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デスパレードでデスパレートな異世界ライフ  作者: 蒼穹
第二章 集落防衛編
15/18

     第十四話 それぞれの立場

遅くなりましたすみません。

そして勇者無双は変更しました。

うPしてすぐに修正しました。

 

 俺は自ら出迎えるべく、地上部に突き出ている建物からヴェルを引きつれて街の入口へと向かう。



「ハルベルト様、一つよろしいでしょうか?」


「なんだねヴェロニカ君」


 秘書に質問される代議士,はたまた社長みたいな、ノリにノッた横柄な態度で返事をしてみたら、鋭い視線に睨まれたような気がした。


「この格好は一体なんでしょうか?」


 ヴェルの言う格好とはツアーコンダクターの衣装のことである。


全体的にブルーを基調としたドレスっぽいデザイン。


 よく見なくても彼女の格好は何かのコスプレに似ている。ちなみに一緒に来ているフェリもちょっとデザインは違うが、同じ青のドレスっぽい衣服を着させておいた。



「街を案内する人の格好。今日は勇者と魔王が来るらしいからね。やっぱ相応しい人に着させ・・・・・・案内させたいし」



「確かに大物の来客となると,品位も知性も礼儀もマイナス数値の方一人に案内を任せては,街の品位を疑われてしまいますからね」



「え? それって俺のこと?」



「月が綺麗ですね」



 なんなわけ? 最近反抗期なの? 生理なの? 倦怠期なの?



 いつの間にヤヌスはデータベースを自由に閲覧できるようにしたのだろうか。


 このままでは誰もが都合悪いことの問いに対して夏目さん作品の名言を口にするようになってしまうではないか。



 アレだ、“いつやるの? 今でしょ?”とか“倍返しだ!”とかならまだ可愛い。最後にはどうせうざく感じて終わるだけだ。



 でもことある毎に“月が綺麗ですね”なんて連呼され、質問の答えをはぐらかされた日には、俺はきっと3000万ドル払ってゴ〇ゴ13に月を破壊してくれって頼むかもしれない。



 月が無ければ使いようの無い言葉だからな。



《月が出ていようが出ていまいが関係なく使われているのに、そんな稚拙な発想をするなんて・・・・・・馬鹿可愛いですね》



 貶されてるのか愛でられてるのかよくわからないけど、ヤヌスの場合は絶対けなしてるだろうな。



 俺とヴェルとフェリの三人が街の広場を抜けて街の入り口にやって来ると、二つのグループが到着したところだった。



 勇者一行と魔王一行である。正門ゲートから街の入り口まで直線距離で約15キロほどあるのだが、二つのグループはそれぞれ馬車や馬を利用していたので、さほど時間かからずにこれたようだ。



「初めまして。俺がこの街の主のハルベルト=ミスティス=クリスタです」



「メナス=フリージアだ。この者はロザリー=フリージア」


 端的な自己紹介をした彼女は視線を勇者一行に向ける。次はお前だと言わんばかりの、暗黙の上から目線的な態度。


 魔王ってどいつもこいつも偉そうなのかな。


《実際偉いでしょうに・・・・・・少なくともマスターよりは。あ、失言でしたねテヘ》


 うぜえ。使い古された流行語よりうぜええ。


「行商人のアキラだ」


「いいよ勇者様。既に正体はわかっている。その地味な衣服に見せている禍々しい鎧だって全部お見通しだ」



 フードをすっぽりと被っていた彼女の、わずかに見えた顔には驚きの色が浮かんでいる。


 既に正体がばれているということはわからせておいた方が、こっちとしてはやりやすいので言ったのだが、そんなに驚くことだろうか?

 

 観念したようにフードを降ろして彼女は顔を見せた瞬間。






 俺の脳裏には危険信号が発せられた。



 まずい。この女はもしかして日本人じゃないのか? 


 そう言えば名前はアキラだったか?


 もしかして苗字はキリシマとか言わないよな? 



 以前いた世界の俺自身の名前や家族などの記憶は無いが、同性同名でコイツと同じ顔の友人に関する断片的な記憶は残っている。まあこの世界にきてから思い出したというのが正解だろう。


 その記憶の中のアキラとこの少女の姿が明らかにうり二つなのだ。


「既に知られていたか。私は勇者として派遣されたアキラ=キリシマだ。私がここに来た理由はもうわかっているな?」


 嘘? 嘘だと言ってよ! いや、今はまだ慌てる時ではない。



 恐らく十中八九俺の記憶の人物と一緒だと思うが、奴は俺だと気付いた様子は無い。


 何せ現在の姿は10歳児で、顔立ちは俺の10歳児の頃とほぼ変わらないが、髪の毛は銀髪だし瞳の色だって違うのだから、絶対に正体がばれることは無いだろう。


「・・・・・・えと、目的は聖女達の返還と俺の始末だろうな」


 そういうと彼女は小さく頷き腰に下げていた剣の柄に手を掛けた。おいおい、まさか今すぐこの場でおっぱじめようと言うのだろうか?


 しかも魔物とはいえ子供の姿をしている奴に平気で剣を向けるなんて・・・・・・アキラなら当たり前か。昔から容赦ないし。


 うん。


 ここは正攻法では無く卑怯な手で行こうじゃないか。


「残念ながらこの場に置いてお前の要求は呑めない。何せ彼女達は自分の意思で来たわけで、俺は彼女達を先導したり洗脳に掛けた覚えもない。それに大人しく殺されてやるわけにはいかない」



 メナスは俺とアキラのやり取りを興味深く観察している。これはきっと俺がどう動くかを特に見ているようだった。



 しょうがない。ここは俺の凄さをどんと見せてやろうじゃないか。



 ヴェルとフェリが俺の前に出て守ろうとしたので、手で制した。



「殊勝な心がけだ。私の目的はあくまで君一人」


「いや、勘違いするなよアキラ」



「君に呼び捨てされる覚えはないけど」



「まあまあ。これをみてくれよ」



 俺はアイテムストレージからリンゴを取り出す。これは食堂に置いてあったリン

ゴを、後で食べようと思ってたもの。



 彼女達の前で俺は掌に載せて狙い安いように掲げた。これは一種のデモンストレーションであり、彼女達、主に勇者一行に向けた警告なのである。


 見せてやれ。俺の素晴らしさを。


《はいはーい。エリスのいいとこ見せてあげる♪》



 ひゅん! ガン! ドンドン! ゴロゴロドンがらがっしゃーん!



 俺の持っていたリンゴは宙高く舞い、見事にヴェルの手の中に吸い込まれるように落下。




 さて俺はというと。



 真正面から徹甲弾受けて数メートル後方にぶっ飛び、数回転がって民家に激突。



 破壊した壁の瓦礫に埋もれ、最後の止めは棚から落ちて来たデカい鍋が頭にかぶさるという、コントさながらの悲劇。



「お見事です」


 ヴェルの一言にフェリはひたすら拍手。メナスは腹を抱えて笑い、殺気立っていたアキラも拍子抜けたしたような顔で呆然と立っていた。



《エリスの狙撃どうだった! マスターの頑丈さとユーモアさのアピール大成功だったよね!》


 いや、この街に張り巡らされているセキュリティの厳重さをアピールしようとしただけなのだが。



 何の為のリンゴだよ!


 いつの間に用意していたのだろうか、フェリが皿に切ったリンゴを乗せて爪楊枝を刺し、皆に振る舞っているではないか。


 あれだ、実演販売で、売りたい包丁の切れ味を見せながら、実はリンゴを売るという間の抜けた販売商法でないだろうか?


「うちで採れたリンゴは結構甘いのです」



「ふむふむ。確かに美味いな。蜜も多いな。これは交易の品としてはいいかもしれない」



 ヴェルに勧められたメナスやロザリーが美味しそうにリンゴを食べ、後ろに控えていた魔王軍の近衛や勇者の同行騎士達もフェリに勧められ、鼻の下を伸ばしながらがっついている。



「う、不覚・・・・・・まさかリンゴで懐柔作戦とは」



 違うよアキラ! 目を覚まして! 結果的に剣を収めてくれたのは嬉しいけど、違うから! 


 それじゃ俺がまるで、包丁が売りたいのであってリンゴを売り込みたいわけじゃない的な状況に陥っているみたいじゃないか。


 失敗する実演販売員の致命的なミスを俺は体を張って再現してるわけじゃないのだ!


 あれ? フェリ? ミストルティン製の包丁だして実演始めちゃったよ。

 

 一体どこから実演セット用意したの! てかロザリー含め護衛達まで欲しがってるし。


 え? 今回リスタ貨幣でなくベルク貨幣で特別販売? いや勝手に売らないで!

 

 てかそのミストルティン製包丁駄目だからね!


 え? ミストルティン製じゃなくミスリルティン? 余計ダメじゃん!


 まがい物売りつけてどうするの!


 誰かフェリの暴走止めてあげてーーーーー!





《・・・・・・いつでも仲間の首を取れると脅すつもりがぷぷくすくす。あ、いえ。さすがマスターです。100点満点です。今季のS-1優勝できますよ。もうお腹いっぱいです》



 酷いよね? 俺の渾身の計画をコント扱いするなんて。


 これでは俺がただのお笑いキャラではないか!


 ターミネーターでも片足上げるだけかすっぽんぽんで“服寄越せ”でしか笑いとらねえよ。


 こんな命がけの笑い取りは二度とごめんだ。


「ハルベルト様、いつまで鍋をかぶって座っているのですか? お客様を早くホテルまでご案内して馬と馬車を預かってもらってください」



「はーい」


 あれ? ヴェロニカさん。ここは君の仕事で上司は僕じゃないでしょうか? 素直に返事をしてしまった俺も俺だけどな。










「凄いぞロザリー。これが宿場だそうだ。この縦長の建物やカットしたリンゴの形みたいな建物がホテルだなんて信じられないな」



 馬や馬車を預ける為にやって来たホテルの外観もそうだが、サービスにも驚いていた。



 ホテルの前に馬車が泊まると、複数人のボーイが出てきて馬や馬車に術式タグをつけ、それと同じタグを所有者に渡す。



 荷台の荷物はコンテナにしまわれ厳重な鍵を掛けると、その鍵も自分持ちになるのだ。


 一々見張りを雇わなくて済むことに驚いていた。更には受付ロビーだ。


 一応魔王勇者達には最上級のVIPを用意したのだが、皆にどういうシステムで運用しているのか見せる為に、手数だが受付を行って貰うことにした。



「本当“あっち”と同じね」


 アキラは殆ど驚くことなく見ているも、どこか安心したような顔を浮かべていたのを、俺は見逃さなかった。


 全く持って質問してこない勇者と、細かく尋ねる魔王という対照的な二人。同行している兵士達も凄く気になっているようではあったが、己の本分を忘れていないらしく、警備に集中していた。

 


 そして今度はホテルの部屋だ。


 まずベッドの種類から始まり、一番下のランクからレギュラー(R)にミドル(M)3人~4人用のラージ(L)、高級感溢れるスイートのRとLに最上級のVIPだ。


 VIPの客様に、隣室には護衛用の部屋も備えてある。これはVIPの部屋と一枚の扉で繋がっている。



「このホテルの一番低ランクの部屋でも満足できそうだ。何せトイレが綺麗で水が流れる。しかもいつでも冷えた飲み物が飲める“冷蔵庫”なるものが完備とは。恐れ入った」



 驚きを通り越して溜息を零すメナス。



 それを何故かアキラは楽しそうに見ていた。



「どうやら魔王様は異世界の技術にご執心だな。これで君が異世界人だと言うことがわかったよ」



 アキラが俺を見て確信したようなことを口にした。



「俺じゃなく、俺のとこの技術者かもしれないだろ」



「どうかな。それなら技術者も同行させるんじゃないかな。もし尋ねられたら説明しなきゃいけないだろ?」



「そういうことか。でも、こういうのは魔導錬金や魔導具作成の知識があれば作れるし、デザインだって絶対に思い浮かばないことってないわけだから。一概に異世界の技術だと決めつけるのは早計だと思うな」



 まあ本当は異世界人だってばれてもいいんだけどさ。ただ隠して見たくなった。


 彼女の前では。


 何せアキラだもん。俺は本能的に彼女に知られたくないという気持ちがあったから。

 


 ホテルの中の案内を終えた後、俺達は一度ホテルの外にでた。



「素晴らしい技術ばかりだ。流石の私もこのホテルのレギュラーでもいいから泊まりたくなったぞ。だが、それだけでこの街の魅力を感じさせるのは難しいだろうな。何せこの街を守る壁の向こうには8万を越える軍に囲まれている。攻撃を思いとどまらせるにはもう少し魅力的なものが無いとな」



 メナスの言う通りである。まずメナスの目的は置いとくとして、問題はブランベルクとエスプリである。



 この二つの国の目的は聖女奪還と俺の始末だ。この二つの目的からいえることは、まずエスプリの目的は自国の勇者が強力な魔物を倒して、聖女を救出したという他国への牽制材料の獲得である。



 ブランベルクは聖女の奪還。



 さらにそこで入って来るのがトラエスティアだ。もしこのまま何もなく軍を退か

せた場合でも、ブランベルクはエスプリとトラエスティアに莫大な謝礼を出さなくてはならないのだ。



 よって、この二つの目的よりも旨みや価値のあるものが無ければ、決してエスプリとブランベルクは軍を退くことは無い。更にエスプリとブランベルクが軍を退かなければトラエスティアもまた軍を退かない。



 最大のネックはこのエスプリとブランベルクなのだ。



 恐らくメナスはそれを知っているからこそ、その話題を口にしたのだし、態々土産を持参してここまで自らが出向いたのは、このことに便乗してこの街の中をくまなく調べる為だ。


 実際、ここに来てから街の中の様子に一番興味を抱いていたのはメナスとロザリー、そして近衛兵だろう。



 アキラはただ異世界人として見慣れた技術だからこそ興味がないのだろうけど、もし彼女が政治に深く関与する立場だったり、もしくは興味を示すようだったら初っ端から剣を抜いたりしない筈。



 つまりはここでご機嫌をうかがうべき相手はメナスなのだ。



 後々のことを考えればそう言うことになる。



 もしこれで仮に勇者と話がこじれ戦うことになっても、いつでも仲間を殺せることを盾にして黙らせ、壁に設置された数百もの銃火器や大型火器管制システムで外の数万の部隊を半時で壊滅させられることも証明し退かせることだって十分可能だ。



 その後でブランベルクやエスプリを襲撃し、二度と俺に手を出せないよう完膚なきまでに叩きのめしてしまえばいい。



 これで万事解決だが、スマートでクリーンなやり方ではないし、元聖女達であり巫女達からすれば喜ばしいことではない。いくら自分の意思でここに来たとは言え、そんなやり方を認めるはずがない。



 そんな板挟み的な状況で俺が出した結論は一つ。


「もったいぶらずにお見せしましょうか。俺が敢えてお二方をここに引き入れた理由を」



 どうせそっちが来ると言いだしてから俺は既に腹の内はわかってたんだよ。



《あたかも頭脳派ぶるの止めてくれます? 教えたの私ですから。魅力的な特産品を見せる計画で、春画を出そうとしたおバカさんがこんな頭脳派魔王と張り合えるわけがないんですから》



 きこえなーいきこえなーい。




《先日隠した春画の場所をリークしてもいいのですよ?》



 改めて俺は主従関係について深く首を傾げることになった。



───すみませんオー人事さんでしょうか? 主人公辞めたいんですけど。

一応今日中にうp出来たら朝までに。

それを逃したら本日の夕方以降になるかと。

何せ主人公が出社拒否を始めたもので・・・・・・

シーン撮影遅れてます。

なんちて。

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