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幼馴染同盟 ~Are you BEST FRIENDs?~  作者: アオハル
02.Cold-en weaks _Do you know?_
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第05.5話 おやすみ・c

 やっべぇ……。

 どんどん更新が遅くなっている……。

「いや、いやいやいやいやいや!!」

「今日は本当にどうしたんですか……」

 この瞬間、多分俺は人生最高レベルで自分の頭を疑ったんじゃないかと思う。あまりにも短絡的で自身でさえも気付かない内に思考回路をピンク一色に染め上げていたんじゃないかと、本気で俺の落ち度だと真剣に頭を抱えてうんうん唸ってみた。

 だが現実は悲しいかな、いくら唸ってみた戸頃で、すぐさま『……あれ? 俺の頭が悪いワケじゃなくね?』という検索結果しか弾き出す事はなかった。

「うん……うん……………」

「……お前、頭大丈夫?」

「本当は今風邪を引いてて、熱でも出して譫言を言っちゃっただけとかそういうアレだよな?」

「……若干どころじゃないくらい馬鹿にされている気がしますが、とにかく。おでこ触るの止めてくれません?」

 『まじキショいんですけど』感満載の表情で訴えられ、無意識に体温を測ろうと伸ばしていた手を即座に引っ込める。満載と言ってもそれは俺の被害妄想なのかもしれないが、サチのその底冷えした眼差しを伴って言われると、つい気圧されてしまう俺がいた。顔は綺麗だし無表情でもどこか上品さと可愛らしさはあるし根は優しいのだから、そこだけが腐っても幼馴染みの俺としては非常に勿体なく感じてしまう。

 ……コイツの父親か俺は。

「なんですか本当に……。それと、手を引っ込めたついでに本気で心配したような目で見つめるて来るのも止めてくれませんか……」

「そう見える?」

「あと、息も止めてくれませんか」

「ガン無視!? あとそれは遠回しに死ねって言いたいだけだよね!!?」

「ほら一気、一気」

「コーラじゃねぇんだぞ!!」

 それに無表情で手を叩かれても浮き足も立たないから。

 とはいえよくよく観察してみれば、丁寧に研磨された黒曜石のように綺麗な瞳は揺れていて、長めの睫毛が微かに震えているのが見てとれた。実際、困惑しているのかもしれない。常日頃の氷柱を想起させる冷え冷えとした眼光が薄れており、改めてサチも一人の女の子だという当然の筈の事実を風呂場の一件同様に浮き彫りにされ――

「……今、ナニ考えました?」

「なんにも」

 でもなぁ……、

「いや…………だって、……ねぇ?」

 思春期ちゃん真っ只中の男子高校生にそんな挑戦的な事言っちゃって、お前としてそれは大丈夫なワケ? とか言おうとしたが、濁すだけで留めておいた。台詞の聞こえはさておいて、大雑把に言ってしまえば「……で、それは誘ってんの?」って訊き返してるだけのような気がしたから。

「『ねぇ』……?」

「そっ、それに……、折角取り替えたシーツとか毛布とかに匂い付いちゃったら嫌だしさ、ほら……」

「乙女か主婦ですかあなたは……」

 呆れを通り越していっそ憐憫の視線を投げかけてくれるサチ。

 優しい目で見つめられて、涙が零れ落ちそうな俺。

「というかそれマジオス? 本気って書いてマジって読むアレなの?」

「どれだけ疑ってるですか……」

 あなたの頭は正常ですよと言うサチの眼は、気まずそうに横を向いている。

「あれです、元々の住人にソファで寝させてまでその人の部屋で熟睡できるほど私は無神経じゃありませんので」

「おま、どの口がそんな――――ッッッ!!?」

「……なのでどうせだったらどちらの意見もかなえられる方法をと思いましてね」

「……お前、文章だから見えないと思って思いっ切り睨んだろ」

 そこらのホラー映画なんか目じゃない怖さでした、まる。

 目だけにNE☆ ……はい。

「でもなぁ……だからって一緒のベッドで寝るって言われてもなぁ…………」

 多大な後ろめたさが俺の言葉をすぼませる。

 やましい気持ちはないけれど。

 やましい気持ちはないけれど!

「やっぱ無理ですごめんなさい、明日葉透の次回作にご期待下さい」

「何をどう思考したらそんな言葉が出て来るんですか……」

 まぁ――と、そこで似たようにサチも言葉を窄ませる。



「ちょっと今の私は……おかしいのかもしれませんね」

 歯切りの悪そうな部分で第6話。

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