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幼馴染同盟 ~Are you BEST FRIENDs?~  作者: アオハル
02.Cold-en weaks _Do you know?_
101/143

夏も中旬ですね ~Introduction・a~

 ああああああああああ!!

 昨日予約投稿ミスったあああああ!

 っていうか自分は朝の10時過ぎまで寝れてなかったのかあああああ;ω;

 ……腹痛、舐めたらアカンのね。

「そういやお盆の間ってみんな何か用事ある?」

 夏休み真っ盛りの八月も、ようやく折り返し地点のお盆のシーズンに差し掛かって来ていた。世間じゃ社会人もお盆休みを迎えては実家に帰省し、先祖代々または親戚・家族の墓参り等々を行う時期である……らしい。

 いや「らしい」というのも、幸運な事に我が明日葉家では両親どちらの祖父母も含めた親戚一同、誰一人として訃報と言う訃報が流れて来ないのだ。なので知識として齧り程度で頭の片隅に置いてあるとしても実体験として根付いたものではないため、あまりそのシーズンとしての感覚が湧かないのだ。今朝のニュースで各高速道路が混雑しているのを知って、「ああ」と思い出した感じだ。

 けれど、それは俺や妹ののぞみに関しての話だ。

 他の面子からも、あまりこういった話題は聞かないが……。

「なぁ、」

「「「?」」」

 そんなワケで、今丁度我が家に来ている三名に尋ねてみる事にした。チカは俺と通信しているモンハンに、ミサは何かしらの洋服の裁縫に、サチは常日頃通り読書に没頭してる最中に尋ねてみた。

 身内贔屓抜きで整っていると思う美少女三人の顔が一斉にこちらに向く。

 結果は、

「いや、ないんじゃないかしら」

「私も特にないかなぁ」

「私もこれといって主だった用件は皆無ですね」

 実にあっさりとした対応だった。ちっとも夏休みらしさも美少女らしさも……いやでもこいつら普通に綺麗だからな――ゲフンゴホン。思考回路が脱線したので慌てて戻す。戻した戸頃で結果は変わらないけども。

 やはりみんなも似たようなものなのかもしれない。

 と、そこでいそいそと希が手を挙げる。

 ジト目を向けると、いやにキリッと真剣な表情の――こちらも整った顔で見つめてきた。

「兄さん。実は私、重大な用事が」

「俺にないんだからお前にも用事ないだろ」

 何か嫌な予感しかしなかったので一蹴した。

 ……のだが。

「それはいくらなんでも決めつけが過ぎます。私だってれっきとした大切で重要で、絶対に抜け出せない用事ってものがありますからね?」

「え、」

 マジで言ってる? それマジオス?

 ちょっとお兄さん何言ってるのか全然解らないんですけど。

「――兄さんと一緒にいるっていう大変大変素晴らしいスケジュールが

「んじゃみんなお盆の間も空いてるって事でいいみたいだな」

「…………、」

 プクーっと可愛らしく頬を膨らませているが、無視無視。

 あとそれは大変じゃなくて変態な。俺自身が言うのもなんだが、俺にそう突っ込まれたらおしまいだぞお前。

「んじゃどうする? 先週は海行ったけど……今度はプールとか。ほらサチだって知ってるだろ? 『砂池サンシャイン』」

 そう言って口に出したのは、上ヶ崎市民なら誰もが知っていると言っても過言ではない市民プールの名前だ。ここ明日葉家からだってそう遠くはないし、目の前に駅だってあるからサチとも現地集合しやすい。それに料金もまだ全国区のプールよりも安めに設定されている所も俺の中じゃ好評価である。

 だが――、

「普通にいつも通りの家で良いんじゃないかしら?」

「外、暑いからねー……」

 早速幼馴染み兼クラスメイト二名がリタイアを表明し出してしまった。おいおいおいおいおいと言ってしまいたくもなるが……まぁ、無理もないか。

 現在気温は三十八度、完全に猛暑日だ。ひとたび外へと足を踏み出してしまえば、電子レンジの中にいるんじゃないかって灼熱の日差しに晒され、あっという間にこんがり上手に焼かれては、陽炎か幻覚か判別できなくなりそうになる。更に女性陣としては日焼け、あとは紫外線が気になるだろうし。

 だからこそ屋内プール、悪くないと思うんだがなぁ……。

「でもあまりお金使うのもアレじゃない? ウチの高校ってバイト禁止だし」

「いくら屋内プールでも、移動の際にだけでも紫外線対策しなくちゃいけないからねー……。クリーム塗ってプール入ったらダメだと思うし……」

 片方チカはパタパタと手で顔を仰ぐ仕草を(なんかカッコイイ)、一方ミサはコップに注がれていたカルピスを一口飲んで「はふぅ」と息をつきながら(凄く可愛い)そんな事を言う。どうやらこの家を拠点として、夏という山場を越えようとしている所存らしい。テントでもキャンプ地でもねぇぞここは。まぁこいつらならオールオッケーだと赦しちゃう部分ある俺にも甘さがあるんだけども。

 さてどう誘導しようかと思案し出すと、不意に視線を感じた。

 サチの視線モノだった。

「ん? どうした?」

「そうですね……」

 顎に手をやって呟く。サチが考え事をした時によくやる癖だ。

「逆に、私達が知っているという事は、他にも沢山の近場の人がそれをよく知っているかと。なら、今の時期は混雑が予想されるかと」

「そうか……」

「というか先週は海で今度は市民プールと……本当によく飽きませんね貴方」

「いやだってそりゃお前……、」

 頭に思い浮かべたのは、先週海に行った時の事。各々が各々に見合った水着を可愛らしく、美しく身に着けては笑顔で遊びに興じる姿の事だった。同い年の少女達と一緒に遊べたし、おまけにたゆんたゆんゆっさゆっさしてたし、もう最高だった。最高って単語が多用されるようになった昨今でも、本当にこれは最高だと思う。

 色々と正直な話をすれば、男としてあの光景をもう一度、いや何度でも見たくなるというのは仕方が無いと思うのだ。多少はね?

「……今、透ヘンな顔してたわよ」

「――へっ?」

「急にニコニコし始めてたけど……何か良い事でも思い出したのかな?」

「えっ、あー、いやですね」

「どうせヘンタイの考える事です、おおよそこの前の私達の水着姿でも思い出して鼻の下でも伸ばしていたのでしょう。……ああ怖い」

「俺としては頭の中を覗いてるかのようにピンポイントで指摘してくるお前の方が怖いけどねっ!!」

 何で解っちゃうの? 何で言っちゃうの? なんでさなんでさ、ななななんでさ!?

 あまりの気遣い、察しの良さに俺は嬉し過ぎて真剣に涙が目に溜まって視界が滲みそうだった。

 あはは、と苦笑して「でも注目してくれたなら、水着着た意味がちょっとはあったかな……?」と言ってくれるミサが聖母か何かかと思ってしまうような優しさに一層泣きそうになった俺だった。

「……そう言えばですが」

「あ?」

 MN5(マジで泣いちゃう五秒前)の俺に、妹が耳に顔を近づけふと声を掛けてくる。

「お父さんとお母さんって、どうして毎年この時期は出掛けるのでしょうね」

「あー……」

 言われて、思う。

 なぜあの二人は毎年決まってこの時期には揃ってどこかへ出掛けてしまうのか。

 少し気にはなるが、

「さぁ? 結婚記念か付き合いだして云々とか、そんな所じゃねぇの?」

「……つまり家族がまた一人増えるワンチャンです?」

「をいやめろ馬鹿、あの二人じゃ可能性として無きにしも非ずだから本当にやめろ。想像もしたくない」

「? どうしたのよ二人共」

「い、いやぁ、なんでもないよーなんでも! あは、あははははは!!」

 苦笑して流す事にした。

 それはきっと本人達だけの話だと思うし、詮索は無用だとも思う。

「それに、だ」

「?」

 俺は今、こいつらとワイワイ夏休みを満喫するので忙しいのだ。

 お盆編? 的な何かが、始まろうとしている……っ!

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