027シャラ尾行
とはいえ、見過ごすわけにはいかない。
深夜。
慌ただしく出発していったシャラ達一行に付いて行こうと思う。
まずは森林連合軍のテルァナ派遣部隊に合流するシャラたちに付いていく。かなりリスクが高いが仕方ない。
内緒で魔法を使う。
「【天空の魔眼】」
この魔法は僕が考案した。例え、誰かにバレても誰にも理論は分からないだろう。
無数の人工衛星で地上を見ることが可能。光の反射で真下でなくてもだ……
魔力の消費はそれ相応。下手な最上位魔法よりも多い。
僕にかかれば諜報員も真っ青な諜報力が発揮できる。
ま、この事実は誰にも伝えていないが。
そして、気配を消す魔法。
「【気配断絶】」
魔力を周囲の風景と同化させて、認識不可能にする魔法だ。
そして……村を抜け出すためにもう一工夫する。
僕はかなり弱いらしいからな。
「【飛翔の風鎧】」
移動を迅速にするため、飛行可能にする。
5歳程度の年齢だからな……
さらに特殊魔法をかける。
「【魔術感知妨害】」
一見、【魔術制御妨害】と似ているが、そうではない。
【魔術制御妨害】とは術者の魔法の制御を妨害する魔法だ。だから術者が対象でもある。
だが、【魔術感知妨害】は結界など、魔術的な罠の感知を妨害する魔法だ。種類が違う。
あらゆる強化魔法をかけて、入念に村の外に出るために準備を行う。
村には結界が覆っており、見つからずに通るのは困難である。
しかし、どうせ朝には分かるのだ。時間稼ぎ出来れば十分。
結界の場所まで凄まじい速度で飛んでいく。
そして、激突するかと思われた瞬間、呪文が唱えられた。
「【遮断通行路】」
結界の外にワープした。
ワープといっても完全な瞬間移動じゃない。
ただ、魔力体になって結界をすり抜けただけだった。
つまり幽霊のような身体になって結界を抜けたのだ。
魔力が感知されたかと思ったが【魔術感知妨害】が上手く働いてくれていた。
かくして初めて村の外に僕は出た。




