◆第2話◆
これは、Dear Girlの続編に登場した真夕の後輩にあたる三田村亜希子が、横浜に住んでいた時のお話です。真夕の話と違い、あまり爽やかさは無く、少し生々しい描写もありますのでご了承下さい。独立した物語になっていますが、亜希子の詳細はGirls Memoryにも含まれております。
初めてそういうことをしたのは中3の春だった。
クラス替えがあり、今まで知らなかった娘とも近づく機会ができる。
洋子は少し影りのある、あまりぱっとしない娘だったが、少し長めの睫毛とスジの通った小鼻が意外とカワイイ印象を与える。
だから男子にも人気はあった。
人気はあっても、社交性に欠ける彼女と楽しく話せる男はいない。
僕以外には。
僕は女性の身体を利用して、彼女と同性として親しくなっていった。
しかし、女同士でも普通のスキンシップ以上に身体に触れるのは、いささか気が引ける。
僕は彼女たちを女として認識すればするほど、自分はその異性に値すると自覚してしまうのだ。
それは、彼女達の身体に触れたいという欲求をも促進させた。
もう四月も終わる、ゴールデンウイーク直前の事だった。
「ねぇ、亜希子。今日うち寄ってかない」
「いいよ」
洋子は僕を当たり前の女として手を繋いでくるが、僕はもちろん、男として彼女と手を繋ぐ。
しかし、彼女の部屋でジュースを飲みながら話していた時、途端に洋子は僕に抱きついてきた。
いきなりの事で、さすがの僕も動揺した。
洋子は服の上から僕の小さな胸に手を当てて、そして撫で回す。
「よ、洋子?」
「ごめん、ごめんね。あたし、こんななの……」
洋子は僕の肩に顔を埋めながら何度も「ごめんね」と言った。
彼女はレズビアンだった。
いや、本当にそうなのかは判らない。
彼女の長い髪が、僕の鼻先に垂れて揺れる。
フローラル系の甘い香りが漂って、心地いい。
何だかよく判らないが、僕はこのチャンスを最大限に使わせてもらう事にした。
僕が彼女の胸に手を当てると、洋子は一瞬驚いていた。
その胸は、思いの外大きく感じた。
彼女のやわらかい唇に自分の唇を重ねる。
洋子は息を荒げて、舌を絡ませてきた。
経験があるのか、本能なのか、あまりにも濃厚なキスは、二人の身体を熱くさせ、そしてしっとりと濡らした。
自分と同じ身体だから、初めてでも相手の感じる場所は熟知している。
僕は自分の知りえる事を全て洋子に施した。
息を荒げる彼女は、何時もより大胆で可愛らしかった。
洋子の細い太ももは、ひんやりとしていた。
女性の白い身体は、柔らかくてスベスベして温かい。そして、何故か内ももは冷やりとしている。
もちろん自分の身体も女性だが、自分を自分で触るのとは全く感触は違う。
僕は、この日から心の異性、身体の同性に対して、果てしない性的意欲を感じるようになった。
しかし、誰でもいいとうわけではない。
一見仲良くしていてもそそられない娘もいるし、話もした事の無い娘にやたらとそそられる事もある。
僕は、どちらかと言うと、後者を選び、性的意欲の対象にしてから近づく事が多い。
自然に親しくなった娘は、やはり身体的同性の友達として確保しておく必要がある。
学校社会というものは、そういうものだ。
そんな気持ちで生活していても、そうそう直ぐに誰かと関係を持てるはずも無く、当面は洋子との秘密めいた関係が続いた。
彼女自身も、身体を交えるのは僕が始めてだそうだ。
当然彼女は僕の事もレズなのだと思っているし、その方が都合がいいだろう。
しかし、あくまでも僕は、洋子を男として抱くのだ。