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幼馴染同盟 ~Are you BEST FRIENDs?~  作者: アオハル
00.ProtoType――試行錯誤(中途)
19/143

≪夏熱≫【下】

 先に言っておきます。

 【下】じゃ収まりきらなかったので明日【extra】を出します。

 そしてお盆中でここんところ忙しいので、もしかすると明日はそれ1話だけの掲載になるかもしれませんが出来る限り頑張ります!なので見捨てず明日『から』もよろしくお願いします!

 

 では、行っくで~!(????風)

 目を開くと見慣れない天井が俺の視界に入ってきた。

 

 

 

 頭がもやがかかったようにボンヤリしている。

(何処だ――……あぁ、そうだ、)

 疑問が湧いた直後にココが俺と女子四名で来た辺鄙な海の救護室だと思い当たる。

 『〇マガミ』だったらバットエンド直行待ったなしになる盛大な事故セクハラをサチにかまし、それから世界が狙えるアッパーカットを放たれ轟沈したんだっけか。

 アレは原作三巻の〇条さん、あるいは『〇AILWARS!』の〇井の恒例のソレを彷彿とさせてくれる攻撃だった。あまりの衝撃(物理)に意識の落ちる直前の記憶に中々に綺麗な残像が刻まれてしまったようだ。パンチ(物理)効き過ぎぃ!!

 まぁ、

(微かな柔らかさといい、あの鉄面皮サチの赤面はとてもレアで可愛らしかったな……こんなんだから俺は救護室送りになったんだろ……それよりもよく生きてたな俺)

 こんな思考回路なら当然と納得の処置ではあるが。

 思い出したように殴られた顎をさすってみれば、ほんの少しだが痛覚として神経を刺激していた。腕と腰がヒリヒリしたのでまず腕を見ると赤く紅葉の跡が、腰には砂がそれぞれついていた。どうやら俺は引き摺られて救護室ココまで運ばれたらしい。流石にそこはお手柔らかにしてくれよ本当。

 

 

 

 ボンヤリした感覚も幾許いくばくか治ってきた。

 寝かされていた枕元に妹が置いてくれたのか腕時計があったので拾って時刻を見ると、意識を落とす前に知った時刻から三十分過ぎたところを針が指し示していた。

 俺は気怠く立ち上がると、救護室の出入り口の暖簾のれんくぐる。

 

 

 

   # # #

 

 

 

 救護室から出ると、閑古鳥の鳴いている声がリアルタイムで聞けそうな海の家の食堂が広がっていた。そんな畳の敷いてある場所で女性四人は簡素なテーブルを仲良く囲んで昼食を堪能し終えていた。否、堪能し終えていやがった。

 ……えー、俺が目を覚ますまで待ってくれなかったのかよ……。

 妹とチカなんかさも美味しかったですみたいなツヤツヤした顔しやがって、俺に独りで食べろと言うのか……仮にも男女比一対四だぞその利点を生かすチャンスじゃないのかよ畜生。花より団子過ぎるよ君達。

 俺がテーブルに近づくと、お疲れなのか突っ伏している一人ミサを除いて他の女性陣は気づいたのか俺の方を振り向いた。正に見返り美人。

「…………どうも、お目覚めですか変態さん」

 薄汚いゴミが視界に入ってしまったかのような表情でお送りされてしまった。提供の『〇ION』の洗剤でも綺麗にならないよね的な絶対零度な視線もセットだった。お盆にさえ要らないお中元だった。

 ナチュラルに人権侵害されたので流石にそれは否定させてもらう。

「スイマセン拒否権を発動したいのですが」

 するとサチの向かい、ミサの隣に座るチカがこれまた冷たい目で言ってきた。

「聞いたわよ。……今のアンタは常任理事から除外されてるわよ」

「……さいですか」

 日本の気持ちがちょっとばかし解ったかもしれない。

 で。妹は何を思ったか、

「いいぞもっとやれです」

「何でお前はここで燃料を投下するかなぁ!!?見ろよあの二人、その台詞の所為で俺を親の仇みたいに睨みつけ始めちゃったじゃねーか!!!!」

 目をキュピーン!と輝かせてぶっちゃけやがった。

 阿形吽形揃い踏みじゃねーか。仁王の怒りをいい値(≠言い値)で買っちゃうとか人生で中々、ってかそんな経験絶対いらねー。

 面舵いっぱい、話を全力で逸らす。

「で、ココの何食ったのさアナタたちぁ」

「見て判らないんですかセクハラさん」

「もうそっから離れよ――いいいや罪の意識がないとかそういう事じゃなくてですよ!?」

 『〇ろ剣』の鵜〇刃衛みたいに睨まれた。

 

 

 

 閑話休題けっきょくのところ

 紆余曲折の末、俺は焼きそばを注文して食べた。砂は混じっていなくて普通に美味かった。

 ……女性陣は目の前で気持ち良さそうに寝ているミサを起こして遊びに戻ってしまった。

 「アレ?トール君は?」と俺に声を掛けてくれたのはミサだけだった。二重の意味で泣きかけた。

 

 

 

   # # #

 

 

 

 そそくさと食べ終え海の家を出ると、再び強い日差しが俺に襲いかかってきた。

 顔を顰め手を翳しながらキラキラと光を乱反射せ眩しく輝く海の方を見ると――――いない。

 来た当初灼熱の鉄板のように感じていた砂浜の方を見やると女性陣はそっちで何かやっているようだった。逆光で見えないので近づく。コンクリートの床から砂浜に踏み込むと足が焼けるようだ。

 近づいて解った。あいつらは(俺が)持参してきたネットを設置してビーチボールでバレーしていた。勝手に使ってやるなとツッコもうとして――止めた。

 いや凄いわ、二人共チカとミサ。揺れる揺れる。思わず生唾を呑みこんでしまう。ってかアレ豊作VS絶壁で戦ってる感じじゃ「グゴハッ!!?」痛っ!!

 阿呆な事を考えていたらボールが凄まじい勢いで俺の顔にシュートされた。

 もんどりうってると、誰かが声を掛けて来たので上を向く。

「あぁ、邪な気配がしたので打ってみたら……変態さんですか」

 無表情な顔で言って跳ね戻って来たボールを手でパンパンと叩いて砂をはらっているのは言わずもがなサチだった。

 俺はすかさず言い返す。

「んな事言ったって俺ぁあの時チカに沈められて酸欠状態だったからよく判んなかったんだよ。つーか褒めて顔真っ赤にしたお前がウグハッ!!!!」

 歴史は繰り返された。いやコレ完全に口封じだろ。というか弁明させろよさっきから酷くね?顔に集中する痛みともんどりうった時に砂の上を転がって熱に焼かれた痛みに救護室での反省は何処かへ旅立って行ってしまった。要するに逆ギレモード。

 ――――痛みとか暑さとかで頭が湧いたのではないかと今なら思う。

 

 

 

 鋭い痛みのはしる鼻頭と背中を摩りながら、涙目でいじめられっ子のような顔で俺は言った。

 …いいぜ、テメェがそう思ってんなら。

「ってぇえぇ…………ょし決めた、決めたぞ」

「「「「はい?」」」」

 女子全員の声が重なる。

 

 

 

「俺チームVS水無瀬幸チームの二対三でバレー勝負!勝った方は負けた方に言う事を一つ聞かせられるってのはどうだ!!」

 まずはその幻想をぶち殺す!!(cv明日葉透)

 

 

 

 ――――俺は高らかに荒唐無稽な事を言い出してしまった。

 

 

 

 ――――この発言が一つの惨劇を呼ぶなんて、この時は思いもしなかった。

 本編で真面目な(つもりな)主人公が……。

 

 関係ない話ですが最近になって『〇法科高校の劣等生』の新旧両方のOPにハマりました。疾走感が良いよネ!コレを聴いて夏頑張りまーす。

 

 お読みいただきありがとうございました。

※誤字脱字表現の誤り等がありましたら感想にてご連絡ください。

 随時修正致します。


 引き続き、『おさどう』をよろしくお願い致します。

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