第六話 「騒然」
昨日までの回の目に付く部分は修正しました。
1000PV突破です!ありがとうございます!!
記念で8/11か8/12に本編(1日1話投稿の制約)とは別に8/31まで限定で夏物=水着回を出そうと思います。
……水着とか全然詳しくないので〇oogle先生に訊いてきます。ノシ
今回は空白が多め(いつものこと?)かもしれませんが大丈夫、文字数(改行・空白除く)はいつもと同じです。
それでは、学校生活始まります。
よーい、ACTION!
「全然違うじゃないか……」
四月七日。
少し寒めの春の朝、俺は自転車に跨りペダルを漕ぐ。雲一つない青空の下、駅のある桜が彩る大通りで漕ぐ、漕ぐ、漕ぐ。
今は午前六時を幾分か過ぎたところ。本来なら未だ登校する時間でもなし、多分チカ辺りは寝ているだろう。……ミサはまともに喋ってないからよく解らん。なら何故早く家を出ているか?
それはここ周辺の地理を頭に叩き込む為だ。
幾ら以前住んでいた場所とはいえそれは七年も前の話だし、本より俺の行動範囲は自宅含めた御三家で(ちょっとカッコ良く言ってみた)完結していた。最早未知の土地と大差ない状態だ。
そんな訳で――――いや、ぶっちゃけ本当はこの近隣で美味しい和菓子屋さんと充実したラインナップを誇る書店(どちらも『書姫』のサチ調べ)の位置を把握したかっただけです。はい。
…………だってみんな俺が本の話をしようとしただけで露骨に話題逸らしとか最悪止めてきたりするんだぜ……しっかり聞いてくれるのはサチくらいのものだし…………。というか何で俺よりサチの方が地理詳しいんだろうね!(本&和菓子屋限定)
段々自虐的な負の連鎖に駆られながらも、俺は目の確かな情報屋のメモ通りに路地を進む。というかさっきの大通りって『桜大通り』って言うのか……随分と安直なネーミングだな………………お!
(あった!あったぞ!!)
慌ててブレーキを掛ける。キキキキキーッ!!と耳障りな音が人通りの少ない道に響き渡るが関係ない(あります)。
「ここが教えてもらった書店、『紀来堂書店』か……」
感慨深くひとりごちしてしまう。
ここに俺が求めるものがあると考えるだけでゴクリ、と喉が鳴った。ついでに何かのゴングも鳴っていた。多分本能と理性の一番勝負だろうがどうせすぐに本能の圧勝で終わることだろう。
だってもう明かりが――店が開いてるんだぜ!
ちゃんす!!
# # #
「それで転校生。お前は我を忘れて時間ギリギリまで寄ってしまった上にそこから学校へ来る道が判らなくなってしまい今頃着いた、と…………これに間違いはないな?」
「はい…………」
結論から言おう。遅刻しますた。
唯でさえ本屋でかなり時間を消費し(充実なんてレベルじゃなかった。というか店長らしきオッサンと何か仲良くなっちゃった)、店を出て――――駅まで戻らないと学校にいけないことに今更ながらに気付いたのだ。
「在校生はおろか転校生が新学年初日から遅刻とか前代未聞だぞ……挙句に私が怒られるんだぞ……こんな緊張する始業式はもう経験したくないぞ…………」
そう言って頭を抱えるのは俺の担任らしい、女の先生だった。怒られるより呆れられちゃった。テヘペロ。
で、今の俺の現在地点は職員室。学校に着いたよ!やったねトールちゃん!!オイ止めろ。
しかも今は九時で始業式真っ最中。
そんな事に気付かなかったさっきの俺は昇降口に入った段階で妙な静けさを感じ取った。
嫌な予感がしたので(既に自分が遅刻しているのは知っている)、職員室に向かうとこちらは鍵が掛かっていた。そんなこんなで四苦八苦していたところに俺を待ってくれていた――――東有紀子女史に発見していただけた。説明終わり。というか高校生活も終わりそうなんですが。
「はぁ~~っ…………」
相当お疲れの東先生。折角の凛々しい美人っぷりが台無しだ。
「本当に申し訳ありませんでした」
本当に申し訳もないです。
「……学年主任に『そう言えば転校生は未だですかな?』と十分おきに言われてみろ」
「しつこいんですね学年主任」
「だろう?って、違う、そうじゃないだろ」
「すいません冗談です。魔が差したんです」
「全然弁明になってないぞお前。説得力はあるが」
「それでは自分はどのタイミングで途中参加すればいいんでしょうか?」
「切り替え早過ぎだろ!!」
「そうですか?」
「はぁ…………もういい。お前は始業式が終わった次のHRから入ってくれ。私も一緒に行く」
「了解です」
「それとだ」
「はい?」
彼女は手負いの獣のような目で嗤ってこう言った。
「遅れた罰だ。始業式が終わるまで少し話をしようじゃないか、転校生」
# # #
二年三組担任兼歴史担当・東有紀子(本人は有紀先生と呼べと言っていた。『子』はダサいとか何とか)。
チカと同じ位長い黒髪を持ち、針金のような体躯(ホントに細いし『長い』なオイ)に白衣を着た彼女は、
「やっぱり現代的な部分が好きなんだが、如何せんそれは三年の終盤にサラッと説明して終わりなのがな……」
「それは解ります。『最初の方の四大文明とか中学校でやったろ!』ってなりますしね」
「そうそう!そうなんだよ!!」
…………中々にフランクだった。というか歴史教師が肯いていいのかソレ。
そして雑談は続く。
「ところで転校生は――いや、明日葉と呼ぼうか?」
「明日葉でお願いします」
「解った。ときに明日葉…………お前はラーメンは好きか?」
「ええっと、豚骨が嫌いという訳ではないですがサッパリしたものならしばしば食べますね」
「本当か!なら今度、そうだな……ゴールデンウィーク辺りに一緒に食べに行かないか?醤油と塩の美味いところに連れてってやる」
「いいんですか?」
「あぁ構わんよ。基本的に生徒の前では『鑑』……いや、洗面台とかにある方ではなくて『お手本』という意味合いの方だ。そんな『鑑』でいなくてはいけないというのも疲れるものなんだよ。だから一度は生徒と気兼ねなく語り合いた(以下略)」
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(中略)
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「東先生、何故平然と生徒とサボっていたのですかね?そこの転校生もですよ」
「「申し訳ありませんでした」」
一時間足らずの会話で俺は悟った。有紀先生は同類だ。
当然の如く、始業式が終わって戻って来た学年主任(数学担当)に詰問、もとい怒られたのは言うまでもない。
# # #
誰が落ち武者だ。
という訳で、
「このクラスになって未だ一日目だと思うが、早速新しい転校生が増えた。それでは本人から短く自己紹介をしてもらう。では、よろしく転校生」
「えー、宵宮高校から転校して来ました明日葉透です。よろしくお願いします」
本ッッッッ当に短く自己紹介し、これから過ごしてゆくクラスメイトと初対面を果たした。
途端に全体がザワザワして来た。何か某賭博マンガみたいだ。
その中でも特に異質だったのが、
「ななな何でトールがこの学校にいるのよーーーーっ!!?」
ガタガタ机を鳴らして飛び上がったのは、――――説明するまでもなく、大山智香=チカだった。
…………これ昨日も見たような気がする。超デジャヴ。デジャヴの意味違うだろうけど。
それより、お前がそんな反応するから、
「え、『雪女』が喋った!?」「というか驚いてるぞ」「何者やねんなアイツ」「もしかして知り合いなの!?」「もしかしても何もそれしかないでしょ」「どうしたらあの『雪女』と関係を作れるのよ……」「ありのーままのー――」「ダウト」「というかこんな『雪女』レアじゃね?」「zzz…………」
『ざわ…ざわ……』どころじゃなく、最早ちょっとした騒ぎになっていた。
何か意味不明なこととか言ってる奴がいるし寝てる奴も――注意しろよ!
…………てか、『雪女』て(笑)。
テンプレ。この言葉が使いたかった。
……どうでもいいですね。
ちなみに高校名はテキトーです。NOT適当。
お読みいただきありがとうございました。
※誤字脱字表現の誤り等がありましたら感想にてご連絡ください。
随時修正致します。
引き続き、『おさどう』をよろしくお願い致します。




