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第二話 楽しい時間

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 そこからの時間は夢見心地であった。限りなく濃厚なクリームと、風味豊かなスフレ生地が絶妙にマッチしたケーキを二人で静かに味わった。

「ああー、いいっすねぇ!!」

 田所さんの言葉はまるで天上の調べだった。独特なワードセンスも面白い。こんな時間が一生続けばよいと切実に思った。バックではまだパッヘルベルのカノンが鳴り響いていた。


 だが、そんな楽しい時間もいつかは終わってしまうものだ。時刻は午後六時。そろそろ家に帰って私の晩御飯の支度をしなければならない。名残惜しいが、此処を去る必要がある。だが、その前に一度やっておきたいことがあった。

「あの……もしよかったら、LINE交換しませんか?」

 勇気を振り絞って言ってみる。

「あーソレ、いいよ。おかのした。スキャンして、どうぞ。」

 私はスマホを取り出し、出されたQRコードを読み取った。『こうじ』と書かれた画面が現れる。アイコンは、薄い水色のブラインドをバックに佇む浩二さんだった。私は友だち追加ボタンを押し、トーク画面に「よろしく」というスタンプを送信した。すぐに既読がついて、うさぎのキャラクターがお辞儀をするスタンプが送られてきた。

「では、私はこれで。ありがとうございました!」

「ありがとナス!!」

 私はカフェの扉を開けた。上を見ると半月が輝いていた。早春の冷たい夜風が頬を撫ぜた。


 家に帰って鶏肉をフライパンに入れ、炒めた。肉汁が迸り、跳ねる。野菜を加えて調味料で味を整えれば、鶏肉の炒め物の完成だ。

 ……飲み物はアイスティーがいいな。久しぶりに紅茶のパックを取り出し、丁寧にコップに淹れてみる。氷を落とせば、アイスティーの完成だ。

 食卓について「いただきます」と言う。アイスティーを口に含んだ。

 ……インスタントだからね、しょうがないね。流石にお店の味には及ばなかった。しかし、あの楽しい時間を思い出しては自然に体が火照る。田所さんと話した時間が、頭の中をフラッシュバックしてやまなかった。

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