第三話 『再会』と「散々」
実はこの回、保存しようとしたらPCがフリーズするとかいうあばばばば。
……なので地味に徹夜です。内容のプロットは残ってたので後は表現の不具合でしょうか。中々勝手が解らないものです。
それでは第三話です、どうぞ!
どんな「再会」が理想的なのだろうか――――
突然アポなしで「やっはろー!」と挨拶すれば良いのか。
同じ高校だったら転校生として驚かせてやれるかもしれない。
――――なんて考えてた時期が俺にもありました。
正直、というか普通にこの発想はなかった。
というかどういうことなの。訳が分からないよ。
# # #
「え、あ、」
説明しよう!
今の俺はかつての幼馴染みに、その姉と(相手からすると)見も知らぬ女の子に左右から抱きつかれた、両手に花☓華な状態で遭遇した。してしまった。
誰でも理解できる。――――これは非常にマズイ、マズ過ぎる。
俺、ここに戻って来てから大して時間経ってないのに、何だって昼ドラの第四話辺りの展開を体験しているのは何でなのでしょうか。しかも誰とも恋仲でさえないのに(一人なんか実妹だしな)これから地獄が待ってるとか尚のこと性質が悪いわ。
……『固〇時制御』を使ってた切〇ってこんな感覚だったんだろうなぁ、とか思いました。
とにかく落ち着こう。素数だ、素数を数えるんだ。
……俺はいいもんだ、俺はいいもんだ…………。
「んな――――――――」
滝のように汗が流れる錯覚すら覚えながら、
「やぁ。久し振り、チカ」
努めて笑顔で。
口をパクパクしてフリーズしている幼馴染に俺は説明を始めた。
「いや、えっと、あのですね?コレは、その……あ!そう、ごご誤解!誤解なんだよ!!右手は妹の希で、えー、左手はチカのお姉さん。あ、それは知ってるか、あはは――――え?アレ?ちょっとチカさん何処へ行くんです?お、おーい!聞いてるのー?ホント、ってちょっと待って全速力でこっち来ないで!普通に轢かれるから!!『残酷な表現あり』タグが増えちゃうから!!!死ぬ、本当に死んじゃうからぁあああああ!!!!」
「死ねぇええええええええええええええええええええ!!!!!!」
「そんな性格だったのぉおおおおおおおおおお!!?」
問答無用の死刑宣告(物理)が言い渡された。
※良い子は真似しないでね☆
# # #
大山家リビングにて。智香母に「あら久し振りね!(中略)ゆっくりしてって頂戴」なる言葉とコップ一杯の麦茶を渡されながらも、俺は首に「わたしは馬鹿なことをしました」と書かれたプラカード(よくあったなこんなの)を掛けられて正座をしている。否、(正座を)強いられているんだッ!!
そんな俺をお構いなしに、彼女たちは「仲良く」談笑していた。
「ちょっとお姉ちゃん!コレはどういう事よ!?」
「あら、お母さんから聞いてなかったかしら?今日とおるクンがこっちに戻って来るって話」
「それは聞いたわよ!予想より早くて着替えたりする時間がなくてゴニョゴニョ……って違う!!」
「そうよねぇ。智香ったらいつも全然やらない癖に先週位から自分でもよく判ってない化粧品を買って――――」
「しょしょしょれは今の話と関係ないでしょ!!?」
「んも~、顔なんか真っ赤にして噛んじゃって~」
「兄さん、こんな人間本当にいるんですね。天然記念物じゃないですか。希、ビックリです」
「だから関係ないでしょ!!!!って、「兄さん」!?アナタ、誰よ!!?」
……談笑ったら談笑。一人は顔真っ赤――――リンゴみたいだ(他人事)――――にして叫んでるだけだけど。
というか希。お前は一体何を言っているんだ。
「ちょっと……えっと、トール?それとも透君って呼んだ方がいい?」
「トールでいいよ。久し振りだな、チカ」
「そ、そう、久し振りね…………って騙されないわよ!トール、アンタこの娘とはどういう関係よ!?」
「いや、只の――――」
「女です」
「性別はね!この局面でそれは止めてくれ希!!ホラ、何かチカから母さんと同じ瘴気が出て来たから!!」
何か後ろに金剛力士像が投影されているかのような気迫が出ていた。ス〇ンド扱いでもいいかもしれない。ついでに俺はこの瞬間に魂レベルで敗北を悟った。ソースは我が家のヒゲ。一日足らずで円形脱毛症とか未だ若い(つもりの)俺はなりたくないのである。この年でハゲは気にしたくない。
「で、どうなのよ」
羅刹が話しかけて来たので閑話休題。
「だから俺の妹の希だ」
「以前は夫がお世――――ムガムガ」
「ちょっと黙ろうなー。……チカが記憶にないのは当時コイツは入院してたからな。完全に治ったのも俺が中学上がった頃だし」
「…………。本当に?」
「何故この状況で、しかもお前に嘘つかなきゃいけないんだよ。何なら戸籍でも確認いてきたっていい。こいつはた・だ・の妹だ」
ちなみに俺らの一つ下な、とまで説明して、やっとこ理解を得られた。
「成程ね」
「解ってくれたか?」
「ええ。それさえ解ればもうさっきの件はもういいわ」
危機は完全に去ったようで、首にぶら下げられていたプラカードも外してくれた。
なので今度は俺が質問する番だ。
「お前、高校は何処だ」
「上ヶ崎第一高校よ」
上ヶ崎一高。この住宅街から自転車で数分の所にある駅前のそこは県立でありながら進学率を他の私立を差し引いてぶっちぎりの一位だったりする。自慢だが、俺の転学先でもある。
まぁそんな事はどうでもいい。つーかチカって頭良かったんだな。俺ぁビックリだよ。
「へー、凄いじゃねぇか」
「そ、そうかしら」
チラチラとこちらを横目で見てきて呟くチカは何処か嬉しそうだった。犬の尻尾みたいに解り易い。そんな彼女を見て思う。
流石は七年、と言うべきか。
学校帰りなのか黒いニーソックス(おお!)が更なる魅力惹きたてる引き締まったおみ脚。日焼けとまでは言えないが健康的であるのは間違いない瑞々しい肌。ホクロ一つない顔に彼女の凛々しかった雰囲気にピッタリなツリ目。艶のある腰まで伸びた黒髪。やや(女子にしては)高めの身長。この違いはあれど、しかしココは姉妹なのか、端正な美しさがあるのは同じである。
身内贔屓じゃないが、コレで素顔とか世の女性を敵に回しそうだ。
余談だが、そこそこありそうな紺の制服を膨らます『それ』があるのも相俟って、なんか委員長とかやってそうだなコイツ……。
もしかして: 古〇川唯 ?
「ちょっと何ボーッとしてんのよ」
「あ、いや、何でも」
おっとマズイ。流石に没頭し過ぎたか。何にだよ。
チカはそんな俺の邪な批評に気付かず(気付かれてたらアウト過ぎる)、補足するように言った。
「…………あ、一応可れ、ミサも学校は一緒よ。後さっきトールが来たってアッチにLINEで言っておいたから」
「そりゃどーも」
へー、ミサもかー。と言いつつもコッチは納得なんだけどね。
…………ん?……アレ、ちょっと今コイツ何か言いかけなかったか?
おい、とチカに尋ねようとすると、寸でのところで彼女自身の言葉で遮られた。
「そろそろかしらね」
その直後だった。
――――――――ピンポーン。
大山家にインターホン独特の音が鳴り響いた。
見た目は古〇川、頭脳は〇琴――――その名も、幼馴染み・智香!
(これは酷い➝作者の頭)
……はい、という訳で幼馴染みその一の登場です。どうだったでしょうか?
この場合はハレンチ耐性どうすればいいのでしょうか(ゲス顔)
ところでこの『おさどう』、文量はどうでしょうか?
個人的に3000字程度を目標にしています。
軽めに、暇つぶしに、(私を)慰めに寄って下されば幸いです。
…………『慰め』って字、結構エロいね!(台無しだよ)
お読みいただきありがとうございました。
※誤字脱字表現の誤り等がありましたら感想にてご連絡ください。
随時修正致します。
引き続き、『おさどう』をよろしくお願い致します。