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デスパレードでデスパレートな異世界ライフ  作者: 蒼穹
第一章 最低状況からの成り上がり編
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     第一話 スケルトンから始まるラブストーリー

 かつて異世界というものに憧れて転生した俺。


 幸か不幸か転生した際に僕は、一人の冒険者として異世界ハーレムを達成できると心躍らせた。


 結果。


「ぎやああああ」


 一匹のスケルトンがダンジョン内を逃げ回っていた。



 それ僕なんですけどね。


 追いかけて来るの獰猛な魔物の群れでは無く冒険者達の集団。夢に見た華麗なる冒険者ライフはどこへやら。



 スライムやゴブリンたちは早々と倒されて戦線離脱し、俺はスケルトンとして早々と弱小のままリスタート。こうして冒険者達に追いかけられて死にもの狂い(デスパレート)な日々を送っているわけで。



 彼らは魔物を倒すたびに強くなるけど、俺は今や同朋たる魔物を倒すわけにもいかず、ましてや人間を殺して強くなるわけにもいかず。



 弱小スケルトンとして昼夜問わずダンジョンの中で彷徨う日々を送っていた。

生前使っていた装備をそのまま身に付け、うろうろとする毎日。



 今思えば冒険者にならず平和な暮らしをしていれば良かった。


 魔導騎士官学校にちゃんと通っていれば良かった。



 学園の聖女隊学部の憧れのマドンナであるクールビューティーのヴェロニカさん。



 聖女隊候補として立派に活躍しているんだろうなあ。


 いつからか魔導騎士の訓練について行けずに、冒険者という第二の道に進むことにした俺は、有名になった姿を妄想し、いつしか男前になった姿を見せてやろうと躍起になっていた。






 なのに現在の俺は男前どころかスケルトン。冒険者でハーレムを築くどころか魔物に囲まれ生活する日々。



 嬉しくない。死んで転生して異世界でもまたまた死んで今度はスケルトン。



 こんな死の祭典(デスパレード)的で死にもの狂い(デスパレート)な日々に俺は終止符を打つべく立ち上がることを決意した。


「俺、スケルトンで魔導細工師になろうかな」



「はあ? 馬鹿じゃないの?」


 今ではダンジョンモンスター仲間であるロードフォックスのルリルリに、何故だか馬鹿にされている。



 そんなルリルリと俺は、洞窟の奥で隠れるように俺達は焚火を囲んでいた。ここは生前に覚えた魔導錬金で加工して造った穴で、隠れるにはもってこいの穴だった。



「いや、もう洞窟の中とか徘徊するの嫌だし、冒険者に追いかけられるのも嫌だし、それならいっそう

洞窟の外に出て、ひっそりと魔導細工でも造って生活して行こうかなって」



「ふーん。ハルッちは弱いんだからダンジョン出るまでに冒険者に見つかって殺されちゃうよ? もう死んでるけどさ」


 意外にこの狐は毒舌だ。俺の心に平気でダメージを与えて来る。



 でも二回も死んでいればメンタルは大分強化されているんだよな。ふふふ。泣くなんてことはしないのさ。何せ涙どころか目玉はないんだから。



「嫌だね。俺はもう隠れて生きるのが真っ平なんだよ」



「どうしても出て行くのかかい? まあそこまで決心が堅いなら僕は止めはしないけどさ」



 そう言って体を丸めて寝ようとするルリルリ。俺は寝なくてもいい体なんだけど、寝ようと思えば寝られる。なんていうのかな、意識を落とす感じって言うのかな。



 でも今はこの焚火の灯りを眺めながら色々と考えたい気分だった。


 

 魔導細工師になると決めた翌日。ダンジョンの中では昼も夜もわからないので正確な時刻はわからないけど、とりあえず俺はルリルリが起きてから一緒にダンジョンの中を徘徊。



 彼女は嗅覚や聴覚が鋭いので、冒険者がいればすぐに教えてくれるので、相棒としては物凄く頼りになる。



 今日は彼女のご飯となるものを探しながら、魔導細工に使えそうな素材の拾い集めをすることにしたのだ。



 魔物の死骸や死んだ冒険者の装備や鉱石など様々。



 拾い集めたものは生前使っていた魔法のアイテム入れに収納している。大分使い古されているけど、無限収納みたいな素晴らしい入れ物。



 食べ物を入れても腐ることがないので、ルリルリが食べるものをこの中にストックしていたりもする。こういう意味では本当助け合いだよなあ。



 現在俺達がいるダンジョンの階層は100階層のうち91階。ここら辺まで冒険者が来ることは無いが、上位魔物の縄張りである為、弱い魔物がうろつくと餌にされかねない。



 俺の場合食べるべき肉さえないのだが、ルリルリのような獣系魔物は狙われてしまう。



 でも彼女はそういう危険な気配には敏感なので、こうして毎日のように同行してくれるのだ。



 それに俺がこんな危険な場所をうろつくのは、上等な素材を集める為でもある。



 時々、高レベルの冒険者の死体があるので、俺はその人達の装備をちゃっかり貰っているのだ。その後はちゃんと埋葬するけどね。



 だが今回は違った。



「なんだかこの壁の向こうから何か感じるねえ」



 ルリルリが耳をひょこひょこさせながら首を傾げるので、俺は周囲を確認してからごつごつした壁を触ってみる。



 たまに壁の向こうには鉱石の塊が眠っている場合がある。これがたまにレアなものだったりするんだよ。ミスリルだったりオリハルコンだったり。



 試しに魔導錬金で壁を加工して穴を開けてみた。



 すると、壁とは明らかに材質の違う鉱石らしきものが出てきたのだ。



 何だろう。めちゃくちゃ黒光りしているけど、鑑定スキルを持っているわけではないので、一先ず発掘できるだけ発掘して行こうと思う。



 結局全部取ったらアイテム袋の中のリストには数量5万トンと表示されている。ここで俺は思考の中で【謎の鉱石】と命名してフォルダーに割り振った。



 隠れ穴に戻ったら後で色々と調べてみるつもりだ。



 その後は多くの魔物の死骸を発見して魔晶石を回収。



 時折魔物同士で戦ってこうして死骸が放置されていることがしばしばあるのだ。死んだ魔物の体からは魔力が結晶化された魔晶石と言うものが出てきて、これが市場で取引されているのだ。


 同時にこれは魔導具の材料になることもしばしば。


 だから俺は忘れずにこれを回収すると同時に、食べられそうな魔物の肉や皮などを回収してストックする。


 何せ相棒は俺と違って睡眠と食事が必要なメス狐である。


「今日は大量だったね」


「僕の直感のおかげだろ? 今日の夕食は豪勢にしてくれるよね?」


 ルリルリは俺の作る料理が好きらしい。スケルトンになった今では味見は出来ないけど、感覚が覚えているので簡単な肉料理を毎度作っていた。


 本当は色々作りたいのだが、味見無しではやっぱりね。


 穴倉に戻ってから、早速俺は火を焚いてからルリルリの為の夕食を作る。


「相変わらず弱いくせに手先だけは器用だよね。でもハルッちがここを出て行ったら料理が食べられなくなるのか。それも寂しいなあ」


「そうだなあ。俺もルリルリのこと好きだしね」


 本当こいつ面倒見がいいしな。魔物の中で本当友達で良かったと思うよ。


 恐らく親友と呼べるかもしれない。


「す、好き! あ、あうう」


 何だかわからないけどルリルリがもじもじし始めた。もしかしてお花を摘みに行きたくなったのだろうか?


 俺が料理している横で時折ちらちらとこちらを見て来るルリルリ。なんだこいつ。


 急にどうしたのか知らないけどさ。


 まるで色気づいたメス狐じゃないか。


「どうした?」


「あ、いや、その好きってさあ」


「ああ、親友としてな」


「は? 親友? 女としてじゃなく? ふざけるな馬鹿ああ」


 なんだかよくわからないけど、ルリルリが急に怒り出して俺の脛をかじり始める。というか一応甘噛みなんだろうけど酷い。


 まるで骨をしゃぶる犬の如く俺の脛はルリルリの唾液塗れになってしまった。


 確かに女性にしゃぶられるとかっていうシチュエーションは男の欲望を刺激するけど、初しゃぶりが

メス狐で、しかもしゃぶっているのが脛の骨っていうのがゲンナリさせてくれる。


 どこにもエロ要素がねえ。


 しゃぶるしゃぶられる関係を俗にいうしゃぶしゃぶって言うんだけど、これが人間の男女の関係であれば問題ない。


 でもメス狐とスケルトンではAVにもなりはしねえ。むしろそんなもの見て喜ぶのはどこぞの動物王

国のおじいちゃんだ。


 心温まるハートフルなコミュニケーションを堪能した後、ルリルリは不貞腐れたように夕食を食べ始める。


 いつもなら何かしら感想を言ってくれるのに、今日に限っては無口だ。


 そう言うわけで俺は今日発掘した鉱石を調べる為に、拳大の大きさのものを取り出してみる。


 鉱石の中では魔力絶縁に優れた物などがある。特にミスリルの場合は魔法に耐性がある金属である反面、それを素材に魔法付与アイテムを作るのが難しい。


 オリハルコンは加工が自由自在で、魔法耐性に優れた物、また魔法を付与しやすい武器防具としても利用可能な金属だ。


 更にオリハルコンには上位ランクがある。ハイオリハルコニウムやグランオリハルコニウムだ。


 そして更に噂の域はあるが(ゴッデス)・オリハルコンと呼ばれるものがあるらしい。


 まあG・オリハルコンなんてあるなら魔導細工師を目指す者としては手に入れてみたい物だね。


 さて、俺は鉱石に魔力を流してみたりと色々と試してみた結果、ミスリルより上のものだと言うことがわかった。


 通常ミスリルより上の素材としてはドラゴン系の鱗などがあるけど、まずそれくらいかもしれない。


 オリハルコンは一度見たことあるのが、ここまで黒光りしたものではないのは確かだ。


 色合い的にはクロムメタルカラーというべきだろうか。


 何にしても上等なものだと言うことがわかったので、これで何が作れるか考えてみることにした。


「ハルッちは弱いんだから鎧とか作ればいいんじゃない?」


 夕食を終え満足そうな顔をしたルリルリ。先ほどまでの不機嫌さはどこへやら。


 確かに俺は弱いので今更何を言われてもへこたれないけど、鎧を造っただけで強くなるとは思わない。



「鎧かあ。そうだ!」



 俺はアイテムの中から銅や鉄にミスリルなど、今まで集めたものを出して見る。そして磁石を含んだ鉱物に魔晶石も忘れない。



「どうしたんだよ?」


「今まで思いつかなかったんだけどさ、ルリルリのおかげで閃いたんだよ! 凄いぜルリルリ! 愛してる!」


 俺は感動のあまりルリルリの体に抱き付いてしまった。さらにどさくさに紛れて尻尾でモフモフしてしまった。


「あ、ひゃう、こ、こら、ハルッち、やめ、ちょ、おまどこ触って、んもううううう!」


 どか!がす! ガシガシ! コロン!


 蹴りの二連撃とかみつきを喰らい、更に俺の首がぽろりと落ちてしまう。


 もうデュラハンになった気分だよ。


 とても悲しいことに、一度外れるとそれ以降外れやすくなるんだよね。


 本当不便な体であるが、ルリルリのおかげで俺は解決策を思いついたのだ。


 早速外れた首を付け直し、それから俺は作業を行うことにした。




 まず、冒険者の死体から頂いたミスリル装備を魔導錬金で鉱石と鉄と銀に分解してみた。まあ安物だったせいかミスリル鉱石が、意外と少なかったのがびっくりだったけど、とりあえず30キロ分は獲れたと思う。それと元から発掘したミスリル鉱石500キロ分も合わせると十分な量だろう。


 このミスリルは魔力回路(サーキット)と呼ばれる物の基盤にする材料として使うつもりだ。


 一つのサーキットを作るのに10グラムから20グラム程度しか使わないので十分な量と言えた。


 次に、魔力絶縁の素材となるマクベトレントの樹脂だ。これを魔導錬金でミスリル鉱石と合成して初めて魔力回路の基板が出来る。


 今度は別の作業に移る。魔晶石を魔導錬金で金と混ぜる。それをルリルリに火炎魔法で熱して溶かしたものをサーキットに流し込むように張り付ける。


 これまでの工程は電気回路基板を作るのと一緒だ。


 この魔晶石と金を混ぜたものが魔力の通り道になるのだ。それから様々な精密部品を作り上げて一つの魔力回路を完成させた。


 前々世でエンジニアだった俺にかかれば、電子部品に見立てて作り上げるのは簡単だ。


 まあ魔導錬金と空間魔法制御の一部の魔法しか使えない俺にとっては、ルリルリのような精霊魔法を

使えるメス狐の手伝いはけっこう助かる。


 何せ火炎魔法で金属を液体化させるのは魔導錬金では難しいから。


 さて、ここまで出来たら、俺は空間制御魔法を使って五センチ四方の黒光りの鉱石の箱の中に、アイテム袋と同じ構造の亜空間を造った。


 これはさっきの魔力回路基板を並列に繋げたものを100個ほど収める核のようなもの。


 実はこれ、AIの基盤だ。


 核となるAIが出来たら今度はそれを収める為のボディ造りに手を付ける。


 元女体彫像芸術家である俺の手にかかればなんてことはない。


 え? 元エンジニアの肩書? 聞こえなーい。


 俺は眼球を魔導細工として作成。そこに最初に造ったサーキットの入った亜空間ボックスとパスを繋げた。



 ちなみに一度自分の頭蓋骨にセットしてみる。


【メニュー】【セットアップ】【プログラミング】【スキャニング】・・・・・・etc


 うん。魔力回路に刻んだ術式プログラムは問題なく稼働している。


 これでAIに命令を組み込んでから再び頭蓋骨から外す。


 今度は頭蓋骨と体の作成だ。


 この黒光りしている鉱石はミスリルより魔力耐性に各段、いや正確にはオリハルコン以上の魔力耐性に優れているだけじゃなく、硬度にも優れていた。


 でもハイオリハルコニウムやグランハルコニウムとも色や性質が違う。


 一体なんだろうな。


 まあこれだけ優れているし5万トンもあるのだからケチらずに使ってしまおうと思う。


 頭蓋骨のパーツを丁寧に造り始める俺。実は俺、ターミネーターが大好きで、現在T800の外観モデルをベースに、もちっと格好良くデザインと機能を充実させたものを作成している。


 異世界でどれだけ魔物をなぎ倒せるかわからないけど。


 腕のギミックや関節なども全てこの黒光りした鉱石を使用。


 この黒光りした鉱石を加工し金属化したら、クロムメタルカラーになったので俺はこの未知の鉱石をクロムオリハルコンと命名。


 寝なくて済む体の俺は、一先ず夜通し掛けて金属ボディを作成した。


 このT800モデルのボディ名を、役者のアーノルドさんの名前やドイツ語の黒にちなんでシュヴァルツと命名する。


 さてこのシュバルツボディにサーキットを組み込んだ魔術回路を組み込んだ頭蓋骨をセットして完成。


「できた! 見てよルリルリ!」


「んあ・・・・・・なんじゃこりゃああああああ」


 眠りこけていたルリルリを叩き起こした瞬間、シュバルツボディーを見て発狂し始めた。


 まるで化け物を見るような驚き様である。


「さてこいつを早速動かして見ようかと思う。驚くのここからだぜ」


 俺が音声入力システムでAIリリスに命令をする。このリリスの由来は神話からのもの。さしずめ俺がアダムってところか? いやいや。


 あれ、動かない。


 おかしいな。


「どうしたんだい? そこまで造って動かないなんてシャレにならないんじゃないのかい?」


 ルリルリが笑いを堪えながらこちらを見ているがこの際無視だ。


 こうなったら一度このボディに乗り移ってプログラムを見てみる他ないな。


 早速シュバルツボディに乗り移ると、眼球が赤く発光し起動を知らせる。同時に俺の中に流れ込んでくる大量の情報。


《リリス起動。ボディコンディションオールグリーン。プログラム異常無し》


 ふむふむ。問題は無いらしい。


 俺は試しに腕を振り上げたり歩いてみたりする。


 どんがらがっしゃーん!



「「あ」」



 振り上げた拳が見事に俺のスケルトンボディに直撃し、気持ちのいいほど粉々に粉砕してしまった。



 拳を振りおろす際は周囲をよく確認してね。


「しまったああああ。元に戻れねええ!」



 衛生兵! えいせいへえええええええ!



 粉々になったスケルトンの残骸の前で項垂れるターミネーター。きっと傍目から見たらシュールな光

景に見えただろう。


「え、てかそっちの体の方が良くない?」


 ルリルリの一言が唯一の慰めの言葉となった。


《傍にあるアイテム袋の能力をボディに付与。アイテムストレージ機能を入手。スケルトンボディの残骸を回収しますか? 回収すればDNAデータ及び残骸を生体素材を活用できるようになります》


 それは即ち、いつか人間の体を作れると言うことだろうか?


《肯定。その為の機能と材料が不足しております。現時点での作成は不能》


 不幸中の幸いだ。俺は即座にスケルトンの残骸を回収し、装備していた衣服などもアイテムストレージに保管した。


「なんだか凄いことになってるね。目の前で突然残骸や装備が消えちゃったよ」


「ルリルリ、どうやら俺はとうとうパワーアップしたらしい。次は実践テストだ」






 早速俺は意気揚々と穴倉を出た。ちなみにここの階層は50階。中間地点的な意味で脱出用の魔法陣が存在する場所のすぐ傍だ。


 まさかこんな場所に隠れる場所があるとは思わないだろう。


 穴倉を出た俺の眼球に生体反応の光点がマップと一緒に表示される。


《該当結果、モンスターはテコビルゴブリン。冒険者一団については該当結果無し》


 魔物については毎日のように死骸を見てるしね。生きている時にも何度か遭遇しているから、その俺の記憶を元にデータを作成してくれたらしい。


 さすがリリスちゃん。


 冒険者には一度遭遇したら殺されるので、俺はルリルリの嗅覚と聴覚を利用して全力で逃げてたから

勿論データなんてほとんどない。


 まあそれでも生前の俺が冒険者だった頃に出会った人たちのデータがあるけど、あれから二年以上経

っているからなあ。



 早速様子見に信号が出ている方向へ向けて歩き出す。


 スケルトンの頃より何だか安心感あるのは、この新しい体のおかげだろう。


 力強さが感じられるからな。


 辿りついた先にはなぶり殺しにされたテコビルゴブリンの集団と、見慣れない冒険者の一団があった。


 いや、正確には冒険者じゃない。


 純白の衣装にミニスカロングブーツ。形はそれぞれ違うけど、この集団を僕は知っている。


「聖女隊・・・・・・」


 何で聖女隊が冒険者の真似事なんかしているんだ?


 俺が内心驚きながらその集団を見つめた時、一人がこちらに気付く。


「・・・・・・スケルトン? いや、この禍々しい魔力に外観、スケルトンとは違う! みんな気を付

けて!」


 赤毛の女性が俺の姿を見るなり抜剣した。


 えええ、俺全く戦う気無いんだけど!

 


 俺は思わず後ろを振り返る。


 あれ、ルリルリがもういなくなっちゃった。


 逃げ足だけは早いのな。


 まさか戦闘訓練で初っ端から大物集団と遭遇するなんて俺はどれだけついてないんだよ!


 


溶鉱炉に突っこんでも解けないターミネーターは最強

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