第08話 くじゅう・b
あ、暑い……!
ですが日差しがどこか黄色いような気がして……。
やっぱり秋に向かってるんだなぁと今更ながら思いました、まる。
あと今回も展開という展開はないという。
もはやこれが恒例というね……。本編ってなんだっけ(・ω・;)
「……あ、あのさ」
「……な、なんでしょうか」
コトリ、と湯呑みを置く硬質な音がそう狭くない筈のリビングに響き渡る。そのくらいこの一室は静まり返っていた。同じ場所に四人もいるとは思えない無音っぷりに俺も、おそらく目の前の少女も緊張する事しきりだった。
「そ、そんな緊張しなくても大丈夫……だよ?」
「な、なんで疑問形なんですか……」
吠えんばかりの警戒心の宿るその黒い瞳は、まるで犬のような印象を与えてくれる。瞳と同じくらいの黒さを称える長めの髪は三つ編みにまとめており、今も掛けているフレームが細めの眼鏡と合わさって、見る人に『こいつは間違いなく委員長だ』と確信させてくれる。
現に妹にフランクな感覚で招待されてやって来たのにも関わらず背筋をピンと伸ばして椅子に座る姿とか、まさにそうだった。服装も天気を意識してか白の半袖(?)に長袖の薄手の上着(こういうのをジャケットって言うのかな?)を羽織っており、下は青いジーンズと色合い的にも性格に沿ったように大人しめにきめていた。
そんな『委員長属性』『大人しい』といった雰囲気は出ているのに、依然として俺を見るその眼差しの険しさは変更がなかった。むしろ、動揺が如実に表れている今の発言で一層警戒のレベルが引き上がったと言っても過言ではない。
……何をしているんだ俺は。
「兄さんの言う通りです。兄さんはケダモノですが所構わず襲い来る欲望の化身ではありません。そこまで命の危険を覚える必要はないのです」
「ちょちょいちょーい」
「?」
「『?』じゃねーだろ。おかしくね? 俺の紹介」
呼んだ張本人によるフォローかと思いきや、更に外道一歩手前のレッテルまで貼られただけだった。完全に冤罪だ。
「そこまで」じゃねーよ、そもそも無罪だよ。
「……昨日はサチ姉さんと一緒に寝たのに?」
「お前ええええええええええっ!!!!」
純真無垢そうにとぼけた顔で平然と言ってのける、希が一番の外道だと確信した瞬間だった。
一方、
「えっ…………」
訪れた後輩、ドン引きである。
また口を付けていた湯呑みを静かにテーブルに置くと。
「……お邪魔しました」
「待て待て待て待て!!」
先程の緊張から一転して、椅子を引いて冷静な顔つきでこの空間から脱出しようとした後輩へ、言われのない罪だという事を説明するのにそこから数分を要する事となった。
なお、外道による爆弾発言において一番の被害者は……。
「…………………………、」
水槽の金魚のように口をパクパクと開閉するだけで、フリーズを起こしていた。
一緒に否定してくれって……。
観て来ました! 『天空の蜂』!!
ついでに買い物も済ませられました、これで勝つる!
……ちなみに。
服装に関してですが、ぶっちゃけて言えばテキトーです。
雰囲気で伝われば良いナー程度で、頭に浮かんだものをポンポン書いて(時には一応検索かけて)いる感じです。
うーん、画像検索で使用されてる服の名前が判れば完璧なんですがね。
地道に覚えていくしかないかー……。