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幼馴染同盟 ~Are you BEST FRIENDs?~  作者: アオハル
02.Cold-en weaks _Do you know?_
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【番外編】08/31(5)

 案の定今朝家を出る直前に腹を壊しましたとさ、まる。

 ……つらひ(;ω;)

 そして今更ながら、二人の服装の描写を忘れていて折角のエプロン姿も書き忘れているというかなしみ。



 そう言えば。

「……初めて見たよな」

「? 何がかしら」

 ずいっとチカに隣から顔を寄せられる。どこかのバンドのものらしい、鎖骨が見える細身の彼女だと大きく見えるTシャツにジーンズタイプのホットパンツと肌の露出が多く、そこからふわっと良い香りがしてきた気がして、先程のミサの時よろしく目が眩みそうになってつい顔を逸らしてしまう。

「い、いや……妹が誰かと一緒に料理する姿を直で見るのは初めてだな、と思ってさ」

 逸らした目を台所の方角へと向ける。

 この家に戻って来てから四ヶ月も経過して。以前以上に交友関係の幅が広がったからか、家に誰かを招く事が増えたような気がする。チカとミサなんて常連、もはや家族レベルの扱いをしても構わないくらいだ。

 妹にも変化が生じて来た。会話の中にクラスの事が出てくるようになったし、あの委員長さんを招待したり遊びに(?)出掛けたりもするようにもなった。その回数も月が経つごとに増えており、兄として嬉しい限りだった。

 そして今。

「~~~~♪」

「やけに上機嫌ですね」

「――っへ?」

「そんなに嬉しかったですか?」

「しょ、しょんにゃ事ないにょ!?」

「そうなにょですか。ほうほう」

 誰かと楽しそうにお喋りして、共同で何かをしている姿をこう目にすると、感慨深いものが込み上げてくる。

「……やっぱり兄妹じゃない」

「え?」

「顔。すっかり緩んでるわよ」

 クリームが跳ねた時の様に慌てて顔をペタペタと触っていると、チカがクスクスと笑い始めた。

 こいつァ……ッ!

「……お腹鳴らしてた意外と食い意地張ってた系の方が微笑ましい話だがな。口の端からヨダレ垂れてるぞ」

「えっ、嘘――――って嘘じゃないっ!」

「お? わざわざ確認するって事は――」

「あーそうですそうよ私は食い意地が張ってますーっ!」

「ど、どうしたの二人共?」

「はいはい昼食持って来たんで筆記用具を一旦片して下さいよーっと」

 からかい返していると、ミサと希がおぼんを持って戻って来ていた。我に返った俺達が急いで筆記用具類を片付けてスペースを作ると、エプロン姿の二人がそれぞれテーブルに並べていく。結構大き目の皿に盛りつけておぼんにのせて持ってきたそれは、冷やし中華だった。

「わざわざ麺から茹でたのか……?」

「本当は今日涼しいですし温かいラーメンにしようと思いましたのですが、」

「折角の夏休み最後の日だし、どうせなら夏っぽい食べ物にしようかなーって思って」

 ゆったりとした純白のワンピースが軽く揺れる。

 いつも母さんが使っているものを希が手渡したのだろう。ピンクの生地に白のフリルがついたそのエプロンが、言葉と併せてどこか母性すらも漂わせているようにも感じた。

「……ん」

 照れくさくて、ありがとうの言葉が言えなかったがどうやらミサには何かが伝わってくれたらしく、ニコニコとした明るい笑顔がより一層輝いた気がした。

「二人共ごめんね……。本当だったら私も手伝うべきなんだけ――」

「お前は止めておけ」

「それは……いいかな」

「自粛の方針でどうか」

「ちょ、ちょっと三人とも酷くない!?」

「ではいただけましょう、みなさん」

「特にアンタの妹が辛辣過ぎる気がするんですけど!? ねぇってば透!」

「揺らすな食べづらいだろ」

「この兄妹~~~~っ!!」

「あははは……」

 もういいわよっ! と言ってプイッと目の前に置かれた冷やし中華へと顔を向けるチカを見ながら、以前――引っ越して来た頃ならそんな会話もなかったような気がするのを思い出した。それがいつの間にだか今のような騒がしさがありふれるようになっていた。

 それが当然と思って慣れてしまいそうなのは怖いけれど。

 でもこの雰囲気がこれからもずっとあればいいな、なんて事を考えた。

「では――」

 まぁ、そんな気恥ずかしい話は置いておいて。

 ついでに課題が終わってない事も頭の隅に追いやって。

「「「「いただきます」」」」

 今はこの食事に舌鼓を打つ事に専念するとするか。

 何気に一番辛辣なのミサじゃね? と書きながら思う作者。

 あとコイツ、宿題全然終わってませんからね!(最低な野次)

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