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鴇色雑記  作者: 鴇合コウ
いろいろ雑記
15/55

秋桜・桜色

またもO県ネタ。


 コスモスの咲く季節になった。

 ピンクと紅色の一重が可愛らしく、群れて風に揺れている景色は心まで秋晴れになる。

 ところが南のO県では、これが通じない。


 O県のコスモスといえば、黄色。オレンジ。

 もう、どこをどう見ても夏色にしか思えない風景だったりする。

 最近は内地でも、このキバナコスモスがよく植えられていたりするが、初めて見たときは目から鱗だった。それはもう、可憐さとは程遠い溌剌とした花だ。


 そしてこの県では、よく知られているように、桜もまた別物である。

 開花時期は1月。日本で一番早いのか、もっとも遅いのか微妙に迷う季節柄である。

 色は、濃き緋。

 あの春の夢が霞となって地上へ降りてきたような、やさしい薄紅色ではない。

 くすんだ曇天の中にも、はっと目を惹く艶やかなマゼンタ。その華やかさゆえ、幹はよけいに節くれだって黒々と映り、花を纏い立つ姿は一種異様な迫力をもって見える。

 そのせいか、O県でお花見の習慣はみられない。最近は内地の影響でする人もいるようだが、

「あの桜を見て、お酒を呑もうとは思わない」

 のだそうだ。

 確かに、悪酔いしそうな鮮やかすぎるピンクではある。


 余談だが、かの県の友人は、最初「桜貝」がなぜ薄桃色なのかが、全く理解不能だったという。

 内地の桜を見て、ようやく意味が分かったらしい。

 ところ変われば、全国共通と思っていた固有名詞も、その意味を違えるのだ。


 いろんな花があるように、いろんなコスモスがあったっていい。

 いろんな桜があってもいい。

 いろんな人が、あっていい。

 いろんな自分が、居てもいい。


 南の島の二つの桜は、なぜだか、わたしにそんなことを教えてくれた気がした。




  

O県の桜は寒緋桜(かんひざくら)といいます。

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