表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染同盟 ~Are you BEST FRIENDs?~  作者: アオハル
02.Cold-en weaks _Do you know?_
131/143

第08話 くじゅう・a

 あ、曜日感覚は2015年のものですが、天気とかはテキトーです。

 確かこんな感じだったかなーって書いてます。いつもの事ですね!


 朝の雨は少しの時間だけしか降らなかったようで、朝食を食べ終えてリビングの窓から外を見てみた時にはすっかり止んでいた。ただ曇天であるのは変わりないので、昨日とかと違って今日は外に洗濯物を干すのは控えた方が良さそうだった。

 そんな、路面のアスファルトの水気が乾き切っておらず、やや肌寒い空気が換気した傍から部屋に流れて来るような中。

 明日葉家の玄関に、珍しくも静寂が訪れていた。

「「…………、」」

 玄関で相対する二人による気まずい沈黙が、空に広がる雲のように周囲に重く漂ってゆく。俺と相対して、扉を開けた先でじっと佇むこのこそが今日妹が呼んだ友達らしい。妹はなんだかんだ同性の友人を作るのが非常に上手いのは今更な事実なのだが、それでもこうして友人が実際に来ると、胸に何か込み上げてくるものがあった。

 の、だが。

「あ、あーちゃんいらっしゃいです」

 そんな(俺としては)心苦しい無言の空気を壊してくれたのは、言わずもがな目の前の女の子を呼び出した我が妹だった。今回ばかりはそのマイペースっぷりに心の中で感謝しつつ、一度妹に向けた視線を再度元の方向へ向け直す。

「…………お、お邪魔します」

 聞きやすい声だった。若干緊張しているらしく強張った声色だったのだが、すんなりと耳に入ってくる。扉を開けた時と同じように礼儀正しくお辞儀をし、この娘もまた俺の方へ視線を戻す。

「「…………、」」

 二度目の気まずさが俺を苛む。向けられるその黒く綺麗な瞳から目を逸らしそうになり、代わりについ癖で首の後ろに手を当てて擦ってしまう。

「ま、まぁ今は涼しいし、取り敢えずは家入りなよ」

「……すみません、ありがとうございます」

 なんとか振り絞って言った台詞に、女の子は一変して本当に申し訳なさそうに、感謝するようにそう返してくれた。その後、扉を静かに閉めて綺麗に靴を脱ぎ、脱いだ靴を端に揃えるように寄せて置き。

「……改めて、お邪魔します」

 こちらを振り返って本日三度目のお辞儀をしてから、妹の背中についていったのだった。

「……なんであんなおっかなびっくりな目で見つめられてるんですか貴方は」

「俺が訊きたいくらいだ……」

 どこから見ていたのか、後ろから歩み寄ってはそんな疑問を投げ掛けて来た幼馴染みに、そんな弱音を吐露してしまう。サチの言う通り、あれは完全に敵意――とまでは言わないものの、警戒心が渦巻いた目だった。

 でも。

 妹にも言われて首を傾げた事なのだが、…………俺は当のあの娘・御園あかりちゃん(一応後輩なので「ちゃん」付けで呼んでみる)とは初対面の筈だ。

「訊きたいも何も……十中八九貴方に原因がありそうな気しかしませんが」

「人を猜疑心をたっぷり込めた目で見るな」

 最近抱えているものとは別の、でも同じくらい面倒な話になりそうな予感に、俺は無意識の内にこめかみの辺りをぐりぐりと押して揉み始める。できればそんな感じでこの疑問も解きほぐせれば良いのにと思ったが、当然すぐに解決編とは行かなそうだ。

 先程見た警戒の眼差しを思い出す。

 主に、俺自身が与り知らない俺のせいでらしいその緊張にも似た視線をどう解除してもらおうか。

 頭を悩ませながら俺も彼女達が向かったリビングへと足を進める。

 委員長っ娘の描写は次回にて!

 ……の筈。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ