第06話 かいそう・a
わかめとか、そういう「海藻」じゃないです。「回想」です。
……あ、つまらないですよね。はい、すいません(謎の罪悪感)
「……も、もうちょっと間空けないか?」
「私はこのままで構いませんが」
「お、おう……そ、そうか……」
そう言われると俺は何も言えなくなり、再び起こした身体を横にして目を瞑る。
……って、寝れるか!
瞬時に目をカッと見開く。
意識を落ち着かせるなんて、土台無理な話だった。
何せ今の俺は、同い年の女の子と一緒のベッドで寝ているという謎展開に陥ってるからだ。元々俺一人用のベッドだったワケだが、そこに押し詰めるように二人で寝ようとしているのだ。
日頃だったら寝に入る三十分は小さい音量で音楽をかけてリラックスして心地よく睡魔に誘われるようにしているのだが、想定外とは言え流石に隣で寝ようとしている人がいるのにどんな音量でも音楽どころか物音を立てようとは思えない。おかげで背中が触れそうで触れなさそうな中、微かな呼吸音と確かな存在感が自意識をより鮮明にさせ、眠りにつかせようとしない。
想像してみてくれ……これが一時間続いた場合の事を。
電気もとうに消して真っ暗闇の中だというのに、すっかり虹彩が調整され目が慣れてしまっていた。
「な、なぁ……」
「なんですか」
背中から感じる雰囲気でまだ起きていると踏んだ俺は、その背後の彼女に投げかける。
「本当に良かったのかこれで……?」
「…………さぁ?」
「さぁ、って……」
どうなんだそれは。
個人的にはもうちょっとですねいくら幼馴染みでも異性には危機感を抱いてほしいかなと思ったり思わなかったり……複雑だ。
「……それよりも」
「ん?」
背後から聞こえる涼しげな、けれど確かに優しい声が耳に入る。
「どうしてあなたはそんな元気ないんですか?」
だからこその彼女の言葉だった。
「最初はただ倒れた際の不調が抜けていないのかと思いましたが、今は体調が悪いわけではなさそうですし」
「…………、」
「……どうしました?」
彼女の優しさは、鋭い。
言葉か、それ以上の鋭利さを以ってして俺の心中を貫き、見透かして来る。
『尖っている』――とは違う。
見逃す甘さは違うのだと。見逃さず真摯に受け止めるからこその優しさなのだと、そう雄弁に語る瞳がいつだって眼鏡を通し光っている――そんな気分を、俺はいつだって彼女から感じていた。だからこそ気付く事もあったし、だからこそ俺はサチに救われた事があったのだ。
今回もその瞳でものの見事に見抜かれていたのだろう。
やっぱり、どの幼馴染みにも俺の隠し事は看破されるらしい。
「…………、」
「もしもし?」
俺は――――、
今回短めだから次は長ったらしいかもですね。
最近この時間が眠くて眠くて……。
書きたい意欲は物凄くあるのに、そのせいで一個一個が短めだったりするのはそんな生理的欲求のせい…………にさせて;;