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幼馴染同盟 ~Are you BEST FRIENDs?~  作者: アオハル
00.ProtoType――試行錯誤(中途)
16/143

≪夏熱≫【中】

 『〇分上々』を聴きながらの執筆。イキリタツ!

 

 では中編、スタートだ(有紀さん風)。

【現在(10:04)の状況】

>参加者…5名(明日葉透トール明日葉希のぞみ大山智香チカ三咲可憐ミサ水無瀬幸サチ

 

 内、

>脱落者…1名(水無瀬幸)

 

 

 

 午前十時過ぎ。

 現在の気温を携帯電話で視てみると、三十七度。……コレって日陰の温度なんだよね。もうヒトの体温じゃん、しかも微熱の。本格的に干乾びるぞ。あーあー陽炎も出ちゃってるよ。

「「「…………」」」

 俺らは砂浜てっぱんの上で焼かれて嫌になっちゃいそうだったのですぐさま持って来ていたビニールシートを敷いてパラソルを開く。この時ばかりは息ピッタリだった。三人だけだしねマトモに動けたの。一連の準備が終わってから、いまだに夢の世界に飛んでったミサを柏手を打って帰還させる。

 後は女性三人に脱落者サチの看護を任せ、俺はその場を退ける。

「いやだって、汗とか拭くんだろうし、その、ねぇ……?」

 遠くに離れたついでに海の家に更衣シャワー室やトイレ、救護室がある事を確認しながら一人呟く。俺は紳士なのだ。惜しいなんてこれっっっっぽっちも思っていないのだ。

 突然の意味不明な独り言に海の家にポツンと佇むおばちゃんに首を傾げられたのだが、まぁ、ご愛嬌という事で。

 そんなこんなで終わった頃を見計らって、俺はシートの所へ足を向けた。

 ……悩ましい。

 

 

 

   # # #

 

 

 

 戻った時には処置は終わっていた。

「……別に悔しくないよ?」

 三十分後、俺ら四人は既にグロッキーなサチを救護室に預け、更衣シャワー室に向かった。俺は一足先に着替え終わり、一人女性更衣室の入り口から少し離れた所で他三名を待ちながら思う。

 やはり普段着より水着の方が快適だ。とはいえ自分が痩せ形だと自覚している俺は上に緑のアロハシャツっぽいのを着ているのだが。コンクリート剥き出しの床を先程より小さめのパラソルの先でグリグリして呟く。

「乙女か俺は」

 呟いた直後だった。

「一体何の話をしてるのよアンタは」

「お待たせしました兄さん」

「…………っ、」

 三者三様で本当の乙女が登場してきた――――ゥワァオ。

 

 

 

「It’s beautiful……!!」

 ――――常夏に『女神』が降臨していた。

 

 

 

「イキナリ何で流暢に英語なん――――アンタ、その雫は何!?もしかして泣いてるの!!?」

「ひぇっ!?だだ大丈夫トール君!!?」

「兄さんは私達美少女の水着が観れた事に感激してるんですよ」

 妹がいらん事言いよった、ってか自分で美少女言うなやとか文句を言いたかったが事実そうな上に反論する時間が惜しかったので俺は何も言わずただ彼女達を鑑賞する。否、させていただく。俺の株価がバブル崩壊してそうだが些細な事だ。

「な、何よ……」

 まず――――大山智香。

 長い黒髪を青のゴムで束ね、ポニーテールにしていた。そこまでは通常運転。

 それを鮮やかな青さのビキニ――バンドゥトップで健康的な肢体をこれでもかと見せびらかしていた。色気というより凛々しさ、「カッコ可愛さ」を演出していた。(良い意味で)しっかり多めにある二部分とビキニの相性の良さに顎が外れる勢いだった。涼しくも神々しさすら感じさせてきて絶句してしまう。息を呑む音が俺の喉から鳴っていた。

「ぁ、う……」

 次に――――三咲可憐。

 栗色の髪を赤いリボンでおさげにしている彼女はピンクを基調としたパレオ水着を身に着けていて、天然な扇情感と包容力を醸し出していた。

 そして、そして!(重要なので二回)水着なだけあって、強烈なお胸様がプッルンプルン(発音注意)していらっしゃった。ホント強烈マジありがとうございましたごちそうサマンサとか割とアホな文句が頭を横切り、ついで俯きがちに頬を朱に染めてコチラを見つめる様に撃墜させられた。いただきますしたい願望は人生最大の理性を振り絞って潰した。本当にこれは(俺が)アブナイ。具体的には現金に生唾を呑み込む位。

「兄さん?」

 そして――――明日葉希。

 やや伸びる黒髪はそのままに、白の生地に映える緑の四葉のクローバーがプリントされたワンピース水着に包まれる妹の姿はいつも以上に可愛らしく、それでいて美しく飾られていた。平均より幼い体躯と白い肌が一層際立っていた。とはいえ泳ぎに行ったらよく見る姿だし、何より妹だし……。俺はロリコン共でもなければシスコン軍曹でもない、ただの紳士だ。

「ふぅ……」

「何よ今のアヤシくてヘンな視線は!?」

「ぁぅうぅぅ~~~~っ…………」

「ちょっと待って下さい兄さん私だけテキトーじゃないですか」

 神様、今年の夏を感動スぺクタル超大作にしてくださってありがとうございます!!

 この日ばかりは「奇跡」という単語を信じる事が出来た。

 

 

 

   # # #

 

 

 

 それから俺達は飛び込むようにして(俺は蹴り入れられて)海に入り、仁義なき水かけ(物理)戦争を開始した。どの位の無慈悲っぷりかというと、俺に関しては女性三人に持って来ていた中でも高性能の水鉄砲etc…で集中砲火を浴びせら呼吸不全に陥れられた後にチカに本気で沈められた(物理)ほどで、水責めの有用性を文字通り肌で体験した……何かコレは違くね?

 そういう事で俺は酸欠気味の頭で足をシートの場所まで来て、力尽きたように「きゃっ!?」シートに倒れ込んだ。

 ん?シートにしては柔らかいし微かなふくらみも頬に当た……る…………し?

「いたたた……」

 声がする方へ顔を向けると、

「な、何ですかいっ……た…………い?」

 

 

 

 あ……ありのまま今起こった事を話すぜ!

 『シートに寝転がったと思ったら女の子(サチ)の上に覆い被さっていた』

 な……何が起きてるか解らねーと思うが、俺も何が起きたか解らねぇ。仕方がなし(事故)とか不幸中の幸い(ラッキースケベ)とかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……。

 復活してパラソルの下で本を読んでいた(歪みねぇなオイ)らしい彼女もしっかり水着に着替えて来ていたようだ。黄色の紐が特徴の黒と白の横縞(やっぱり縞々好きなんですね!)セパレート水着でスレンダーさを強調していた。頬に当たる「ふくらみ」からも判るが、コイツない訳じゃないんだよなってかコレが良い!!第四、いや第三の女神が遅れての参戦だーっ!!!!

 俺の心の絶叫はともかくとして、今パラソルの下は沈黙に包まれていた。珍しい事に、サチは驚いた顔のままさながら体温計のように顔を真っ赤にしていった。余計可愛く見え、

「お前、やるじゃん!!」

「…………はい?」

 …………声に出しちゃったみたいですねー、あちゃー。

 よし、もう強行突破だ。

「いやアレだよお前も水着着れば綺麗だねっていうか別に不足はないと思うかサチにはこの品質プロポーションを是非とも維持していただきたいとうかいただきますしたいというかゲゴガフッ!!!?」

「~~~~~~!!!!!!」

「ちょ、馬乗りとか二十の意味で止めグハゴフゴホガハオボッ!!!!!!」

 

 

 

 結論。

 今度は俺が救護室行きになりました。

 

 

 

【現在(12:27)の状況】

>参加者…5名(明日葉透・明日葉希・大山智香・三咲可憐・水無瀬幸)

 

 内、

>脱落者…1名(明日葉透)

 この回を書くにあたり、ネットで「水着 女性」と〇ahoo!様にお伺いする泣いてる作者の姿が見れたとかそうでないとか。何が楽しくて水着『だけ』を調べにゃならんのか……この履歴以前に悶死出来る材料はこのPCに眠りまくってるんですけどね。

 

 お読みいただきありがとうございました。

※誤字脱字表現の誤り等がありましたら感想にてご連絡ください。

 随時修正致します。


 引き続き、『おさどう』をよろしくお願い致します。

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