どこかで鳥が綺麗な音色を奏でている、お日様が温かいお昼の事。
……午前九時をお昼と呼んでいいのかどうかはさておき。
「と・に・か・く!」
ダンッ!! とテーブルに手をついて俺は悲鳴を上げるように叫んだ。
「これは一体どういう状況なんだ!?」
「どうもこうも私の家じゃない。正しくは私と私の家族の家、ね」
「……やだ、それじゃまるで透も家族みたいじゃない」
「…………、」
だ、ダメだ……もうどこから突っかかり、切り崩して行けばいいのか判らなくなってきた。
(い、いや、ここでオレが挫けた方のが色々とダメな気がする……っ!!)
「……そもそもだ」
あまりに理解不能な現実にすっ飛ばされたせいで折れかけていたツッコミ精神をなんとか支え、持ち直す。
そう、そもそもだ。
まずは絶対に指摘しなくちゃいけないポイントが目の前にあるっっっっ!!!!
「――――その恰好はなんだ!!?」
「あぁ、そうそうこの恰好どうかしら? ……似合ってる?」
……それを似合ってると答えてしまうと「お前は痴女っぽいな」と遠回しに言ってるような気がするし、かといって否定するのは目の前の(一応は)美少女相手にとても失礼過ぎる気もする。
つまり、彼女はそんな恰好――――裸エプロン姿だった。
(…………な? 意味解らないだろ?)
もう混乱のあまり、誰かに尋ねてるような感想を抱いてしまっていた少年だった。
(いやいやいや!)
確かに今まで似たような過去はチラホラとあったとは思う。だがそれはあくまで『似たような』であり、なにも今日のこんな感じにまでぶっ飛んだ行動を、しかもあの大山智香がするだなんて――まず現実よりも頭を疑いたくなるってものだろう。実際、現在の少年は瞼をまた閉じては眉間を揉んでいる真っ最中だ。思いの外疲労が溜まってるのかもしれない――そう結論付けて逃避を図ろうともしていた。
(正確には下着一丁の上にエプロンを着ているからまだ裸エプロンではな――ってそこじゃねぇ!!)
そんな彼本人も相当に疲れているようだった。どうあがいても現実みたいなので、少年も腹を括って再び前を見る。そこにはやはり変わらず(ほぼ)裸エプロン姿のままで智香がしゃがみ込んでいた。元から恵まれたというか豊かで優れた容姿をしているので、その状態だと吸い寄せられるように視線が泳いでしまう。
「……へぇ、」
「……っ!」
そんな邪な目線はアッサリと看過され、慌てて目を背けた時には遅かった。
「ふぅん? その様子じゃ、まんざらではないようね?」
「ちょっ、そんな恰好で寄って来るな! ……っていうか!! なんでお前はそんな格好してて、オレはお前の家にいるんだ!?」
「私だって恥ずかしいわよこんな恰好! ……でも透が見たいっていうから」
「…………は?」
「だーかーらーっ! アンタが好きだって言ったからこの恰好にしたんでしょうが!!」
そう言ってプンスカする幼馴染み。
しかし、驚くべきポイントはそこではなかった。
「それと――アンタがここにいるのは、昨日私の家に泊まりたいって透の方から言ってきたからでしょ?」
「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………、はにゃっ!?!?」
思考停止どころか意識がブラックアウトしそうになった。
「はっ? へ??」
「……酒を飲んでるワケでもないし、『忘れてましたー』なんてアホみたいな事は、ま・さ・か言わないわよね?」
「え――って、ちょっと待ってちょっと待ってお姉さん!?」
「あっ、そうだ」
「近いって! マズイ、非常に不マズイからこの状況!!」
「大丈夫よ、母さんもお姉ちゃんも揃って出かけてるんだから。」
それよりも、と。
少年の疑問は完全に無視なのか、そこで思い出したように彼女は言うと、
「そう、朝起きた戸頃だし……いつもの『アレ』してもらわないと、ね?」
「はい? いつもの『アレ』――ってだから近い近い近いっ!!」
ずいずいととんでもなくけしからん恰好で近寄ってくる少女からワケも分からず後ずさりする少年だったが、そこで自分はソファに背を預けていた事を思い出した。
そして。
鼻息がかかり、額と額は触れ合い、唇までもがぶつかりそうになるくらいまで接近して。
少女は蠱惑的に、囁くように呟いた。
「はい、――――おはようのキス」
直後、顔がより急接近して――――。
――――ピンポーン。
「「…………、」」
インターホンが鳴った瞬間で、柔らかそうな唇が本当に当たりそうになる一瞬前で、少女の方がピタリと動きを止めた。その後、ゆっくりとした動作で立ち上がると、
「…………あともうちょっとだったのに」
まるで怨嗟のようにそんな台詞をはくと、その恰好で玄関の(多分インターホンだろう)方向へと歩いて行ってしまった。
「…………っは」
早過ぎる展開に強張ってた肩を下ろし、喉元で留まっていた息を吐き出す。一気にエマージェンシーな汗がドッと出た。
「はぁーっ……、はぁーっ…………」
(た、助かった……って事でいいんだよな?)
やや疑問だが、取り敢えず一線(深い意味はない)を超えなかった事に心の底から安堵した。
なぜ、安堵なのか。
何に躊躇いがあったのか――その理由にまで考えは働かせず、少年はただただ安堵していた。
しかし、その十数秒後、すぐにそれは間違いだったと思い知る羽目となるのだが。




