011評議の開始
Few years later……
「グレンハート殿、よくお越し下さいました。皆、お待ちしておりました。どうぞ、ご着席を」
「あぁ、ありがとう。座らせて頂くよ」
長老、もといグレンハートは給仕の娘の示す席へと着席した。
その部屋の意匠が凝った見事な丸い評議テーブルに十数人のエルフの姿があった。
長老グレンハートが席に落ち着くのを見計らったようにそれまで沈黙を保っていた老人―――――グレンハートよりも年上―――――だ口を開く。
「さて、皆も揃ったことじゃし……これより森林連合評議院の評議を開始する。……グレンハート殿、例の娘はどうしている?」
「順調に成長しております。魔力の扱いにも長けており、大人と遜色ないほどの実力を持っております」
「それは……あまり良いことではなさそうじゃの。大人と対等に戦えると知れば気持ち悪がる者もおるかもしれん」
「大丈夫だと思われます。我が村の民は誰ひとり気味悪がる者はおりません。ご心配は無用かと……」
「しかし……これから先、貴殿の村民だけと関わるわけにはいかないからの……そもそも森林連合が国家である限り、他村と関わりを絶つなんてことは不可能なんじゃ」
「それこそ要らぬ心配です。戦闘能力に関しては他村の者に知らせなければ良いだけの話です。徹底すれば不可能ではございません」
その時、二人のやり取りに割って入ってきたエルフがいた。
「グレンハート殿、ヴァルトフェーラ殿。その議論は現在の時点でしてもさほど意味を成さないでしょう。いざとなれば彼女を英雄として仕立て上げればよろしいではありませんか?」
「な!?仕立てあげる、とは……言葉が過ぎるぞ、レノン殿!」
老人ヴァルトフェーラは茶髪の青年エルフを睨み付けた。
「申し訳ありません。ですが私はこのような議論は今の段階では時間の無駄だと申し上げたかったのです。お分かり頂きたい」
青年エルフのレノンは謝りながらも態度は相変わらず悪い。
キャラクター紹介
グレンハート【Glenhart】(長老)
長老と呼ばれる初老のエルフ。ヴィオラがいる村の村長。詳細不明。
ヴァルトフェーラ【Vartfaila】
森林連合評議院長。詳細不明。
レノン【Lenon】
茶髪の青年エルフ。詳細不明。




