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幼馴染同盟 ~Are you BEST FRIENDs?~  作者: アオハル
01.APRIL _Something to know_
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第10話 「仲介」―B

 さる友人からエr……ゲフンゲフン、恋愛シュミレーションゲームを大量に譲渡されました。いいえ、はっきり言って無理矢理押し付けられました。

 ……。

 …………。

 この作品を書くにあたって何か為になる内容があるかもしれませんし、し、仕方ないよね? さ、先っちょだけだから!

 ……本編行きましょ。

 今回は前回の続きなので短めですが。



 ……ちなみに『ゆずソフト』が多かったです、はい。

 『DRACU-RIOT!』とか。

 朝食も満足に食べ終えた俺は再び自分の部屋へと向かった。春休み気分がまだ抜けず、着替えの中に制服を忘れたのだった。部屋着で行くとか馬鹿なのか俺は。

「――よし」

 慣れた動作で学ランを着て、今度は洗面台へと足を運ぶ。大き目の鏡はここと妹の部屋くらいにしかないからな。

 そこで自分の格好を映して数秒。

「うっわ、顔キモっ!」

 自分の顔に凹んだ。生憎と妹やチカやミサや友花さんや『アイツ』のような恵まれた容姿じゃない俺は、ただただその現実に打ちのめされただけだった。

 朝の風呂場の一件の後、俺は妹が完全に出払って(下着しか持って来ていなくて、丁度出るタイミングだったらしい……服は?)から鍵を掛けてさっさとシャワーだけ浴びる事にしたのだった。そうなのだ、実は鍵を掛ける事ができるのだ。

「ってか、なんで妹はいつもしないんだよ……」

 色々な意味で溜め息が零れた。

 その後シャワーを浴びて部屋着しか持っていなく仕方なく着替えた俺が風呂場を出た戸頃で、妹も部屋で私服に着替えたらしく軽快に階段を下りて来て、そのまま妹がエプロンを羽織って朝食を作るという流れに至った。

 それから現在、

「じゃ、行ってくるわ」

「行ってらっしゃいです兄さん……くれぐれも女には気を付けて下さいね」

「お前は――」

「彼女です。恋人です。愛人です。奥さんです」

「――俺の妹だろ」

「実妹のがやっぱり嬉しい派ですか?」

「アウト派だよ!」

 両親はまだ熟睡していたからか、妹が玄関までわざわざ見送ってくれた。妹の学校は週明けからだからな……チクショウ羨ましい限りだ。

「では」

「ん」

 そうして俺は昨日戻って来たばかりの新しくも懐かしい我が家を後にするのだった。

「わわっ!?」

「うおっ!?」

 ……というか家の玄関を出た瞬間だった。

「な、なによいきなり」

「それはこっちの台詞だ――――チカ」

 朝から心臓に負担を掛けて来たのは昨日七年越しの再会したばかりの幼馴染み其の壱、「チカこと」大山智香だった。服の上からも感じられる、細く健康的な手は扉日金のインターホンへと伸ばされており、綺麗な指は年月で色褪せた呼び出しのボタンに触れるか否かの状態で停止していた。

 彼女は今、昨日は脱ぎかけていた制服をきちんと身に着けてそこにいた。暗みの薄い紺を基調としたブレザータイプの制服で、金色のボタンや僅かに見える白のワイシャツや、それを引き締める赤のリボンネクタイが映える構成となっていた。スカートは赤と黒のチェック柄で、それほど眩しい色合いではなかった。

 彼女という一人の美少女が着ているからか、……正直、羨ましくなった。

「朝早いんだな」

 だからだろうか。つい、誤魔化すようにそう言ってしまった。

 ――――「似合ってる」と一言言えれば良いのに。

「や、約束してたでしょ…………だから来てあげたのよ」

 実は俺とチカは、昨日の帰り際に今日は一緒に学校に登校しようという旨の約束をしていた。

 それでどうやら痺れを切らしたチカが迎えに来てくれたらしい。

「いや俺がそっち行くって昨日言ってなかったか?」

「遅かったからよ」

「はぁっ!?」

 先程リビングを出た時に見かけたアナログ時計では午前七時を数分過ぎた辺りだ。新調したばかりのものなので時間がずれているワケではないし、確か昨日聞いた時には八時半までに着けばいいとも聞いていた。

「なんでさ? 今日は八時半までに着けば良いんだろ?」

「そうだけど…………………………はぁ」

「?」

「……アンタ、転校生だって自覚ある?」

「あるに決まっ――」

「……成程な」

「そう。だからアンタは普通より早く行かなきゃ駄目でしょ」

「そうか…………スマンな、そこまで気を回してもらって」

「別に、アンタに気を回してっていうより、その……」

「?」

「な、なんでもないわよ」

 なんだなんだなんなのさ。

「そう言われると逆に気になるんだが」

「そういうのはいいから。さ、じゃあ行きましょ」

 さっさと会話を打ち切ってしまったチカはくるりと明日葉家に背を向けると、スタスタと歩き去ってしまう。

 思わず俺は呆気にとられてしまうが、

「え、あ…………って、ちょっと待った」

「? 何よ?」

「いや、ミサは誘わないのかなって思っ――」

「言うと思ってたわよ」

 だから――とそこで一旦区切り、数瞬の間を空けてからチカは言った。

 親指で我が家とは対面に位置する家を指差して。



「だから行くって言ってんのよ――――ミサの家に」

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