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幼馴染同盟 ~Are you BEST FRIENDs?~  作者: アオハル
00.ProtoType――試行錯誤(中途)
15/143

第十話 「下校」

 前回ですが、投稿前にある程度は本文は直しました。が、如何せん後書きを直しそびれるという。……熱は言い訳にならないっちゅーに。

 

 そんな訳で主人公のサド回、始まり☓2~。

 キーンコーンカーンコーン。

『本日の下校時刻となりました。生徒は速やかに下校して下さい。また本日は北校舎も施錠されますので自習室は使用出来ません。繰り返します――――』

 

 

 

 放課後を知らせる放送チャイムの音が響き渡る。

 俺も例に漏れず今日は家にまっしぐらに帰ろうとして、ふとある事を思いつく。

「久し振りに一緒に帰りたいな」

 言うが早いか、疲れ切って真っ白に燃え尽きそうな体に鞭打って二人を探す。周りに訊いて回るのはナンセンスなので携帯電話を…………あ。

「まだメアド交換してないじゃん」

 今明かされる衝撃の真実。頭に浮かびかけたベ〇ターを片隅に引っ込めて逡巡する。

「……今日は一人で帰るか」

 待ち伏せするのは引かれそうだしな、なら諦めよう――――俺はそう結論づけ、体育館の裏手にある駐輪場に向かう。見慣れた緑色の自転車を見つけ、ポケットに入れていた小さな鍵でロックを解除し、手、いや足慣れた(・・・・)動作でスタンドを外す。またもや慣れた動作で跨り、ペダルに足をのせ、体重を掛ける。少しずつ漕いで速度を上げ、校舎を挟んだ向こう側の門まで向かう。

 門まで来たところで見知った二人を見つけた。チカとミサだ。

 二人で何かを喋っていたようだが、ミサが俺を見つけチカの肩を叩くと二人で近づいて来る。俺はブレーキを掛けた。

「お疲れ様ですっ」

「遅かったわね」

 対称的な台詞を掛けてくる二人。いやいや対照的過ぎるでしょ!

 というかもっと大事なところにツッコもう。

「誰のせいだ誰の」

 意識が戻った時には既に体育館が見えるところまで引っ張られていたようだ。制服が皺になるだろと涙目で訴えるも無視され、そのまま元いた紅白幕の釘打ち作業の場にポイされ…………それからはチカの監視の下、長々とトントントントンワシントンさせられた。

「ごめんなさい……」

「違う、そうじゃない」

 何を勘違いしたのかミサが申し訳なさそうに謝ってきた。そんな健気な上目遣いで謝られたらこっちが申し訳なく感じてしまう。寧ろ叱っ――何でもない。あの時チカの後ろに隠れたのもチカが怖かった(うんよく解るよ)からだと後からこっそり耳打ちしてくれたし、彼女は悪くない。

 だからといってミサじゃないんだよ悪いのはそこの委員長あくまなんだよAHAHA、とは言えないのだが。俺だって命が惜しいのだ。だからジト目に留めて話を逸らす、いや本題に入る事にした。

「というか、待ってくれたのか?」

「久し振りに三人で帰りたいなぁってチカちゃんが――」

「わーわーっ!!?」

 何の話か解らんがどうやら彼女達も同じ考えだったようだ。

 正直、二日間ともマトモな状況で言葉を交わしてなかったので俺だけ「違う」のかと思っていた節があった。どんな距離感で接すれば良いのか判らなかった。

 俺は嬉しかった。

 思わずといった調子で笑みが零れてしまった。声が出てたのか二人が不思議そうに(片方は顔を真っ赤にして)振り返る。

 俺は二人を見つめて、言った。

「んじゃ、帰るか」

 

 

 

   # # #

 

 

 二人は歩きだそうで(ようやるわ)、俺も自転車から降りて横を歩く。

 七年振りの幼馴染みとのマトモな会話はかなり楽しかった。

 まず朝いなかった理由を訊かれ、かくかくしかじかと話せば、

「馬鹿なんじゃないのかしら?」

「ごめんなさいフォロー出来ません……」

 とどちらも可哀想な目で答えてくれた。弁護人サチを要求したい、がアイツは八割方俺を弾劾ばとうしてくる恐れがあるので止めよう。

 そうだ、肝心事をば。

「ミサって何処のクラスなんだ?」

「えっと、三組です」

「「…………え?」」

 チカと一緒にポカーンとなる。え、だって朝どころか昼も廊下でしか会ってないですやん。

 思わずそう返すと、顔を俯かせ始めた。え?

「あぁ、成程ね」

「え、何さ何さ」

「……それ以上はセクハラよ」

 チカは合点がいったようなので尋ねると唐突に変態認定された。何故だし!?と目を丸くしたが視線が寒気を感じさせてきたので納得いかないまま疑問は呑み込んだ。

 何はともあれ一緒なんだとさ、やったー。

「なら同じクラスでもよろしくな」

「う、うんっ!」

「あ、ちょっと待って」

「何だ?」

 チカがモジモジしながら言い辛そうに言葉を紡ぐ。

「実はその……クラスでは私……ぅ」

 手をわちゃわちゃさせて言い淀んでいる、が言いたい事は解った。

 今から俺のターン。

「アレだろ?クラスじゃ涼しい顔で委員長してる『雪女』だからその体で接して頂戴って事だろ。解ったって安心しろよ、誰にも言わないって。寧ろお前が俺の知らない七年でクールキャラをコツコツ積み上げてきたなんて健気じゃないか――」

「~~~~!悪かった!!今日は引き摺り回って悪かったわ!!!だからこれ以上は止めて!!!!」

 涙目だった。ちょっとゾクゾクした。何コレ超楽しいんですけど。ニヤニヤしたくなる気分を抑えて俺は努めて真顔で言う。

「何だ、違うのか?てっきり俺は――――」

「そうよ!合ってるわよ!!……う~~~~!!!」

 あ、ヤバい。イジり過ぎた。頭抱えてしゃがんでマジ泣きしそうになってる。何だか犯罪者になった気分に陥って、慌てて弁明を試みる。

「す、スマン、ちょっと弄るの楽しかったというか……アレ?」

 弁明失敗。本心だだ漏れじゃねぇか。

 ユラリと立ち上がるチカ。顔を下に向けプルプル肩を震わせている。

「え、えっとぉ……そのぉ……」

 俺が言いあぐねていると、チカが何か言った。

「ば、」

「「”ば”?」」

 ハモる俺とミサ。

 チカは俯きながら息を思いっ切り吸い込むと、

 

 

 

「馬鹿ぁああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

 地域一帯に轟く位に叫んで逃げるように先を走って行ってしまった。

「流石に言い過ぎです……」

 顔を引き攣らせたミサにそう言われ、連鎖的に凹んだ。

 具体的には近くの電柱に依り掛かって反省中のサルみたいになっていた。

 

 

 

 ……だってメアド訊く前に逃げられたんだもの。

 

 

 

   # # #

 

 

 

「で、では私はこれで」

「あ、あぁ……悪かったなさっきは」

 勿論チカを泣かせちゃった事だ。

「チカちゃんにも謝ってくれたら許しますよ」

 そう言ってミサは無邪気に微笑み、自宅の中へ入っていった。あれから地味に空気を巧く説明出来ない気まずさが漂っていたが、ミサとは何とかメアドの交換は出来た。

 本日の成果に満足しながら俺も家に入る。懐かしい芝生の匂いを噛み締めながら玄関の鍵を開け

「ただいまです兄さ、ってどうしたんです?」

 ようとしたら向こうから開けてくれた。お陰で鼻っ端を盛大にぶつけ、もんどりうっちゃったじゃねぇかこの野郎!睨もうにも目には涙しか溜まらないのだが。

「ひゃんと確認ひてはら開へまほうね希ひゃん」

「大丈夫です。兄さんなら気配で判ります」

 何その『〇ンハン』もビックリな察知スキル。自動マーキングかよ。で、俺は回避性能―1か。悔しいが納得しながら玄関で靴を脱ぎ、洗面台へ手を洗いに行く。

「あ、そうです兄さん」

「ん?」

 『〇レイキレイ』で手を洗いながら話を促す。

 大した内容でもなさそうに、妹はニコニコして言葉を続けた。

 

 

 

「実は明日の入学式の件で頼みがあるのです」

 ……大した内容っぽいですねぇ。

 日付が進まねぇえええええ!!!!

 そうそうそれでですね?以前本編(第五話)で『〇リオカート8』をプレイした描写がありましたが日付的におかしい事に今更気付く作者アホがココにいます。

 テヘペロ☆(←キモっ)

 

 お読みいただきありがとうございました。

※誤字脱字表現の誤り等がありましたら感想にてご連絡ください。

 随時修正致します。


 引き続き、『おさどう』をよろしくお願い致します。

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